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■日本的経営と専門職制度と複線型人事制度(機

       
2011年11月26日    企業の人事諸制度は、経営方針にそった役割(責任と権限=職務・職務行動)を基盤として、すべての人事制度が密接に連動し、相互に補完されていることが必要である。この職務・職務行動(会社が期待し要求する人材像・目標像)を基盤にしてトータルな人事制度を設計することで、はじめて成果主義人事制度は確立される。
 小事務所のHPで紹介している複線型人事制度もまた同様である。先ず全社共通軸としての役割資格制度(または職能資格制度)を導入した後、昇格(処遇)と昇進(配置)を分離し、その上で、管理職と専門職等の昇進を多様化することになる。責任と権限が高まり役割資格等級が1つ上に上がるのが昇格であり、昇格すると賃金も上がる。一方、役職位が高まるのが昇進であり、これは配置(人材活用)の問題であるから、両者の性格は全く異なる。すなわち昇格しても昇進するとは限らない。なによりも当該ポストにふさわしい能力や特質を持ち合わせていなければならないし、また欠員がなければ昇進することはできない。
 近年、働く人々の仕事やキャリアに対する価値観が多様化し、管理的な業務(管理職)よりも専門的な知識を活かした働き方(専門職)を希望する人が増えてきた。また一方、企業が求める人材も構造変革に伴い多様化し、一様ではなくなってきている。そこで、配置つまり人材活用の幅を広げ、ダイナミックなものとするために、複線型人事が導入されることになる。
 しかし、リクルートの「昇進・昇格実態調査2009」によると、管理職ポスト不足時の対応としては「相当する専門職等に昇進させる」(33.8%)が最も多い回答だったそうだ。また、1991年時点よりも専門職制度が管理職ポスト不足の受け皿としての意味合いを強めていることが報告されている。わが国の専門職は、管理職に比べて偏狭で欠陥をもった、1ランク下のイメージがつきまとっているし、専門的知識や理論よりも実務経験が評価される傾向が強い。
 日本の企業に専門職は定着しないのか。第三世代に突入した専門職制度について考えてみたい。

 わが国の専門職制度の歴史
 日本の企業に専門職制度が最初に登場したのは、昭和30年代半ばから後半ごろ(岩度景気に始まる高度成長黄金期)であり、人事考課等と同様にきわめて日本的性格の濃いものであった。その当時日本の企業では、欧米の企業をモデルとした組織・人事面の近代化が進められていた。
 組織面では、職能別、階層別に整理され、責任と権限を明確にした欧米型の合理的組織の確立であり、人事面では、職務や役職ごとの必要要件を明確にし、これに対応した賃金(職階別職務給)と人事考課の整備が行なわれた。だが、出発点が"人"ではなく"職務やポスト"であるために、実際に運用してみると色々な問題が発生した。例えば、同等の能力を有していても管理職ポストが限られているために昇進できず、したがって昇給もないという不公平な人事。その逆に、欠員や業務上の都合で異動しても、移動先の職務のランクが低いと、給与が下がるという問題などである。
 そこで台頭してきたのが、個人の能力を出発点とする職能給の考え方である。つまり、上位ポストに就かなくても、能力があれば、昇進したと同じように昇給し、たとえランクの低い職務であっても給与は下がらない。職能資格制度は、こうした日本的実情を背景にして登場してきた。管理職ポストの"水増し"をしないでポスト不足問題を解決しようとしたのが職能資格制度だったのだ。しかし、待遇は同等であっても、ポストはそのままではおさまりがつかない。勢いポストインフレとなる訳であるが、ライン管理者のように職場の統括責任も権限もなく、かといって社員とも違うという、職務や役割が不明確な管理職を"でっち上げて"昇進させたのである。
 こうした職能資格制度の一歩先を行こうとしたのが専門職制度である。専門職制度には、職場から浮き上がりがちな管理者クラスの人達をもっと活用しようという積極的な意図があった。
 職能資格制度は、「公平な処遇」が主眼であって、人材の活用は第二義的であったのに対して、専門職制度では業務や役割を明確にして活用のメドをつけ、合わせて処遇問題も解決するという、活用重視の前向きの制度として登場したのである。だが当時、本格的な技術革新の時代を迎えていたのにもかかわらず、専門職制度を導入したのはごくわずかの大企業にとどまった。
 そしてオイルショック後、60歳定年延長と低成長下での人材活用の行き詰まりにより、再び専門職制度も職能資格制度も大きくクローズアップされ、公平な処遇に力点が置かれていた職能資格制度は人材の有効活用に力点が置かれるようになった。その意味では、職能資格制度のねらいも、専門職制度のねらいに近づいたのであり、昨今の複線型人事制度により2つの制度の目指すところは同じになったといえる。

 専門職制度(複線型昇進制度)のメリット・デメリット
 日本企業がモデルとした欧米の専門職は大学や専門団体(医師会や弁護士会等)と共に発達し、社会的に地位が確立されたプロフェッショナルであり、深い教養と高度の専門的学識を基盤にした、創造力の豊かな専門家である。理論を応用するだけでなく、実務的ノウハウを体系的理論化する能力が高く評価され、学識や理論は駄目という、個人技に優れた経験だけの人は専門職とはいわない。
 一方、日本企業の専門職はTQC等に代表されるように、いち早くその理論を理解し、それを実情に合わせてハウツー化をして指導することのできる人達である。また、そのような人達はリーダーとしても有能で、専門職としてよりも有能な管理者としても評価されている。専門能力なくして有能な管理者であり続ける人は例外であり、自ら進んで次々に新しい専門知識や技術に取り組み、深く学んだ多専門人間を専門職と呼んでいる。専門能力の拡充や更新に問題があると職場全体、会社全体の人材育成と活用が阻害されることになる。TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)や円高等の新しい時代状況のなかで、これからは、学ぶことから一歩進んで、自ら作り出す、創造的専門性が求められている。
 では、わが国の専門職制度にはどのようなメリット・デメリットがあるのか考えてみよう。
 まずメリットとして期待されているのは、次の5つである。
管理職のポスト不足問題が軽減あるいは解消して、人事処遇がより公平化、円滑化される。
  ラインの職制が簡素化、合理化されて、組織(職場)の能率が向上する。
  組織としての専門的知識・技術の維持向上に役立つ。
  専門職の地位が向上し、専門性をもった人達のモラールが向上する。
  企業の必要に即応した、機動的組織・人事がやり易くなり、組織の機動力が増す。
 以上のような、専門職制度導入による効果やメリットが期待されている反面、問題点もまた多く挙げられている。
  専門職の仕事の内容が不明確。
  社内に専門職を軽視する風潮がある。
  専門職の名に価する専門能力を有する者が少ない。
  専門職の人員が多くなりすぎる。
  専門職の業績評価の方法に問題がある。

 特に、´↓のデメリットは多く指摘されており、専門職制度不要論にも結びつきかねない問題点でもある。


 専門職制度の課題と対策
 近年、複線型人事制度の導入・普及が進み、一部の企業では専門的知識・技術の維持・向上・活用といった成果が上がっている反面、全体としてはこの面のテコ入れや手直しを迫られている企業も多い。つまり、専門職が十分に活用されておらず、しかも本当の専門家が不足しているという問題を、どう解決していくかである。
 専門職制度の問題の筆頭は、『専門職の仕事の内容が不明確』ということだ。そもそも人に仕事を割当てる日本的経営においては、専門職だけに特有の問題ではない。きわめて根の深い問題であって、組織構造や編成の仕方、それに組織や職場の運営の仕方や管理の仕方と切り離して考えることのできない問題である。この問題を解決するには、年々の経営方針や目標にしたがって、事業計画を練り、その遂行のための組織に毎年編成替えをすることである。つまり、事業計画によって、どのような人が必要であって、どのようなチーム編成でやるのが望ましいのかが基本になっていなければならない。事業計画と組織編制の連動が失われている組織では、仕事内容の不明確な、仕事らしい仕事のない管理職が増えることになる。
 専門職制度のテコ入れ策のもうひとつは、専門家づくりである。この問題の基本は、専門家は待っていても育たないし、また年齢を重ねてから始めたのでは間に合わないということである。入社したときから、計画的なローテーションと各種スキル(資格)の修得をベースに、ある分野を軸にして、いくつかの関連分野に通じた「複合型専門家づくり」を進めることである。つまりキャリア形成プログラムを用意(制度化)し、全員がいづれかの分野の専門家になるための育成ルートを提示するのである。この場合に大切なのは、専門性の観点からの業務や知識・技術の体系的分類が行なわれていなければならないということである。(続く)。

追伸:

小事務所の創業20周年記念行事として、昨年は「職場を活性化する9プロセス・マネジメント」をHP上で公開しました。多数の訪問者と高い関心を頂き、この場でお礼申し上げます。
引き続き今年は「無料相談」と「職場の雰囲気分析診断資料の無料提供」を行なっていますので、ご案内申し上げます。この機会に現状の「職場の強み・弱み」を把握し、職場の活性化への取り組みと無料相談のご利用をお勧めします。

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