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■グローバル経営と本社力の強化・・・複線型人事と業績連動型賃金制度

       
2012年3月28日     3月に起きた東日本震災、7月のタイでの洪水被害、そして昨秋以降のユーロ危機による円高で、大赤字に転落する企業が続出している。特に、国内需要が低迷するなか、海外市場に活路を求めた大手企業の赤字額が深刻になっている。もっといえば、中国を中心にしたアジアの景気が、ユーロ危機の影響で減速し、赤字企業は輸出企業に限らないとのことだ。
 60年代に貿易自由化が始まって以来、わが国はずっと国際化といい続けてきた。そして80年代に入ってからの金融自由化や建設業の海外企業の参入問題、さらには最近のTPP(環太平洋経済連携協定)やFTA(自由貿易協定)など、国際化に絡む問題が続いている。国際化がずっと言われ続けているのは、国際化がされていないことを意味している。日本の企業は、海外に生産拠点を持ったり販売網を展開することを国際化だと考えている。しかし、これらはいわば「オペレーション(事業)」の国際化である。1月コラムでも触れたが、いま問題になっているのは意思決定機能をもつ「本社(経営)」の国際化だ。今、このことに最も悩んでいるのが日本経済の牽引役である自動車や家電メーカー、そして半導体メーカーであるといったら、その意味が伝わるだろうか。
 多くの日本企業は、今年度の決算を教訓にして初めて、事業一辺倒でない"経営の国際化"をしなければ生き残れないことに気づき始めたのではないだろうか。その意味では、「これまで必要とされなかった経営戦略の構築と、それぞれの国や地域の文化や美意識、あるいは倫理観を尊重した行動」が喫緊の経営課題といえる。

 グローバル経営の難しさ
 経営の難しさは事業を行なうためには、多くの人や物、情報が必要であり、その調達のために多額の資金が必要になる。もちろん、金を出せば、必要なものは何でも買えるというわけでもない。お金をいくら積んでも買えないような情報や人材はたくさんある。このようなものが、一番大切な経営資源である。そして、事業の先には顧客という消費市場があり、事業資金の先には資本市場、人材の先には労働市場があって、それぞれが別々のことを考え動いている。「市場」は変化し続けているから、常に企業はそれぞれの市場に対して高い評価をえるために絶えず働きかけをしなければならない。
 しかし、戦後の日本企業の経営者は、行政指導による護送船団方式とメインバンク等の安定株主の存在、さらには終身雇用や年功序列を前提とした閉鎖的雇用慣行によって、市場からの脅威にそれほど晒されずに、経営資源を獲得し蓄積することができた。この結果、経営者が最も頭を悩ます経営資源の調達をある意味免除されてきた。したがって日本の経営者は、ひたすら事業規模の拡大と事業の多角化に専念するだけで成功できた。
 だが、今やそんな時代ではない。経営リスクをステイクホルダーである株主、取引先、社員が負担しあう「リスク分担型システム」が瓦解し始めている中、経営者は人・物・金・情報のバランスを考えて、自ら経営の舵取りをしていかなければ、経営は成り立っていかない。
 経営に積極的に関わる「モノ言う株主」、移り気で厳しい評価を下す「顧客」、入社3年で半数以上が退社する「社員」など、実は今までやってこなかった"経営"に慣れる前に、国内市場の停滞とグローバル化の大きな変化に直面して、業績が急降下したというのが現在の状況だろう。たしかに、昨今の日本企業は、低収益事業からの撤退と本業への回帰という「選択と集中の経営」を標榜し、それを強力に推進している。しかし、仮にそれが業界横並びの「選択と集中の経営」であるならば、それは経営をやっていることにはならない。
 だが、視点を変えれば日本企業の経営は、ようやく本来の経営の難しさに辿りついたといえるのではないか。そもそも外国企業には初めからリスク分担型システムなどはなく、その分だけ日本のグローバル経営は明らかに立ち遅れている。とりわけ経営者が考えなければならないのが、「事業」と「人」と「金」の繋がりを理解し、強化することである。
 いうまでもなく、〃弍通槁犬魴萃蠅掘↓△修譴鮹成するための仕組みや仕掛けを作り、社員にヤル気を起こさせるためにぅ蝓璽澄璽轡奪廚鯣揮するのが、経営者本来の役割なのだから。

 グローバル経営の問題点
 日本企業は長い間、欧米のマニュアル文化よりも先輩から後輩へ順次に指導していくOJTの優位性を主張してきた。しかし日本企業のいうOJTは、同質性の強い国内市場で終身雇用を前提とした恐ろしく時間と金のかかる、知識や技術の移転スピードの遅い仕組みである。とても日本以外で汎用的に使える教育手法ではない。
 OJTに限らず日本では、職場運営に必要な情報や知識は「暗黙知」として職場内で無意識のうちに共有され、日常業務の中で自然に調整され、上司と部下、関連部署とは知らぬ間に共通理解をすることができた。だが、非正規社員や海外の生産工場で同じレベルを期待したら大きな間違いである。仕事の内容が分からない非正規社員や言葉の通じない海外オペレーターに、どうやって作業手順を理解させるかが、職場運営の課題になる。
 日本型経営の中で、少なくとも職場単位の労務管理は世界的に通用するといわれてきた。しかし、今やこの点に関しても疑問である。たしかに日本的な"ボトムアップの組織運営"や"物作りの精神"を手取り足取り伝授することで、国内並みに生産性と品質を海外工場にも移転できるだろう。だが、その実現のためには膨大な人と金を必要とする。
 技術移転は、現地の要となる生産現場のリーダーを日本に連れてきて教育したり、日本からエンジニアを現地に派遣して教育にあたらせる。しかし教育が終了すると、すぐに賃上げの要求がくるし、それが通らなければ他社へ移ってしまう。それでは時間がかかりすぎることに気づくと、今度はマニュアルの整備を試みる。しかし日本のマニュアルは、教育訓練を施された社員のための技術文書であって、仕事の体系化も明確にされておらず、とても初心者に教えるには役立たない。
 これまで充実しているといわれてきた日本の組織運営のあり方が、なぜグローバル経営となると、こうも非効率なものになるのか。それは本社側が、海外進出の目的や赴任者への役割や権限の与え方などを明確にしないまま海外事業を始めている点に、問題の根本的な原因がある。円高を理由とする海外進出が増加しているが、本来、企業経営は長期的な戦略に基づき、組織の仕組みや制度、採用などを一つひとつ手がけていくことで、筋肉質な組織になっていくことができるのだ。

 グローバル経営には「本社力」の強化が必要
 グローバル経営は、なにも海外事業に限ったことではない。すでに終身雇用や年功制は崩壊し、正社員から非正社員への置き換え、つまり職場の多様化が進んでいる。また、日本企業の外国人持ち株比率は、この10年で2倍に増加しているし、日本企業の海外事業への進出によりグローバル人材不足が経営課題となっている。だが、何故かわが国では "多様化"は女性社員の活用・支援という意味になり、"グローバル人材"は英語力とか、英会話コミュニケーション能力であるとか、スキルのみがクローズアップされがちである。さらにはグローバル・スタンダードの名のもと、役員報酬には手を着けず社員に成果主義を入れて会社全体がガタガタになったり、といった惨憺たる失敗を積み重ねることになる。
 こうした現象には「本社力」の不足という共通の原因がある。能力が不足しているのではない。現状の基本設計が時代に合わなくなっているのだ。
 企業の成長と変革は人でしか成し得ない。経営ビジョンや事業戦略を実現するには、どんな組織にし、どのような人を活用するのかという具合に落とし込んでいかないと、競争には勝てない。しかし、バブル崩壊から20年。この間、日本企業の多くは本社スタッフをローテーションの対象(事務処理部門)とし、「経営サポート」というもう1つのスタッフ機能を縮小したために、そのツケが回ってきたのだ。たしかに、本社の人事部門に福利厚生機能がつく必要はないし、経営企画部門は経費の削減策づくりに汲々とする必要はない。だが、企業のグランドデザインを描いたり、そのための組織づくりや人事制度、人材の採用・育成・活用という優先課題がある。部門の名前だけが先に立って、企画が管理になり、管理が処理作業になってはいないか。
 そうした迷宮に入り込まないために、現在の仕事はいったん忘れて、本当にグローバル経営に必要なものは何か、それを考えてもらうために「MCO提案レポート(無料会員登録制)」を開始した。小事務所のPRになって恐縮だが、終身雇用に変えて企業は社員に何を提供できるのか。社員の市場価値を高めるキャリア・コースの「複線型人事Q&A解説」を提案している。もう1つは、グローバル競争が激しくなる中、一定期間の企業の成長と賃金水準の積極的上昇をはかろうとする、労使の相互共同作業の賃金プラン「業績連動型賞与Q&A解説」である。「こんな考え方もあるんだな・・・」といった具合に気軽に受け止め、今後の参考にしてもらえたら幸甚である。
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