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■企業衰退の法則と復活に向けたシナリオ

       
2012年9月9日    夏休みが明けた産業界は、大型のリストラ(人員整理)発表が目立つ。8月末現在の上場企業の希望・早期退職者募集人数は大手電機メーカーを中心に1万5000人(前年の1.7倍)を突破し、年内には2万人を超え、リーマン・ショック後の不況時(2万3000人)を上回る恐れもあるという(東京商工リサーチのまとめ)。
 思い起こせば10年前には「リストラ」という言葉が、多くの人を驚愕させ、不安にさせたが、今日では日常の出来事のように報じられている印象がある。希望退職や早期退職というソフトな表現を使っているが、要は人減らし(整理解雇)であることに変わりはない。21世紀に入って日本の社会は、今回を含めて3回目の大型リストラを経験することになる。だが、依然として復活の兆しは見えてこない。
 小事務所のホーム・ページでは、環境の変化に対して個人と組織とが自律的に行動し、これを支援する会社の仕組みとして、複線型人事制度9プロセス・マネジメント業績連動型賃金・賞与制度の3つの制度を提案している。このコラムでは、10月12日(金)開催予定の「9プロセス・マネジメント公開セミナー(参加者募集中)」に向けて、これまでに「組織の成功循環モデル(6月)」、「働きがいのある会社調査(7月)」、「経験学習とパイプライン・モデル(8月)」を関連テーマとして取り上げてきた。そして直近の今月は――優れた会社がどの様に衰退するのか、ドラッカーの後継者とされるジェームス・C・コリンズ氏の「ビジョナリー・カンパニー3 衰退の5段階」をテーマに、今後の人事施策や組織のあり方について考えてみたい。

 なぜ企業は失敗するのか
 いかなる企業も、大なり小なり倒産因子を宿している。その芽をいち早く摘み、世の中の変化を見据えて経営の舵をとり続けることは容易ではない。それは、偉大といわれる企業であっても例外ではない。米経営学者ジェームズ・C・コリンズ氏は、偉大な企業(60社)から挫折した不幸な企業11社が、どのような過程を経ながら衰退していくのか、その道筋を以下の大きな枠組みでまとめている。
1. 成功から生まれる傲慢(成功によって謙虚さや真摯さが失われ、傲慢になって学習意欲が低下する――衰退の初期症状)
2. 規律なき拡大路線(組織の成長を追及してダボハゼ的多角化を図るが、人材不足により職務権限が混乱し、個人の利害が優先する――目先の利益拡大に走る段階)
3. リスクと問題の否認(根拠のない目標設定、議論の回避、曖昧な責任の所在、問題を外部に転嫁、管理の強化により組織内に不協和音が広がる――現実を直視できない段階)
4. 一発逆転策の追及(業績回復の特効薬や救世主が求められ、革新や改革の言葉が踊り、賃金のために働く社員が増え、会社の理念は軽視され浸透せず、整理解雇や無理な投資で財無力が低下する――現実的に衰退の坂道を転がり落ちる段階)
5. 屈服と凡庸な企業への転落か消滅(基本理念やビジョンおよび中核事業を諦め、組織を継続する意欲が失われて自己の価値観を捨ててしまう――転落・消滅の最終段階)
 これまでも企業が失敗する原因は、〃弍張肇奪廚目先の繁栄(利益)に目を奪われ、変身努力を怠る。あるいは、¬桔鼎並審儔修冒りすぎて、企業の寿命を絶やしたか、大きく分ければこのいずれかにあてはまる――といわれてきた。だが、コリンズ氏の「衰退の5段階」では企業が失敗する因子は決して1つではなく、しかも倒産に至るにはプロセスがあるという点が参考(最終段階でも諦めなければ復活の可能性はある)になる。
 日本企業の多くは、企業衰退の5段階のうち、3ないし4段階にきていると思われるが(トヨタ自動車の豊田社長は「トヨタは4段階にきていると思う」と語り、大きな話題となり米国ビジネスウィークなどで大きく取り上げられたそうだ)、このコラムに訪問いただいた貴兄の会社はどの段階にあるのか、一度チェックし対応策を考えてみることをお勧めする。

 企業はいかに生き延びるか
 企業が生き延びるための唯一絶対の方法は「変身」である。なぜならば、産業構造は時代とともに確実に変わっていくからだ。もし、企業が現状や過去の成功の上に安住していたら、その成功は短いものに終わることは「衰退の初期症状」でも指摘している。そうならないためには、自社の主力商品のライフサイクル(自社の強み)を冷静に見極め(機会と脅威)、それに合わせて次の時代の主力商品を開発、育成していかなければならない。
 しかし、企業の変身はそう簡単にはいかない。「規律なき拡大路線(衰退の2段階)」に陥らないためには、どういう分野に活路を求め、何をやるのかということは重要なポイントだ。この見極めを誤れば、会社は取り返しのつかない厳しい局面に立たされることになる。企業変身といっても、ただ新しいことをやればよいというわけではない。また、新分野に優れた人材を投入し、資金を思い切って投下するには、社内の意識改革が不可欠だ。こうした企業変身を企図し、やり遂げられるのは、当然ながら企業のトップ・リーダーである。先を見通したトップ・リーダーの鋭い決断、そして、それを実行していく<強力なリーダーシップ>が生き残りの第一条件である。
 もう1つ。企業変身の基本条件は、そこに働く人間とその組織がどう変わるかだ。今、変身を求められている企業の多くは、かつて成功した体験をもっている。その成功体験の影響で、どうしても社風は温和になりがち、往々にして社員はぬるま湯的な慣れ合い主義に陥り易い。当然、新分野への挑戦意欲は衰え、放置すれば会社は確実に「衰退(衰退の3段階)」への道を転落して行く。企業が生き残っていくには、こうした沈滞した社風から脱皮し、挑戦のある社風に変革しなければならない。だが、グローバル競争の中で日本企業の対応はどうだったか。日本企業が持つ、人とひとのつながりを重視する組織の本質的な強みは強化されてきたか。
 とりわけ、「終身雇用の崩壊」といわれた2001〜2002年以降に導入が進められた、組織のフラット化・チーム化、あるいはトップダウンによる目標管理(M.B.O)に連動した成果主義人事は社風の変革に役立ったか。三度目の大型リストラを目前にして、<現実を直視する>ことが求められていないだろうか。

 日本企業の組織力は再生できるか
 今、日本企業の組織に何が起きているのか。収益力の低下による人減らし、それによる中間管理職への業務負荷の増大と現場の疲弊。そして都合の良いデータを強調し、不都合なデータを軽視した根拠のないノルマ目標の設定と評価の曖昧さ。さらには、仕事を通じた成長や昇進機会の減少と賃金の削減。まさに、コリンズ氏が指摘している「衰退の坂道を転がり落ちる4段階」にピッタリと符合する。仮に、「うちの会社だけは違う」という経営者がいれば、すでに「成功から生まれる傲慢による衰退」が発生しているといえないだろうか。
 では、このような状況になぜ至ったのか。その原因は、日本企業が持つ組織の本質的な強みと弱み、その構成要素を十分に考察しないまま、組織文化の異なる米国で先行した施策(人件費の変動費化を目的にした成果主義や意思決定のスピードだけを重視した組織のフラット化)を導入したことにある。欧米型の組織の最大の特徴は、まず最初に仕事に着目し、この仕事を能率化原理によって編成して、個々の仕事には必要な資格要件をもった人を配置するという、仕事中心の考え方がとられている。そのため労働市場は流動化が進み、人が必要な時に仕事に相応しい人材が採用される。つまり、「仕事ベース」の組織構造(トップ・ダウンの組織)ができていて、それに必要な環境が整っているのである。
 これに対してわが国では、多くの場合、最初に人に着目し、その人に見合った仕事を選んで割当てるという、人中心の考え方をとっている。そのため、新人(未熟練者)を一括採用し、企業内で職務経験を積ませて育成し、その成長に合わせて仕事の範囲を広げ、ときには組織の枠を超えて仕事がなされていく。こうして組織の下から上に向けて繰り上がり(昇格・昇進)仕事をするための組織(ボトム・アップの組織)が形成される。社員には、自主性、自律性が求められ、環境の変化に合わせて新たに仕事を創造していくことが、人間形成、人格陶治になるとして賞揚されてきた。
 そもそも成果主義や組織のフラット化は、仕事ベースによるトップ・ダウンの組織文化に整合するやり方である。この成果主義を人ベースによるボトム・アップの組織文化に、そのまま導入するとどうなるか。もともと互に工夫し連係プレーで仕事をしてきている中に、あらためて目標(結果業績)が設定され、仕事の範囲は曖昧のまま、その達成度だけが評価される。そして、その評価結果が賃金に影響されることになれば、「自分の仕事しかやらない社員が増えた」「助け合い、人を育てる風土がなくなってきた」といった声が聞こえてくるのは極めて自然ではないか。
 本来、経営組織は、外部要因の変化に対し、迅速に反応し、柔軟に対応できるよう編成され、運用されるようになっていなければならない。その点から、人ベースの組織、ボトム・アップの組織運営にも問題がないわけではない。有名なパーキンソンの法則に「人が仕事をつくる」というのがある。つまり「人が仕事をつくり、仕事が新たに人を要求する」という悪循環が生まれやすいのだ。
 また、激しいグローバル競争の中、成長企業に変身するのに重要なのは、今後の成長分野を見抜く視点だ。その第1の視点は、何も「物づくりの技術」だけではない。現在、電気・半導体メーカーが海外勢に苦戦を強いられているが、技術は本来、「作るよりも、使う」ところに妙味がある。物づくりの技術を応用することで、成長企業に変身することができるのだ。そして第2の視点は、製造業のサービス化への展開である。サービス化を小売業の専売とだけとえてはならない。「物を造る会社」といった"ハード志向"の考えから、顧客が買いたい「売れる物を造る」という"ソフト志向"の発想が大切だ。それには、モノ以外の価値観をどう取り入れていくかがカギになる。
 そのためには、日本企業の人ベースの組織文化を活かしながら、その中にいかに上手く仕事ベースの仕組みを組み入れていくかだ。もはや旧きよき時代への回帰をうんぬんするより、新しい日本型人事制度の構築が、衰退から復活へむけたシナリオである。会社を飛び出して、小事務所主催10月の公開セミナーへ足を運ばれることをお勧めする。

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●セミナーの概要
 
 職場マネジメントについて「あまりよく分からない」あるいは「セミナーに関心がある」という方は、まずこちらの小冊子<職場再生プログラム―9プロセスマネジメント>をお読み下さい。MCOが20年余りの間、多くの企業と共に培ってきた職場マネジメントの基本的考え方とそのしくみを平易に解説しています。
●講       師
 
有限会社 マネジメント・コンサルタント・オフィス
代表取締役    森 英一
●会 期 ・ 会 場
 
2012年10月12日(金) 10:00〜16:00
【会場】横浜市技能文化会館
【定員】30名
参加定員の関係でご参加いただけない場合は、折り返しご連絡いたします。
●参   加    料
 
MCO登録会員            8,000円/1人
上記会員外              12,000円/1人
早期申込み              10,000円/1人
(MCO登録会員以外で、開催日1ヶ月前にお申込みの場合に該当いたします)
※参加料には資料代が含まれますが、昼食代は含まれておりません。
●開催のねらい
 
 変化と多様化が進む今の時代、「仕事力」と「現場力」の低下が危惧されています。職場の一人ひとりがやる気に溢れ、お互いが協力して、高い付加価値を創造し続けるには、時代にあったマネジメント体制をつくり出すことが求められています。
当プログラムは、自立した個人が自己の成長が実感でき、自信を持って、周囲や顧客に一歩踏み込んだ行動を起こさせることを目的とした、職場活性化のためのマネジメント提案セミナーです。新たな職場マネジメントを体系的に学習できるだけでなく、多数の実践的なスキルを紹介することで、応用力が確実に身につきます。
●プログラム概要
 
1日  10:00〜16:00
【機曠泪優献瓮鵐箸陵論と技術
  (1)よい職場の条件と管理者の役割 
(2)管理を循環過程で捉える
(3)職場の強みと弱みの分析
【供杰場の問題解決と目標設定
  (1)論理的思考法による本質的問題の発見
(2)仮説による問題解決へのアプローチ
(3)上下の目標認識の修正技法
【掘曖裡味个2つの法則とOJTのコツ
  (1)コミュニケーションの本質とは
(2)潜在意識に働きかけるOJTのコツ
(3)職場に変化を起こす活性化技法
【検杰融考課と部下育成
  (1)部下の育成ニーズとは
(2)人事考課と個別育成目標
(3)動機づけの理論と技法
【后杙纏の改善と仕事の割当
  (1)人材期待基準の明示のしかた
(2)仕事の改善と期待基準の修正
(3)結果業績と仕事の見直し
【此杼躋腓伴禅娠答
9プロセスマネジメントの概要については、小冊子(無料)をご覧下さい。
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