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■育成・活用型人事考課の鍵を握る育成・活用シートの重要性

       
2013年7月22日    育成・活用型人事考課を導入している企業は多いが、その制度をスムーズに行うための「育成・活用シート」を整備し、これを効果的に活用している企業は少ない。また、何らかの形で人事考課の結果をフィードバックしている企業は9割近くに上るが(労務行政研究所調査)、部下が納得し、公正に処遇に反映され、さらに人材の育成や活用を促すものになっていなければ、人事考課の目的を達成しているとはいえない。
 問題は、従来のような考課表をそのままフィードバックするだけで、適切な説明が行われなければ部下は不満を覚え(実際は不満がほとんど)、将来への不安を持つことになる。その結果、モチベーションや仕事への挑戦意欲が低下し、組織の活力も削がれていくことになる。そうならないためには、もっとキメの細かい育成・活用シート(企業によっては目標シート、チャレンジ・シート、マイ・ジョッブ等の名前がつけられている)を設定し、これをフィードバックに活用していく必要がある。
 前月のテーマに引き続き、今回は育成・活用シートの設計と運用について、そのポイントを整理してみたい。

 考課表と育成・活用シートの設計と運用
 考課表は、できるだけ簡潔であることが望まれる。考課表は人事部門に提出され、その後に、一定のルールで計量化される。そして、それが昇進、昇格、昇給、賞与のために活用されていく。
 一方、育成・活用シートは、考課表の内容明細であると共に、フィードバックされ、今後の育成と活用に直接つながっていくだけに、以下の具体的な項目をもって構成される。
課業別遂行度=結果業績が良いとか悪いとか単にいうのではなく、結果業績の原因(過程業績)である職務を構成する課業ごとに、期待し要求するレベルを上回った(◎)、期待し要求するレベルであった(○)、期待し要求するレベルを下回った(△)という形で評価する。課業ごとに善し悪しがはっきりするので、納得性もあるし、努力目標も立てやすい。
自己評価=まず部下自身が、課業別遂行度と能力要素別修得度を、◎、○、△で評価し、上司が評価した後に、両者を対比しながらフィードバックが行われる。自己評価で必要なのは、評価の材料となる具体的行動(評価の着眼点)と評価基準が具体的に示されていることである。
計画的OJT=人事考課は、過去(評価期間)の業績と現在の能力(高さ)を評価する。部下の将来性については一切排除するのが評価上のルールである。しかし、人材の育成と活用となれば、将来に向けた展望が必要になる。それは、部下の動機づけに結びついてくる。
自己啓発=人材の育成や活用で、その基本となるのは本人の意思と適正である。上から一方的にあれをやれ、これをやれでは決して上手くはいかない。自分の将来についての意見や希望が述べられ、上司と部下との間で確認がなされていなければならない。これが上下間のコミュケーション・パイプ(面接、対話、修正、確認)の役割を果たす。
 育成・活用シートは、一部は人事部門へ、一部は職場に置かれ、各人にフィードバックされることになる。フィードバックは、育成・活用シートをベースにして、面接という形をとって行われる。そして、相互が納得するまで話合いがなされ、合意の確認が得られるよう努力がなされる。

 育成・活用シートと面接制度
 育成・活用シートは、全体が4つの項目(「1.課業と達成度」「2.執務態度行動」「3.能力開発目標と成果」「4.指導・支援」)からなる。まず、目標設定面接のときに記入されるのが、今期に担当する課業と課業ごとの目標(難度を含む)および執務態度行動と能力開発目標である。そして、評価時に記入するのが、課業ごとの達成度と執務態度行動のチェックおよび能力開発目標の成果である。さらに、フィードバック面接時に部下と話し合って記入するのが、指導・支援である。このように育成・活用シートは、目標設定面接 → 評価 → フィードバック面接の3つに分けて記入され、活用されていくことになる。
 それでは、ステップごとの記入について考えてみよう。
<目標設定面接時>
目標設定面接を行う1週間ほど前に、上司は今期の事業計画や職場方針、行動計画をできるだけ具体的に情報として流し、併せて各人の役割である責任と権限の割振りを個人ごとに説明しておく。
その上で育成・活用シートを本人に渡しておき、本人は,鮟淑に念頭に置いて、今期行うべき、また行いたい課業を職種別職務一覧表から自らの判断と意志で、鉛筆で書き込む。その際に、本人の等級レベルを越える課業を必ず幾つか入れることを伝えておく。
課業の確定つまり職務編成が終わったら、次に期待目標を課業ごとに設定していく。ここで大切なことは、課業のレベルよりも、期待目標のレベルである。課業レベルそのものが低くても、期待目標が高ければチャレンジ目標(評価が1ランクアップ)になり得る。
課業と期待目標の設定が終わったならば、等級レベルについての評価に入る。課業に対して設定した期待目標が、本人の等級レベルを超えていると上司と部下が共通に確認した場合は、チャレンジ目標としてCマークを記入する。(等級レベル=L、下回るレベル=U)
次に執務態度行動についての記入であるが、今期の課業遂行上重要と思われる執務態度行動を、執務態度考課基準書の考課要素の着眼点の中から選び、その具体的内容を記入する。その内容を上司が確認し、疑問があるならば本人と話し合う。これが行動上の目標となる。
次に、能力開発目標が記入される。ここでは、今期の修得目標及び習熟目標が記入される。
修得目標は、読書内容や研修受講内容及び免許・資格取得などの計画を記入し、習熟目標については、特に受けたい指導内容といったものを記入する。
<評価時の記入>
課業ごとに期待目標に対する達成の度合いを◎、○、△の三つの評語で自己評価、上司評価をそれぞれ独立して行う。育成・活用シートは、あらかじめコピーして上司と部課に渡され、後でつき合せる形で1枚(上司)に転記する。
次に、執務態度行動のチェックが行われる。行動目標では自己評価は行わず、遂行できた場合は加点(人事考課の評価段階を1ランクアップ)し、失敗をしても減点をしない。
次の能力開発目標の成果では、実施状況とその成果について、部下との話し合いの中で記入される
<フィードバック面接時の記入>
フィードバックにあたっては、まずポイントを整理し、十分に人事考課の結果を分析して、
計画的OJT(OJTデッサン法)を立てた上で、部下に望む。
課業と期待目標の達成度評価では、自己評価と上司評価について十分に話し合いながら、一致したものから結論を出していく。評価が◎で一致したものについては、この長所をさらに伸ばし、生かしていくための方策について話し合う。評価が一致しなかったものは、その原因を上司と部下とで徹底して話し合う。(なぜ食い違ったのか)
次に、執務態度行動のチェックについて、上司は評価結果を十分に部下に説明し、部下の納得を得る。納得できないものについては、性急に結論を出さずに、その理由について話し合う。
能力開発目標の成果では、その成果の状況を明示し、さらにどのように計画を実行していくかについて結論を出し、それを要約して指導・育成欄に書き込んでいく。

 人事考課表への記入の仕方
 育成・活用シートでの作業がすべて終わった段階で、それを考課表に集約することになる。1.課業と達成度の内容を集約する形で業績考課を、同じく2.執務態度行動を集約する形で執務態度考課を行うことになる。なお、考課表に集約するとは、育成・活用シートの課業ごとの達成度評価を集約することになるわけだが、この場合は仕事の難易度ではなく、どの課業にどれだけの時間を要したか、つまり時間的ウエイトを基準に集約するようにしたい。
 そしてもう1つ大切なことは、チャレンジ的な課業(Cマークの付いている課業)については、プラス1をつけて集約するということである。つまり、人事考課の評価段階が標準B(普通)に該当する場合はA(やや良い)へ、プラスAの評価の場合はS(極めて良い)へと集約する形となる。チャレンジ的要素のない業務(LマークまたはUマークの業務)については、そのまま集約することになる。なお、人事考課でC評価(やや悪い)であって、しかも業務に支障をきたしたような場合にはD評価(極めて悪い)となる。ただし、チャレンジ的な課業でない限りにおいてはS評価は存在しない。したがって、Cマークの付いているチャレンジ的な課業であって、その達成度がA評価であれば、集約するときにS評価になる可能性を持つ。また、達成度評価がマイナスで、しかも業務に支障をきたし、それがチャレンジ課業でなければ、D評価となる可能性を持つ。このように、集約のルールを明確にしておきたい。
 次に、執務態度行動を集約する形で、執務態度考課を行う。育成・活用シートで「今期の課業遂行上で最も重要と思われる執務行動」がプラス1の対象となる。したがって、それがA評価となれば、評価はワンランク上に積み上げられS評価になる。
 一次考課が終わったならば、二次考課者にこれを回す。育成・活用シートおよび一次考課結果を一次考課者は十分に説明し、その説明を受けた上で二次考課者は独自の判断で評価をする。こうして三次考課までが終わったならばサインをし、二次考課者へ、そして一次考課へと戻される。一次考課者も二次考課・三次考課でどのように評価されたかを確認した上でサインをして、再び三次考課者に戻し、その後、人事部門に送り届けられることになる。評価の現場では評価段階の修正は一切しないし、調整もしない。一次考課・二次考課・三次考課がそれぞれ食い違っていても、あくまでも評価したものについては、そのまま無修正で人事部門に提出するということが、育成・活用型人事考課の基本となるのである。

<このテーマに関連する資料案内>
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