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■自律型人材育成と経験学習モデルとパイプライン・モデル

       
2012年8月15日    五輪開会式で映画「007」の主人公ジェームズ・ボンドとエリザベス女王がヘリコプターから"スカイフォール"を演出したロンドン・オリンピックが閉幕した。日本選手団が獲得した総メダル数は、2004年のアテネ五輪を上回って史上最多の38個となった。今回のロンドン五輪では、日本の「チーム力」が際立っていた。小柄なフィジカルを技術力と組織力で補う"なでしこジャパン"はその典型だ。個人競技記録を上回ってメダルを獲得した男子競泳リレー(銀)や女子バレー(銅)もチーム力による勝利といえるだろう。
 チーム力は、メンバーの長所を活かす(長所を組み合わせる)リーダーが存在し、異質の人材が自主性を発揮し、互いに連携を取りながらチームをリードしていくときに発揮される。団体競技は、組織論や管理者像として論じられることが少なくないが、なかでも攻守の変化が速いサッカーは、局面がダイナミックに動いていくことから、現代社会やグローバル・ビジネスにも通ずる一面がある。それは状況の変化が激しく、監督の采配する余地が少ないだけに、選手1人ひとりが、自分で状況を判断し、意思決定する必要があるからだ。
 同様に、ビジネスにおいても、自己判断できる人材を育てていかなければならない。前例のない時代の今こそ、自律的に行動する人材がよりいっそう求められている。では、主体的に考え行動する人材を育成するには、いったい何をどうすればよいのか。組織(職場)を活性化するための人材育成について、「経験学習モデル」をベースに考えてみたい。

 人は何から学び成長するのか
 厚生労働省「平成23年度能力開発基本調査」によると、正社員の教育訓練に関して76.4%の企業が「OJTを重視」していると答えている。OJTとは、職場で実際に仕事をしながら、必要なスキルや能力や知識を学ぶことをいう。だが、「仕事を通じて仕事を覚え、能力を高める」といえば聞こえがいいが、その実態は職場ごとにバラバラで、その内容ははっきりとはしない。最近では、計画的なOJTが増加しているようであるが、OJTスケジュール表を作成するだけであれば、その成果はあまり期待できない。にもかかわらず、なぜ企業はOJTを重視するのか。
 それを説明するのによい調査がある。米国のリーダーシップ研究の調査機関であるロミンガー社が行った、リーダーとしてリーダーシップをうまく発揮できるようになった人たちに「どのような出来事が役立ったか」という調査したところ、7割が「仕事経験から学ぶ」と答え、あとは「他人から学ぶ」が2割、「研修や書籍から学ぶ」が1割という結果になった。つまり、成長の大半は職場での業務経験に左右されることが示されたのである。
 あたり前といえば、余りにも当然すぎる結果であるが、仕事を経験すれば誰でも成長するということではない。人が成長するには、経験を通じて何を学んだか、その「学習のプロセス」が大切である。では人は、どうすれば経験から学ぶことができるのか。その拠り所となるのが、組織行動学者のデイヴィッド・コルブが提唱した「経験学習モデル」理論である。

 「経験学習モデル」理論とは
 経験学習モデルでは、〇纏を具体的に経験することが出発点となる(具体的経験)。次に、△修了纏がなぜ上手くいったのか、あるいは失敗したのか、その理由を把握するために経験を多様な観点から振り返り、考えるのである(内省による省察)。そして、そこで得られた原因や気づきを他の場面で応用できるように持論(マイ・セオリー)として作り上げる(概念化)。さらに、い修了論を新しい場面で実際に試行してみる(実践)。このように「経験(Do)→ 省察(Check) → 概念化(Action)→ 実践(Plan)」のサイクルを回すことで経験が知恵に変換され、人は成長していることが実感できるというのが、コルブの提唱する経験学習モデル理論の要諦である。
 ところで、経験が出発点とはいえ、すべての経験がこのサイクルの対象になるとは限らない。あらかじめ処理手順や方法が決められている定型的な経験は振り返りや気づきの対象としてはそぐわない。むしろ、想定し得ない結果をもたらす経験、例えば新規市場の開拓や販売ルートの見直しなどの新規性の高いプロジェクトへの参加や人事異動によって従来のスキルが役立たない状況等が、後々の仕事に役立つ経験として大切である。そうした実践や経験を折に触れて振り返り、今後の自分に役立つものは何かという「内省」を行い、さらに、そうして抽出したエピソードを概念化し、その後の仕事に役立つ教訓を導き出すのである。人間が学習し成長していくためには、この4つのサイクルをスパイラル型で無限に繰り返していくことだとデイヴィッド・コルブは指摘している。

 経験学習モデルには対話(ダイアローグ)が不可欠
 我が国のOJTについては、「仕事のやり方を手取り足取り教え、仕事が処理できるようになればよい」といった考え方がある。だが、それだけでは単に経験を繰り返すだけであって、部下が自己の成長を実感することはできない。こうした考え方の背景には「経験さえ積ませれば人は育つ」といった誤解がある。とりわけ自分のやり方に自信を持っている上司ほど、経験だけで終始し、部下の思考を「内省 → 概念化 → 実践」まで導くことができない傾向がみられる。つまり、「なぜこの仕事をやるのか?」その仕事の目的を明示しないままに、仕事の処理だけを部下に指示する。その結果、部下は現状のやり方に満足し、早晩マンネリ化に陥るのである。いったん仕事を処理することが目的となると、内省や概念化、実践(仕事の改善)に結び付けていくことが困難になる。
 では、仕事がマンネリにならず、部下に内省を促すにはどうしたらよいのか。それには、まず〇纏の目的を明らかにすることである。その上で、現状のやり方を振り返えさせ、より効果的な方法がないか、問いかけ続けることである。この上司の問いかけによって、部下は仕事の目的に照らして現状を振り返り(疑問)、仕事の意味づけ(納得)を行うことになる。これが内省による省察である。さらに、「仕事の目的を左右する要因は何か(仕事のポイント)」、上司と部下が対話を通して確認(概念化)し、より良い方法を選択(目標の設定)して、これを試行<実践>するのである。
 経験学習モデルで大切なのは、上司は部下に対して「あれをやれ、これをやったか」と指示することではない。部下が自己の成長が実感できるよう内省や概念化、実践を支援することであり、それが上司の役割でもある。それには、部下の意見や考えを「聴く」と共に、部下が納得し腑に落ちるまで会話を繰り返すことである。それがなければ、自らの考えで動ける前向きな自律した人材は育成できないのである。社内でしか通用しないノウハウを教え込む育成は、もはや駄目である。

 薫陶による後継者育成とパイプライン・モデル
 企業を半永久的な生命をもったゴーイング・コンサーンとして運営していくことが、経営者の専門的な職能である。強力なリーダーシップを持つリーダーの存在によって、一時的に企業が成長できても、そのリーダーがリタイヤした途端に、経営が立ち行かなくなるようでは経営者としては失格である。そうならないためには、すべての組織階層でリーダーシップが醸成され、次代のリーダーがたえず送り出される――リーダーシップ・パイプラインの構築が求められる。
 つまり、会社の変革・発展を導くリーダーを組織全体で継続的・体系的に育成しようとする考え方をパイプライン・モデルという。パイプライン・モデルの要点は2つである。その1つは、組織階層ごとの後継者の年齢であり、今ひとつは人事システムである。
 今、日本の企業が抱えている人事上の問題点は、すでに社員階層が年功主義から成果主義へシフトしているにもかかわらず、役職階層が上になるほど年功制が依然として色濃く残っていることである。その理由として、役職階層ごとのリーダー養成が遅れていること、役職階層ごとの役割要件が明確でないこと――の2点を指摘することができる。この2点はコインの裏表の関係のように、それぞれの役職において「何をすべきか」、求められる働きやリーダーシップ発揮の仕方、つまり役割要件(選抜基準)が明確にされていないことが原因である。その結果、リーダー育成が進まず年功的な人事が行なわれるのである。
 リーダー養成で大切なことは「変革型のリーダーは実際に変革を起こした人物にしか育てられない」といわれていることである。つまり、革新的な経営者が経営幹部を指導・養成し、その薫陶を直接受けたリーダーがそれぞれの職能(事業)分野で、若い世代のリーダーを育てあげる。米国ロミンガー社の先の調査=7(経験):2(薫陶):1(研修)を参考にすれば、リーダーの育成に関しては、誰の薫陶の下に、どのような実地の経験を積ませるのかが、重要な課題として注目され始めているようである。

今年度の5月コラムから、10月12日(金)開催予定の公開セミナー「職場再生プログラム―9プロセス・マネジメント」に関連するテーマを取り上げています。ご覧の上、関心を持たれた方は、公開セミナーの参加を是非ご検討願います。
職場再生プログラム 9プロセス・マネジメント公開セミナー
●セミナーの概要
 
 職場マネジメントについて「あまりよく分からない」あるいは「セミナーに関心がある」という方は、まずこちらの小冊子<職場再生プログラム―9プロセスマネジメント>をお読み下さい。MCOが20年余りの間、多くの企業と共に培ってきた職場マネジメントの基本的考え方とそのしくみを平易に解説しています。
●講       師
 
有限会社 マネジメント・コンサルタント・オフィス
代表取締役    森 英一
●会 期 ・ 会 場
 
2012年10月12日(金) 10:00〜16:00
【会場】横浜市技能文化会館
【定員】30名
参加定員の関係でご参加いただけない場合は、折り返しご連絡いたします。
●参   加    料
 
MCO登録会員            8,000円/1人
上記会員外              12,000円/1人
早期申込み              10,000円/1人
(MCO登録会員以外で、開催日1ヶ月前にお申込みの場合に該当いたします)
※参加料には資料代が含まれますが、昼食代は含まれておりません。
●開催のねらい
 
 変化と多様化が進む今の時代、「仕事力」と「現場力」の低下が危惧されています。職場の一人ひとりがやる気に溢れ、お互いが協力して、高い付加価値を創造し続けるには、時代にあったマネジメント体制をつくり出すことが求められています。
当プログラムは、自立した個人が自己の成長が実感でき、自信を持って、周囲や顧客に一歩踏み込んだ行動を起こさせることを目的とした、職場活性化のためのマネジメント提案セミナーです。新たな職場マネジメントを体系的に学習できるだけでなく、多数の実践的なスキルを紹介することで、応用力が確実に身につきます。
●プログラム概要
 
1日  10:00〜16:00
【機曠泪優献瓮鵐箸陵論と技術
  (1)よい職場の条件と管理者の役割 
(2)管理を循環過程で捉える
(3)職場の強みと弱みの分析
【供杰場の問題解決と目標設定
  (1)論理的思考法による本質的問題の発見
(2)仮説による問題解決へのアプローチ
(3)上下の目標認識の修正技法
【掘曖裡味个2つの法則とOJTのコツ
  (1)コミュニケーションの本質とは
(2)潜在意識に働きかけるOJTのコツ
(3)職場に変化を起こす活性化技法
【検杰融考課と部下育成
  (1)部下の育成ニーズとは
(2)人事考課と個別育成目標
(3)動機づけの理論と技法
【后杙纏の改善と仕事の割当
  (1)人材期待基準の明示のしかた
(2)仕事の改善と期待基準の修正
(3)結果業績と仕事の見直し
【此杼躋腓伴禅娠答
9プロセスマネジメントの概要については、小冊子(無料)をご覧下さい。
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