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■複線型人事・業績連動型賃金制度設計のワークショップ開催

       
2013年5月14日     最近の企業人事におけるさまざまな新しい動き。たとえば、生涯労働の中間点(43歳)を過ぎてからの定昇ストップ、ポスト不足を補うための専門職制導入や関係会社への出向の義務づけ、50歳以降は役職から離れて別の賃金体系(可変的役割給)や資格制度(専任職など)に転換する役職定年制、一定年齢を過ぎてからの自発的な退職を促す早期退職優遇制、退職者の不補充と正規社員から非正規社員への代替えなどである。これらは、年功制の修正や雇用延長への対応策として多くの企業に急速に波及している。
 だが、終身(長期)雇用と年功制を区別しないままに、単によその企業で採用しているからわが社も導入するというのでは、問題ではなかろうか。特に、人件費コストを抑制するために中高年齢層の追い出しを画策するとか、定昇制を完全に崩してしまうとか、ろくに育成もしないでダメ社員の烙印を押し、追い出し部屋に配属するようなことがあってはならない。このようなあり方は、社員の企業離れを促進するし、なにより企業のイメージをダウンさせることになる。なぜなら経営の主体は人間、つまり社員のやる気と貢献にかかっているからである。
 グローバル競争の厳しい環境条件の中でこそ、社員が自ら関与したくなるような、魅力ある組織に変容すべきであろう。そこで、小事務所は新しい終身(長期)雇用の設計という方向で今後の人事、賃金制度のあり方を考えるワークショップの開催を企画した。それはいうまでもなく、生涯労働ビジョンの観点からアプローチすることになる。

 年功制のゆくえと終身雇用の再設計
 日本型人事システムの特徴とされ、現在、企業において見直しの対象とされている終身雇用(正確には期限の定めのない長期雇用)と年功制度(年功職階制)を最初に世界に広く紹介したのは、ジェームス・アベグレン氏(「日本の経営」占部都美監訳1958年ダイヤモンド社)である。この二つに企業内組合を加えて「日本経営の三種の神器」と呼ばれているが、それ以外にも個人の責任を回避する集団的意思決定(事前の根回し、稟議制度など)やO.J.T、ジョブ・ローテーションなどの継続的育成(多能工・ゼネラリストの養成)、福利厚生施設の充実なども指摘されている。
 さて、そこで人事制度の見直しという場合、システムの一番上に乗っている"年功昇進と年功賃金(処遇基準)"を主としていうのか、それともその土台である、和を重んずる"集団主義(組織運営)"とか、長期安定雇用を保証する"終身雇用(誘因と貢献のバランス維持)"とか、さらには継続的な教育訓練を前提とした"企業内労働市場(労働力確保)"までを含めていうのか、それによっておのずと異なった取り組みとなってくる。
 結論からいえば、年功昇進・年功賃金については年功に代わる新たな処遇基準は確立されていないが、実質的にかなり崩れていて、今後もダイナミックに修正されていくものと思われる。しかし、重要なことは、前述した基本構造をも含めて何もかも崩すことは日本企業にとって決して得策ではない。それは日本人の価値観やメンタリティーなどの文化的な側面からだけでなく、「企業は誰のものか」という企業統治のしくみ(株主の権利を最大化する米国の株主資本主義とは違い、日本企業は経営者と株主が遠く、経営者と社員が近い)のあり方からも年功制は修正されても、その基本構造がそう簡単に崩れるとは考えられない。したがって問題は、いかにして新しい環境条件に適応できるように終身雇用の内部(年功制)を組み替えるかであり、基本的には生涯労働の再設計という視点から、人事・賃金制度の見直しが行われるべきである。

 日本的経営の変化と現状
 では、終身雇用を存続させていく上で、どのような工夫を必要とするのだろうか。それは(頂神と画一性の排除と、勤続習熟による労働価値の拡大・深化―の2つである。
 前者,砲弔い討蓮多くの日本企業が成果主義を取り入れ、雇用形態の多様化や転職・中途採用が増加しているのは事実である。だが、年功色の強い退職金や勤続年数で左右される年金を含めた生涯賃金で見ると、いまだに一つの企業に長く勤めた方が、転職を繰り返すよりも有利な制度になっている。また、少子高齢化の到来により、中高年齢層の昇進期待感にどう対応するか、処遇のための専門職制の導入が今日的話題として浮上してきている。さらには、女子労働の位置づけの高まりにもかかわらず、依然として男女の賃金・昇進の格差は大きい。
 後者△砲弔い討蓮⊆体麓腟舛篝果主義を標榜する企業は多い。しかし、多くの場合はなんら職務の拡大やキャリア開発を考慮せず、せいぜい数年先のローテーションを考える程度の「ミクロ実力主義」に終始している。そのために、かえって成果主義を見直す(個人成果から集団の成果へのシフトなど)企業が出現している。(成果主義とは、個別管理の充実を意味する)
 今後、雇用期間は一段と長くなり、中高年齢層の賃金を職務の価値やその遂行実績で処遇する方式に転換していかざるを得ない。しかし、それだけではことは済まない。現在の勤続習熟による労働価値の限界点(概ね40歳前後と言われている)を、何としても先に押しやる努力が必要であり、むしろそれが根本でもある。

 終身(長期安定)雇用を強化する多面的な対応
 勤続習熟による労働価値の増幅と、閉鎖性・画一性の排除が、終身雇用を存続させていく上での要件であり、そのための基本的な方策として以下のようなものがある。
‖診讐宗 積極的に計画的なローテーションを行い、複数の技能を重ねることで、その相乗効  果によって労働価値の限界点の延長が可能になる。
∪賁膕宗 いきなり専門化の道に参入するより多能化の経験期間の後に専門化の道を進むことで、多能的経験の中から自己の適職を確認し、将来の進路コースを最適に選択することができる。
J9膕宗 複合化とは専門化の一層の高度化を意味する。関連する分野の業務の知識・技能の習得を進め、専門化の幅と厚みを広げ、職務の拡大と深化を進める。
ざ軌薹盈= 身につけた当初の技術・技能はやがて陳腐化し、その労働価値は縮減する。入れ替えと補強は常に積極的でなければならない。 銑のつなぎ目に、中間教育によって結節する必要がある。
ゥャリア設計= 多能化 → 専門化 → 複合化と中間教育が連結され、各人の意思と適性と能力に応じて進路コースが選択されることで、労働価値は継続的に伸展が可能になり、一層の多能化、専門化、または職種転換へ進むことになる。
 また、上記の勤続習熟価値の伸展の流れは、必ずしも、単一の企業内に留まる必要はない。現状は欧米企業と比べて労働市場の流動性が低いが、終身雇用が外部市場に対し開放的とならざるえない必然性はいくつかある。65歳への雇用延長のほかに、労働者の価値観の多様化や技術革新による企業間、業種間の技術の平準化などがそれである。
 外部市場との分岐点は、多能化から専門化、専門化から複合化等への移行前後が適切であり、今後は企業の採用計画も、新卒者のみでなく、中途採用に分散した形が検討されるべきである。

 新たな終身雇用における人事労務施策
 終身雇用の新たな課題は、閉鎖性を排除しながら労働価値の増幅をはかっていくことにあるが、その工夫のあり方が生涯労働ビジョンの構造をなす。つまり、「知識・理論の蓄積(教育・訓練、公的資格等)」と「経験・スキルの蓄積(配置、職務割当等)」によるキャリア形成を、多能化、専門化、複合化の各段階ごとに組み合わせながら、スパイラルを描きながら能力と仕事の充実を高めていくことが基本となる。つまり、複線型キャリ形成(能力や仕事を高め、広げ、深め続けていく)プログラム=複線型人事制度の導入である。
 では、長期的なキャリア形成を可能にするためには、今後の人事労務政策の要点はどんなものであろうか。終身雇用の修正に絡めて簡単にふれてみたい。
 第一は「ジョブ・ローテーション」である。適性把握や自己申告などをベースにして、違う分野の職務経験を計画的に積ませるためのものであり、経験の幅を広げるものでないと意味がない。それには職務遂行基準や職能要件を明確にしながら、ローテーション・パターンを設定し、思いつきの配転はしないことが大切である。多能化の時期に積極的に職場転換を行いたい。
 第二は「教育訓練」である。知識・理論の教育というとセミナーがあげられるが、それだけでなく、職務を改善し広げ高めるために有効なメニュー(関係会社への派遣・出向、復学休暇等)を職種ごとに設定し、教育・訓練、自己啓発を効果的に進めたい。とくに、各段階での中間教育は、個々の社員や能力特性に沿ってキメ細かく行われるべきである。
 第三は「専門職制度」がある。職務昇進が今後の昇進の中心にすえられるべきである。その点からも専門職制度の確立が望まれるが、現状はその期待は乏しい。管理職になれない人の待遇として導入されているケースが多く、専門職のイメージがダウンしているからである。管理職位をできるだけ整理し、専門職のあり方を再検討する必要がある。
 第四は「早期退職優遇制度」である。終身雇用の閉鎖性を排除するには、自分で退社の時期を設定するのが望ましく、出入りが比較的に容易で、その時期が高齢であればあるほど支援金は減っていくあり方が適切である。いくつかの年齢や勤続ポイントを設け、これらのポイントの退職者には特別支援金が支給されるという仕組みも検討したい。
 第五は「能力考課」の実施である。差をつけるためだけの査定評価ではなく、職務遂行における行動をフィードバックし、経験学習によって長所を伸ばしていくような能力開発のための人事考課が、今後は一層要求されてくる。そのような人事考課でなければ信頼感も納得性も得られない。
 第六は「採用」である。不況期には新卒採用をやめ、好況期には大量採用を行うといった計画性の希薄な採用はどうしたものか。新卒者が仕事や人件費に大きくかかわりを持ってくるのは、ずっと後である。新卒者は終身雇用の中で安定的、計画的に採用し、キャリアを積み上げていくのが筋である。人間を原材料と同様にしか考えられないとしたら、あまりにもお粗末な人事政策といえる。
<このテーマに関連する過去のコラム>
 2011年11月 日本的経営と専門職制度と複線型人事(機
 2011年12月 日本的経営と専門職制度と複線型人事(供



 <ワークショップ開催のご案内>
このコラムでも紹介した「複線型人事・業績連動型賃金設計のワークショップ」の開催が以下の通り決定しました。関心のある方は、是非、参加されることをお勧めします。
新時代の扉を拓く
複線型人事・業績連動型賃金制度設計のワークショップ
人を活用し組織を活性化させて新たな顧客価値を創造する
2013年7月19日(金) 横浜市内
 ワークショップ参加の申し込み

<参加対象>
・人事、総務部門責任者
・経営企画責任者
・企業経営者

<ワークショップのねらい>
自分の能力や個性が活かせ、面白い仕事ができる(会社選びの変化)
いくつかの会社に所属し、それぞれから自己のキャリアを手に入れる (労働観の変化)
これまでの自前主義による人材ストックの人事施策を改め、契約社員やパート社員等の人材ミックス施策を進めたい(期待する人材の多様化)

これらは多様な働き方や企業と個人との新たな関わりを必要としています。
従来の集団主義をベースに、全社員をストックし同質的な一元的管理をしていく人事制度では、社員の労働意識や行動様式の変化、企業の人材ニーズに応えていくことはできません。
個々の社員の自律性を活かし、キャリア形成を支援していくことで、各人の自己充足と経営力の強化という両面を満足させていくことができます。
本セミナーでは、同一企業内に複数のキャリアコースが並立する多元的な人事制度と、生産性や業績との関係で賃金水準を設計していく業績連動型賃金制度に関する考え方と手順を実践的に習得することを目的としています。


開催日時 2013/07/19   9:30 〜 16:30
申込期間 2013/04/01 〜 2013/07/12
主催会社 (有)マネジメント・コンサルタント・オフィス
参加定員 20名
参加金額 15,000 円
開催場所 ・会場名: 横浜市技能文化会館
・住 所: 横浜市中区万代町2−4−7 TEL045(681)6551
・交通アクセス: JR関内駅南口から徒歩5分
市営地下鉄伊勢佐木長者町駅出口2から徒歩3分
講   師 MCO  森 英一  (有)マネジメント・コンサルタント・オフィス代表
プログラム
【プログラム概要】
1日(9:30〜16:30)
1. 新時代における複線型人事制度の目的
・自ら考え行動する自律型組織への取り組み
・自律型組織への要件とは
・複線型人事と生涯賃金ビジョン
2. 複線型人事制度の設計と運用
(1)複線型人事のフレームづくり
・人材群と職群の編成基準
・育成と活用のための進路選択コースの設計
・役割等級制度のフレーム設定のポイント
(2)進路コースの選択と変更の基準
・意思と適性による選択と変更の基準
・進路変更の機会と制限
・意思と適性の把握方法
(3)企業と個人の新たな関係づくり
3. 複線型人事に対応する業績連動型賃金の設計と運用
(1)賃金の計画化
・賃金計画の意義とねらい
・わが国の賃金計画の流れと特徴
・企業の支払能力と総額人件費の上限
(2)業績連動型賃金(年間賃金政策)の設計
・賃金の構成と範囲
・賃金体系の整備と進路間の賃金設定
・管理職、専門職と役割給
・複線型人事と賃金ビジョン
(3)成果分配システムとしての業績賞与のしくみと留意点
 
※内容は変更される場合があります。また、進行の都合により時間割が変わる場合があります。あらかじめご了承ください。
お知らせ
  MCO会員 12,000円/1名

会員外 15,000円/1名

※資料代と消費税が含まれますが、昼食代は含まれておりません。
   
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