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■職場の目標設定と部下の職務遂行基準設定(2)

       
2011年4月30日    前月3月のコラムでは、職場目標の設定手順や部下へのブレークダウンの前提条件(目標設定のステップ)についてとりあげた。通常、職場の目標は仕事を通じて達成されることから、上司は部下に対して目標の達成方針と課業配分表(職場の業務について、誰が、どのような課業をどのように分担するのかを明らかにし、一表にまとめて一目で分かるようにしたもの)等を明確にしたうえで、目標管理シートに記入、提出をさせる。
 目標管理シートは今年度(或は半年間)、部下各人の目標や目標の達成方法について具体的に記述するもので、今期、どんな仕事(重点課業)をどの程度、どのようにやろうとするのか、また、そのための自己啓発にどう取組むのかを明確にしたものである。この目標管理シートを部下に記入・提出してもらうねらいは、目標管理シートによって、今年度の部下個々人の職務遂行基準や自己啓発目標について面接を通じて、上司、部下双方の合意と納得を経たうえで決定し、確認し合うことにある。しかし、実際の職場では上司・部下共にその主旨が十分に理解されておらず、結果、上司の一方的な押し付けによるノルマ目標となり、目標管理(MBO)が形骸化する大きな原因ともなっている。

 上司として事前にすべきこと
 例えば営業部門など、目標を数値化しやすい職場でよく見かける例は、年間の売上高を単純に頭割りして割り振るというやり方がある。また、売上目標が5%アップと決まると、各自めいめいに一律5%アップした数字を割り振るといった、つかみどころのない基準らしきものも駄目である。
 基準を明確にするには、まず現状をしっかり分析・把握し、現状から職場目標を達成するには何が不足しているのか、何を改善しなければならないのかを明確にすることが必要である。ここが重要なポイントである。そのうえで現状と目標のギャップを解消するために、個々人がどう行動すればよいかを、仕事の側面と人の側面の両面から目標に織り込んでいく。それが職務遂行基準であるが、実はこの肝心なところが抜けている。留意すべきは、数字を機械的に割り振ったりしてはならない。そんな割り算で割り振る仕事であれば、管理職でなくても誰にだってできる。では、部下に目標管理カードの記入・提出を受ける前に、上司としてどんなことをしておかなければならいのか。
  前期業績の振り返り
 前期の部下の業績考課や職務遂行過程の行動観察メモ(評価材料)をもとにして、設定した目標が適正なものであったかどうかについて振り返り、反省をすることだ。次に部下の業績チェックは、期待基準(普通の評価基準)をクリアしている仕事と、そうでない仕事をチェックしてみる。すでに期待基準をクリアしている仕事は、さらにレベルアップを図っていくために今後どんな仕事を与えたらよいのかを検討する。逆に、期待基準に至らない仕事はどのように指導すべきかを考える。
  執務態度のチェック
 執務態度は、大きく分けて2つの側面からとらえることができる。その1つは、職場の活動や機能を維持するうえから欠かすことのできない規律や責任感であり、もう1つは職場の拡大・発展のために必要とされる協調性や積極性である。いくら能力に優れていても、この執務態度(仕事への取り組み姿勢)に欠けるとよい業績はあげられない。両側面とも十分にチェックしておく必要がある。
  能力面のチェック
 前回の目標管理シートで確認した自己啓発目標に対し、その達成度について分析する。分析の内容は、研修参加や資格取得などによる知識・技能の修得がどの程度達成されたかの分析と、その修得したものが職務遂行上、どのように活かされているかの2点である。また、部下の執務態度や能力面の分析を通じて、上司として、指導すべきところを適確に指導したかどうか、上司自身が反省することも忘れてはならない。
  現行職務の見直し
 今日の企業環境は複雑で、変化の予測も難しい。他方、環境変化に対応するため、企業は事業の拡大や新しい技術の導入が進められている。そしてそれに伴う業務の変更、統廃合、新設などが行なわれている。職務配分にあたっては当然にそれらが加味されていなければならない。つまり、部下の職務は流動的にとらえていかなければならない。それだけに、職務調査を通じて職種別、資格等級別に課業一覧表や職能要件書を整備し、これらをベースにして職務配分がされなければならない。

 部下と職務基準(目標管理シート)の内容の検討
 職務基準とは、「何を(具体的な仕事の内容・項目)」「いつまでに(達成時期)」「どの程度まで(達成レベル)」という目標(期待基準)と、「どのように」という達成手段・方法・行動基準(遂行基準)を明確にすることである。今までの多くの職場の場合をみると、最終ゴールである目標の明確化には熱心に取組んでいるようであるが、どのようにという達成手段、つまり職務遂行基準を明確化することが抜け落ちている。この「どのように」という遂行基準が目標達成の決め手となるだけに、上司が全て部下に任せ、関与しないのは極めてまずい。部下に「こうやればなんとかなりそうだ」という見通しを持たせる意味からも職務遂行基準を部下と共に考えることは必要である。
  担当する職務編成の検討
 職務編成とは、部下が今後一定期間に担当する仕事の範囲(種類)を書き出したものであり、通常は課業の形で書き出すことになる。職務編成でよく問題となるのは、全ての課業を書き出すようにするのか、それとも重点課業に絞って書き出すのがよいのかということである。お互いに一長一短があり簡単に結論づけられる問題ではないが、重要度の高い課業から8割程度を書き出し、残りをその他の課業としてまとめることを薦める。
  期待基準の検討
 期待基準は、課業の1つひとつを「いつまでに」「どの程度まで」について確認することになるが、達成基準(どの程度まで)そのものが高すぎないか低すぎないかを慎重にチェックしなければならない。この期待基準は業績考課に結びついてくるので、具体的にチェック・確認することが重要である。
  職務遂行基準の検討
 職務遂行基準は、目標達成の手段、方法、手続きを示すものであり、目標達成過程における具体的な行動基準である。この行動基準は、職務遂行基準だけでなく、仕事の実行計画のベースとなり、部下の自己啓発のガイドラインとなる要素を含んでいる。また上司からみれば、期待基準と併せて、部下の職務遂行課程のプロセス管理(OJT目標)をするうえのガイドラインとなる。

 職務基準の設定上の留意点
 職場の管理者は、諸々の状況を把握しながら、さまざまな条件の中で、部下の職務基準を設定していくわけであるが、それらの職務基準を設定していくうえでの留意点について考えてみたい。
  達成可能な職務基準であること
 職場管理者の中には、職務基準の期待基準は高ければ高いほどよいと思っている人がいる。逆に部下は、あえて危険を冒すより、低め低めに目標を設定しがちである。目標は達成されなければならないものであるから、初めから達成不可能なものであっても、何の努力を伴わずともクリアできるものであっても意味がなく、またそのようなものは目標とはいわない。目標の不可欠な要件は、達成可能性と実現可能性である。達成可能性というのは、単に目標の高い低いの問題ではない。
  妥当性のある目標であること
 職務基準の総和は、会社の経営目標とならなければならないが、そうなるためには上位者の目標・方針から逸脱していてはならない。また、最小のコストで最大の効果を上げるためには、定型的な仕事ばかりに目を向けないで、問題を発生させないような問題予防型の目標を立てることも考えなければならない。部下に積極的に改善提案をさせ、それを改善目標として挑戦させることは、またとない部下の育成の機会となる。
  適切な計画であること
 目標を効率よく達成するための条件として、計画が詳細に検討され、組み立てられていることが重要である。計画があいまいであっては、目標の達成時期に支障をきたすし、なにより他の目標との関連や連携がうまくいかないことにもなる。

 既に4月から新事業年度がスタートしているが、東日本震災や原発事故の影響により足元の景気は大きく落ち込んでいる。しかし、新聞等で報じられているところによれば、自動車各社は4月中旬までに生産を再開しているし、震災で被災した電子部品や各種素材の生産工場でも、4月中に再稼動するところが少なくないようだ。夏場以降の本格的な立ち上がりにむけて、今は一人ひとりの職務基準の再確認が大切ではないだろうか。
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