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社員のキャリア形成を促す新人事制度・・・戦略的キャリア・マネジメント(機
 
       
2016年1月27日    近年の企業人事のキーワードは「キャリア自律」である。とはいってもステップアップ転職や再就職を前提にしたものではない。企業内のキャリア自律を促す新たな人事制度である。なぜそうした「キャリア自律」の考え方が企業に受け入れられてきているのか、その背景には、新しいビジネスモデルを早期に立ち上げ・確立することが多くの企業にとって優先課題となっているからである。
 企業環境が激変する中、従来のビジネスモデル(儲ける仕組み)では「この先も競争優位を維持することができず、企業の存続すら立ち行かなくなる」といった経営者の危機感がある。新しいビジネスモデルの確立を阻む最大の壁は、過去の成功体験である。組織の衰退を招き、企業変革を阻む例は、経営書を開けば沢山でている。新たなビジネスモデルを構築していくには、いかに\功体験で得た知識・技術など、既存の価値観を意識的に棄て去り、新たに学び直すか、∩和だを働かせてリスクをとる経営スタンスにシフトするか、2甬遒留篦浩上にない不連続の未来に挑戦し実現していくか、の三点が経営者に突きつけられているのである。
 新しいビジネスモデルを確立し成果をあげていくために、経営者も職場の上司も部下に自信を持って教えられることはなくなる。部下も上司から教えてもらうことは期待できない。また、従来のように経営トップや人事部門が全社員の配置・異動を行うことはできなくなる。その結果、企業は社員には自身のキャリア形成は自分で考え、判断・選択するように求め、会社はそのために必要な支援を行う。また個人は、自分のキャリアは自分で考え、必要な学習を行い、自分で責任を取る。すなわち、キャリア自律(エンプロイアビリティ)をしなければならない。
 したがって、もし社員の貢献に対して処遇(賃金等)が多すぎる場合は、別の職務に異動するか、賃金を下げるか、ことによると辞めてもらう方向にプレッシャーがかかる。その反面、貢献に対して報酬が少なければ社員が辞める方向にプレッシャーが働くことになる。つまり、社員からするとプロとしての自律的な意識を持つことによって、会社との関係は従来の「帰属」から「対等」へと「大人同士の関係」に変わるのである。また会社にとっては、そのような自律意識を持った社員にしか、新しいビジネスモデルの創造は期待できない。
 社員の「キャリア自律」は本人にとってのニーズである前に、会社として緊急に取り組むべき人材活用(配置・育成)の課題であることに多くの企業は気づいたのである。

 キャリア自律支援と成果主義人事は企業変革の両輪
 人事制度は、「事業目的や経営戦略を実現するための最適な組織を創る」ためのものである。したがって、人事制度を構築する場合、顕在化した目先の課題解決だけを目的とすると失敗につながる。まず、「自社にとって最適な組織とはどのようなものか」を考え、そのための組織デザインを進め、あわせて現在抱えている課題も解決していくことが望まれる。つまり、「経営理念」=「人事制度」=「人材」が、一本の軸で繋がっていることが重要である。
 バブル崩壊後(1990年代後半)、成果と賃金を連動させる成果主義人事がもてはやされた。社員の士気向上、評価に対する納得性や公平性の向上による業績アップ、人件費抑制などを理由に日本企業の多くに導入されていった。だが、成果の指標や測定方法、評価のばらつきなど評価・目標管理の問題、モラールダウンや社員の共謀、行き過ぎた個人主義などモチベーションの問題、社員の技能や能力開発など人材育成の問題など、さまざまな問題が提起された。それは成果の評価や報酬に関わる問題だけでなく、「働き方」の問題として、裁量の範囲を広げることの重要性、仕事分担を明確にすることの重要性も指摘された。そもそも評価制度と賃金制度だけを改善する狭い範囲の成果主義(結果主義)が機能しないのは当然である。
 企業が人事制度を再構築したいと考える場合、まず、ヾ覿箸鮗茲蟯く環境があり、そのなかで企業の方向性、ビジョンが設定される。次に、経営トップのリーダーシップのあり方、発揮の仕方があり(ビジョンへの腹の括り方)、それに応じた組織・人事の戦略がある。そして、ち反ァ人事戦略に沿って人事制度や人事施策が運用され、ゼ勸に適用される。 この,らイ泙任琉賚△硫礎溶∈燭虜能段階に位置する社員が、市場・顧客にどのような価値を提供できているかが、まさに企業の競争優位性を既定するのである。  したがって、キャリアの自律を支援する人事施策と成果主義に基づく人事制度は同じ背景(新しいビジネスモデルの創出)をもつ両輪であるといえる。
 
 前提条件で変わるキャリア
 「キャリア」とは、一般的に「経歴」、「経験」、「発展」さらには、「関連した職務の連鎖」等と表現され、 時間的持続性ないし継続性を持った概念として捉えられる。近年、この「キャリア」に対する考え方が、大きく変化してきている。
 従来の「キャリア」を考える上での前提条件は、終身雇用・年功序列という「日本的な雇用慣行」と大企業はつぶれないという「規模の神話」という二つの価値基準のなかで考えられていた。つまり、企業の規模や知名度といった単一のモノサシで企業の順位がつけられ、少しでもこの序列の高い会社に就職することが、ひとつのゴールとされていた。
 こうした条件の下では、個人(社員)のキャリアを設計する主体は、個人自身ではなく、雇用する側の会社が握っていた。個人は、終身雇用の保障を得る代わりに、「自分自身のキャリアを設計する権利」を会社に提供していたのである。人事異動や転勤など、それが個人の職業生活や家庭生活に重大な影響を与えるものであっても、それは会社から下される命令であり、それを拒否することは、職業人生におけるドロップアウトを意味するに等しいことであった。そもそも「キャリア」とは会社から与えられるものであり、自らのキャリアについて考える「キャリア意識」そのものが希薄であったといえるのである。
 しかし、バブル崩壊後、「絶対につぶれない」と考えられてきた大企業、一流企業の相次ぐ経営破綻、大規模なリストラに伴う人員削減といった光景を目の当たりにして、日本人の雇用に関する認識は、あっという間に塗り替えられることとなった。
 まず一つには、「自分のキャリアを設計する権利は、自分自身のものである」という認識が、働く側にも、そして雇用する側にも、生まれたことである。また、以前は契約社員やアルバイトは、何らかの制約によってフルタイムで働けない人がするものと考えられてきたが、現在では自分の専門能力を活かして、プロジェクト単位で会社を渡り歩くような働き方も増え、決して正社員こそが「正しい」という考え方ではなくなってきている。これが変化の二つ目である。つまり、働き方の幅が広がり、職業人生の歩み方は個人の働きかけによっていかようにもなり、それは自己責任であるという認識が、急速に広がってきているのである。
 近年、注目されている「エンプロイアビリティ(就業能力、雇用される力)」という考え方も、こうした考え方に基づくものである。これは、社員が現在の企業でしか通用しない能力ではなく、他社でも通用する、より汎用性の高い能力を身につけるべきという考え方である。高いエンプロイアビリティを獲得することで、個人は自分のキャリア形成により主体的に取組むことができるようになった。また、企業の側も、これからの時代は、そうした高いエンプロイアビリティを持った人材こそが、優秀な人材であり、競争力の源泉であると考え、社員以上の関心を持って、企業が積極的にそのキャリア支援、自律に向けて取り組むようになってきている。

 キャリア自律をどう支援するか
 「自分にとって現在の仕事はどういう意味があるのか」「仕事を通じてどう成長していきたいのか」を社員に主体的に考えさせる場として、そして業務改善を推進してもらうため、キャリア支援を行っている企業は少なくない。また、キャリア支援は離職の防止にも繋がる。
 企業がキャリア支援を進めていく際に、留意すべき点がある。それは、新入社員からベテラン社員まで、各段階にあわせたキャリア支援策を展開することで、各人にとって意味あるキャリアビジョンを作りあげることができる。職業経験や成功体験などによって、年代ごとに悩み・不安の傾向や課題が違ってくるからである。
 例えば、20代では「仕事とプライベートの両立が上手くいかない」「自分の適性がわからない」という悩みが多く、自分は何に向いているのかを振り返る余裕もない。30代になると、「仕事には慣れてきたものの仕事の意味がなかなか作れない」という仕事への迷いが生まれてくる。プライベートでも結婚や子供の誕生など、変化がでてくるのでモチベーションのアップダウンの維持が難しくなる。40代では、「ポスト(昇格・昇進)が上がらない」という問題がある。この年代はポスト不足が浮き彫りになってくる。そして50代では、「仕事が評価されない」という悩みや雇用不安が多くなってくる。
 このように組織にはいろいろの年代の人がいて、さまざまな悩みや不安を抱えている。そこで問題となるのが、どの年代層に力を入れていけば組織全体が上手くまわるかといった、梃子のポイントを見つけることが大切になってくる。そういう意味からも、年代ごとの課題を正確につかみ、トータルに手を打っていかないと、組織の中におけるキャリア支援はうまく機能しない。

 キャリア支援の進め方
 本来、部下の支援は職場管理者の重要な仕事である。しかし、現実の職場管理者にはプレイヤー的な要素が非常に強く求められている。さらに最近では、ワーク・ライフ・バランスの考え方や雇用形態の多様化等により、限られた人数と限られた時間の中で、より高い成果を出していくという大きな役割・使命もある。そうした状況の中、過去の職場管理者のように親身になって部下の支援をしていくことにはおのずと限界がある。
 そこで、組織的にキャリア支援をしていくために、ー勸が自らのキャリアをマネジメントする、管理者・先輩が部下・後輩のキャリア形成を支援する、キャリア相談機能により個別支援する(キャリアカウンセリング)」を三位一体として、「トータルキャリアサポート」という考え方で展開することを提案する。
 まず、ー勸が自分自身のキャリアを振り返り、今後のキャリアビジョンを設定する場として「キャリアデザイン研修」を企業の中で仕組みとして導入する。重要なのは研修を終えて、社員が職場に戻ってきた時に、上司がサポートできるかどうかという点にある。自分自身を見つめ、自分のやりたいことを自分で自由に選択し、責任を取るのだ―といっても、これに上司が反応せず。「また頑張って」というだけでは、部下のモチベーションは一気に下がってしまう。
 次の⊃場管理者は、部下のキャリアビジョンへの理解を示し、業務遂行目標とキャリア目標の擦り合わせを行い、部下のモチベーションを維持していくために部下のキャリア形成を支持していく必要がある。なぜなら、部下のキャリア支援は上司の重要な仕事(役割)の一つだからである。しかし、そのことを明確に打ち出していない企業が多くなってきている。
 さらに社内外のキャリアカウンセラーにより個別支援を行う「キャリア相談機能(室)」を設けることも重要である。キャリアカウンセラー(室)は、時間をかけながら相談者が自分自身と向き合い、自身の価値観・人生観を再発見し、自己理解を深める方向へ導いていく役割を担っている。話を聞いていく中で本人が気づき、自ら責任をもって前向きに行動につなげていけるようにカウンセリングを行う。それにより、とかくOJT的な問題解決の指示やアドバイスになりがちな上司とは違った視点で、アドバイスやサポートができる事はメンタルヘルス対策としても大きなメリットがある。

<このテーマに関連する資料>
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