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■人事考課の三大原則と育成・活用型人事考課

       
2013年6月21日    今月は多くのサラリーマンが待ちにまった夏季賞与が支給される。しかし、チョット気になるのが人事考課の結果だ。賞与に限らず、人事考課は昇進や昇格・昇給など、人事制度全体の有効性を左右することになる。それだけに、人事考課には有効性(納得性)、客観性(透明性)、妥当性(公平性)の3つ(人事考課の三大原則)が求められている。
 人事考課の有効性とは、いかに適切な評価が行われ、活用目的にあった評価結果(個人情報)が得られるかである。活用目的に必要な人事情報が得られなければ、民主的な経営(一人ひとりの持ち味を活かし、さらに全体の持ち味を活かす経営)を行うことができないからである。
 次の人事考課の客観性とは、考課者が持っている主観(価値観や仕事観等)をできるだけ排除し、本人(被考課者)の納得が得られる公正な評価ということである。ここでの公正な評価とは、公平な機会の付与(手続きの公正さ)を意味している。例えば、自分の気に入った部下にだけいい仕事を与え、気に入らない部下には仕事を与えないというのでは機会均等とはいえない。その他に公正・透明な考課要素・評価基準の整備・公開、適切な目標設定・アドバイス、育成・達成支援(OJT)、評価結果の説明・開示(フィードバック)なども、公正な評価を担保する条件として重要である。
 さらに人事考課の妥当性とは、一人の部下を他の考課者が評価しても、同じ様な評価結果が得られる(再現性)ということである。つまり、評価結果それ自体の公正さを意味し、法的にも直接の審査対象となる。評価基準・考課要素に即した評価が行われたか否かが中心となるが、客観性を確保するための条件整備もポイントとなる。
 このように、人事考課の「公正さ」は、評価結果自体の公正さ(妥当性)と、その前提となる制度・手続きの公正さ(客観性)の二つに分かれる。法的には、後者の制度・手続きの整備に重点を置いて考えるべきである。なぜなら、それを欠く人事考課は、会社側の特段の反証がない限り、人事考課の濫用(裁量権の逸脱)を成立させることになるからである。そこで、第三世代の育成・活用型の人事考課制度について考えてみたい。

 わが国の人事考課の経過と流れ
 最初に、わが国における戦後の人事考課がどのような経過を辿ってきたのか、その流れを振り返ってみよう。
 戦後の人事考課は、昭和22年に制定された国家公務員法(勤務評定に名称変更)からスタートする。この人事考課の確立を担ったのが当時の人事院である。従来の人物評価(管理監督者の恣意や主観に基づく評価)を排除し、評価が秩序的に、客観的に行われ、その結果が妥当性を保持できる方法を確立した。この時代におけるわが国の最大の課題は、敗戦後の経済復興であり、その実現には何より優秀な人材が求められていた。したがって人事考課の目的は、職員の個性や能力、意欲を具体的に把握し、それを基に職員の指導、育成を図ることにあった。
 その後、1960年代から1970年代の半ばにかけて、経済が高度成長を迎える中で、わが国の企業人事は、全般的に年功職階人事として人事管理の近代化が進められた。その一方で、毎年賃金のベースアップを要求する労働問題に悩まされていた企業は、賃金の一律アップによる悪平等を是正するために、人事院の人事考課を参考にした。企業は人材の育成を理念としながらも、社員間に賃金格差を設ける合理性と納得性を与える手段として人事考課制度が導入されていった。管理者の人事権の強化と賃金格差による生産性向上をねらいとした人事考課制度は、当然に選別型の相対考課として各企業に導入・整備されていったのである。これが、戦後のわが国における人事考課の第一期といえる。
 2度のオイルショックごろから高度成長が終わり、日本の経済・産業界は量から質の時代に入っていく。このころから、情報化や技術の高度化が進み、新しい人材が求められるようになった。その一方、労使関係はより民主化・近代化が進み、基準が曖昧で選別査定を目的とした相対考課の人事考課は、その存在意義がしだいに薄れていった。つまり、人事制度が年功職階から職能資格制度に切り替わる中で、人事考課も育成型の基準を明示した絶対考課へと変わっていったのである。これが、第二期の人事考課といえる。
 そしてバブル崩壊後から現在まで、わが国の人事考課は紆余曲折を経ながら第三期を迎えている。つまり、育成・活用型の役割成果主義に立つ絶対考課への転換である。今のグローバル経営における最大の課題は、いかにキャリアを積み上げ、それをフルに活用していくかである。役割成果主義は責任と権限の一層の明確化(キャリア基準)が求められ、人事考課も人材育成だけでなく、業務改革への挑戦意欲を引き出す公開主義(個別面接による役割の付与)の絶対考課へと変わりつつある。今後の日本は少数精鋭の時代で、一人ひとりの持ち味を活かした人材活用の人事へと、是が非でも転換していかざるを得ない。
 まさに現在、日本の人事考課は、その人事制度の変換(役割資格制度)の中で大きな曲がり角を迎えており、第三期への転換の時期にあるといえる。

 自社の人事考課のチェック・ポイント
 では、一人ひとりの持ち味を活かした人材活用の人事に求められる人事考課とは、いったいどのような仕組みでなければならないのか。自社の人事考課が適切かどうか(主として人事考課の客観性)をチェックし、不十分な点については労使で整備するようにしたい。
 <チェック:1>業績考課と能力考課と執務態度考課は区分されているか。
 これまでの人事考課は昇給とか賞与の査定という目的で、主として正規分布することを前提に行われているケースが多い。しかし、これからはそのような目的の人事考課であってはならない。業績考課(仕事のやり方とその結果)と能力考課(仕事に必要な能力の高さ)は評価の対象も評価基準も異なるから評価結果も同じにはならないし、業績考課(仕事の計画や仕事の改善等の過程業績)を材料にして能力考課が行われるという相互関連(業績考課≠能力考課)も大切である。また、両者の間には執務態度考課という中間項があることも忘れてはならない。
 <チェック:2>資格基準や評価基準は職務調査を通じて具体的に明示されているか。
 職務調査が行われていなければ、会社が期待し要求する期待像の表示(職務基準と職能基準)も評価基準も抽象的で曖昧なものになる。抽象的で曖昧であれば、目標にもなり得ず、考課者は自己の主観で評価することになり、結局、評価結果も資格制度も意味がないものとなる。
 <チェック:3>面接制度は整備され、確実に実施されているか。
 職務基準や職能基準が設定され、評価基準に照らして人事考課が行われているということは、上司と部下との間で目標設定面接、フォローアップ面接、フィードバック面接が確実に行われているかどうかを意味する。今、わが国の人事管理は、年功集団主義から役割個別主義へと転換が急がれており、人事考課にしても公開主義の絶対考課への切り替えが進んでいる。個別管理において最も基本的でかつ重要なことは、まず面接制度において、良好な対話(納得と合意)の場をつくり出すことにある。
 <チェック:4>計画的OJT(個別育成計画)にフィードバックされているか。
 あるアンケート調査によれば、今日すでに何らかの形で6割近い企業で人事考課のフィードバックが行われていることが示されている。しかし、フィードバックが確実に行われるためには、あらかじめOJT計画書を作成し、これに沿ってフィードバックを実施することが大切である。職務改善やキャリア形成に役立つフィードバックが適切になされるかどうかは、計画的OJTの作成が鍵となる。
 <チェック:5>考課者訓練・面接訓練は定期的に実施されているか。
 考課者訓練(特に評価実習)と面接訓練は、少なくとも年1回は必ず行うようにしたい。考課者訓練・面接訓練を行わないで人事考課をやらせることは、無免許でいきなり自動車を運転させるようなものである。これでは、いつ事故が起きてもおかしくない。その意味でも、社内に訓練トレナーを養成しておくようにしたい。
 <チェック:6>処遇に公正に結びつけているか。
 人事考課は、賞与・昇給・昇格・昇進などの処遇にも結びついていくことになる。しかし、人事考課そのものは行動事実とその結果の把握である。したがって、それは定性分析であって、量的なものではない。そこで処遇に結びつける場合には、点数等に置き換え計量化しなければならない。計量化の問題は、S・A・B・C・Dの評価段階の評価を点数に置き換えることから始まる。また、一次・二次・三次の評価の違いをどうするかも問題となる。それ以外にも、業績考課・執務態度考課・能力考課のそれぞれの性格に応じてウエイトを設定し、総合点を出すようにもしたいし、資格別にもウエイトを設定したい。こうした要素を考慮して一覧表に整理し、社内にあらかじめ明示しておくようにしたい。
 <チェック:7>専門職制度や職群管理は機能しているか。
 ポスト不足を補うための処遇としての専門職制でなく、本格的な人材活用をねらいとした専門職制をぜひ導入していきたい。それには、入社時の段階から計画的にキャリア形成を行うことが重要である。また、今後の企業人事は、あくまでも本人の意思と適性とキャリアのみに限定されるべきであり、会社の都合で差別(総合職=男子、一般職=女子等)をねらいとして誘導されるようなことはあってはならない。
 以上、7つのチェック・ポイントについて、自社の場合はどうであるかをもう一度考え直してみたい。そして不十分な点は、時間をかけて労使一緒に計画的に進めていくようにしたい。。

 人事考課を職場マネジメントに活用する考課者訓練
 公正でかつ客観的な人事考課(主として人事考課の妥当性)を進めていくには、管理者教育、つまり考課者訓練がどうしても必要になる。考課者訓練のねらいには二つある。まず一つは、考課者の評価能力を引き上げると同時に、各考課者の価値基準をできるだけ統一・調整していく必要がある。人事考課の基本的考え方やしくみ、さらに人事考課のルールを理解しなければ、人事考課を正しく運用することはできない。また、人事考課が考課者によって不揃い(評価誤差)にならないためには、価値基準が統一・調整されていることが条件となる。価値基準の統一・調整とは、評価材料(行動)、考課要素、評価段階の選択の三つである。この三つの選択基準を明確にするには、実際に考課実習という方法で、ケース・スタディーによる模擬考課を行い、みんなで考え、討議するという考課者訓練の実施が必要である。
 考課者訓練のねらいのもう一つは、人事考課の職場マネジメントへの活用である。当然ながら、人事考課は今後の仕事の割当(職務編成)や育成(OJT等)等に活用されなければならない。それが育成・活用型人事考課の基本である。人事考課が終わったならば、考課者は面接を通じで各人にフィード・バックしなければならないが、どのような形で行えばよいか、あまり明らかにされていない。単に人事考課の結果を説明するだけでは不十分である。フィードバック面接を行うにあたっては、人事考課の結果を十分に分析した上で、部下に対処することが必要となる。部下への対処とは、今後の育成・活用計画書の作成とフィードバック面接のシナリオ作成の二つである。上司として、今後の育成と活用についてどのように考えているか、その大枠をデッサン(計画的OJT)してみる。そして、そのデッサンをもとに、面接をどう進めると効果があがるか、面接シナリオを作成するのである。
 このような考課者訓練を行うことによって、管理者は人事考課の本当のねらいを実感することができるし、考課者の評価姿勢を変えるという意味においても、考課者訓練は極めて重要なものとなる。

<このテーマに関連する過去のコラム>
 2011年06月 人事考課と人材育成・・・人材育成型人事考課と面接制度
 2012年04月 変動期におけるフィードバック面接・・・ダブルループの人材育成



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