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■就職したい企業の選び方・・・魅力ある良い会社とは

       
2010年12月28日    今年も残り少なくなったが、来年の正月をゆっくり迎えられる就職内定者はおよそ6割なのだそうだ。残り4割は将来への不安を抱え、この年末年始を過ごすことになる。とはいえ、内定取得者といっても、いつ内定切りや試用期間切りにあうか分からない。心底から安心というわけにはいかないご時勢なのだ。
 それにしても内定率6割は、もはや大きな社会問題。求職者個人の負担の重さや頑張り云々を言うのを通り越している。現状のままでは、ますます若い世代に経済的不利益を強いることにならないか。政府は「後世に今の借金を負わせるべきでない。そのためには緊縮財政と増税が必要だ」といっている。しかし、これでは景気は一向に良くならず、若者の雇用機会も生まれてこない。ここは借金の問題(国の財政問題)を取り上げるより、若者の雇用をいかに創出するか(財政政策と金融政策の問題)を優先するべきではないか。社会的に一番弱い立場にある若者の所得(或いは最低賃金)が上がれば、おのずと景気も良くなる―と考えるのは素人だからだろうか。
 就職活動といえば、「偏差値40から良い会社に入る方法」(著者:田中秀臣氏、)が話題になっている。興味のある方は、実際に手にとって確認いただくとして、ここでは本のタイトルが「大きな会社」ではなく、「良い会社」ということだ。2011年3月卒を対象とする大企業(従業員数1,000人以上)の求人倍率が0.63倍に対して、中小企業(従業員数300人未満)は4.41倍となっている(リクルートワークス研究所)。20年以上の組織・人事コンサルタントを通して言えることは、中小企業の中にも「良い会社」は沢山ある。問題は、良い会社に関する情報が少ないことだ。そこで、良い会社をどう見極めるか、企業人事面からとらえられる項目について、その一部を以下に紹介したい。

 社員の意思や自発性を尊重しているか?
 第1は、「社員の希望をどこまでかなえ、納得ずくで仕事をさせているか」である。
 社会が高度化していく中で、社員の価値観や労働観は多様化してきている。また一方、企業が求める人材も構造変革に伴って多様化し、一様ではない。そこで自主性を持った社員と人事政策を持った会社を最適に結びつけていくためには、多様なキャリア形成のプログラムを用意し、このプログラムに沿って社員に選択させ(会社ではなく本人が選択する)、各人の意思と適性と能力に応じて自己充足を進め、同時に会社は求める人材を公正に評価・育成し活用を進めていくことが求められている。つまり複線型人事制度である。
 複線型人事制度のねらいは、各人の意思と適正に応じた育成と活用であり、一部で見られる学歴や性別によるコース別管理とは大きく異なる。したがって、昇格や昇給を抑制し選別のための後ろ向きのものではなく、キャリア形成(職務経歴や教育・資格取得等)を促進し、生涯労働を充足させる前向きの制度でなければならない。
 また、社員の意思や適性や能力に応じて評価・育成し処遇していくためには、会社の期待する人材像を明示(職務調査が必要)にすることが前提であり、複線型人事制度設計の出発点となる。会社が期待し要求する人材像を十分に整備・確立した上で、個別管理(目標設定→評価→育成)と多元管理(複線型昇進制度)が展開されることになる。
 社員の意思を大切にするグットネスがあるかどうかが、良い会社の判断基準である 。

 労働または労働力の価格表である賃金表が設定されているか?
 第2は、「世間相場や生計費や労働に対してバランスのとれた公正な賃金であるか」である。
 商品やサービスに価格があるのと同様に、賃金にも価格がある。また、同じ商品であっても銘柄(商標や名称)が違えば価格が違うように賃金も同じである。この銘柄別の賃金表(例えば本人給表や職能給表等)を個別賃金表、略して賃金表という。このような賃金表をもとにして、一人ひとりの賃金(個人別賃金)が決められていく。こうした価格表のような明確な基準がないと相互に不信感をいだき、無用なトラブルを生じることにもなる。
 これまでわが国の賃金は、初任給から始まって年々の勤続昇給を積み重ねるという、昇給方式をベースにしてきた。したがって、こういう仕事をしているからいくらといった、個別賃金の概念に乏しいのが一般的である。また入社後は、会社の支払い能力に応じて、平均でいくら昇給するかをまず決め、これを各人に配分するという方法(学歴や性別や勤続や仕事等を基準にして)で、一人ひとりの賃金を決めてきた。しかし今日の少子高齢化、技術の高度化や市場の国際化といった新しい状況の中で、社員の仕事や能力や役割に応じてきめ細かく決めていこうとするならば、このような方法では正しく賃金を決めていくことはできない。
 特に厳しい経営環境のなか、定期昇給(社員の成長に応じて各人の賃金を賃金表の中で上に動かしていくこと)が明確にされていないと、今後何歳になったらいくらの賃金が支給されるか分からず、将来への不安を残すことになる。賃金表に基づく賃金決定であれば、自分の賃金がどう決められているか納得がいくし、またどう努力すれば自分の賃金がどうなるのかといった見極めがつくからヤル気にもつながってくる。
 就職面接に行き「わが社は成果主義賃金、業績連動型賞与だ」といいながら、その一方で、賃金表の設定・整備がされていない企業は決して「良い企業」とはいえない。加えて、生活保障としての賃金部分である本人給を廃止したり、定期昇給をゼロにし昇格昇給をもって賃金水準を維持するといった、社員の立場に立って考えられない会社も決して良い会社の仲間には入らない。なぜなら、社員を大切にしない会社が顧客を大事にする筈はなく、結局は業績改善も期待できないのである。

 相対評価による査定考課でなく、絶対評価の人事考課が整備されているか?
 第3は、「プロとして通用する人材の育成と活用ができるか」である。
 今日の人事問題は、大きく分けて2つの課題をかかえている。その1つは、年功にかわる新しい処遇基準の確立であり、もう1つは、社員個人の意思や適性や能力に応じたキメの細かい人材育成や人材活用体制の整備強化である。労働市場の変容や労働・生活の多様化やそれにともなう経営の質的高度化が強く求められている新しい環境の中では、年功基準によるに昇進・昇格はもはや崩壊せざるを得ない。またゼネラリストの養成といった画一的一律的な人材の育成・活用も意味がなくなってきているからである。
 つまり画一的な年功による人間基準を改め、各人の意思や適性や能力をベースにした人間尊重の人事を新たに展開していく必要があるわけだが、その際に、まず問題になってくるのが、人事考課である。仕事や能力の難度や高さや特性をとらえるのではなく、社員間の相対的な業績や執務態度の評価だけを求めてきた従来の人事考課では、新しい人事の展開には通用しないからである。
 一方的にしかも非公開で行なわれる従来の人事考課は不信感に満ち溢れ、新しい処遇基準として継続していくわけにはいかないし、人材の育成や活用に役立たせていくこともできない。 そこで、開発力を強化し質重視の価値創造経営を目指している会社の人事考課を以下に紹介したいと思う。それは、3つの要件からなる。
 




会社が期待し要求する仕事(基本職務)とその達成基準(職務遂行基準)および職務遂行能力(職能要件基準)の評価基準が明確に示され、絶対考課が可能であること。
考課結果を部下にフィードバックし、目標の設定や仕事の改善や計画的OJTに結びつけていること。
納得性のあるかつ公開された運用ルールに基づいて、昇格・昇進・昇給・賞与などに反映されていること。
 以上、人事管理制度の基盤である人材の育成・活用と評価と処遇について、良い会社に見られる内容の紹介をしたが、これらの企業人事に関する情報はほとんど公開されていない。これら以外にも就職活動を行う上で知っておきたい情報として、時間外労働には対価が支払われるのか(サービス残業の有無)、大切な休日が社用でつぶされないか(振替・代休の取得)、上司への全人格的従属をせずにすむか(上下関係)、自由闊達なコミュニケーションが奨励されているか(意思疎通)といったことがあげられる。こうした情報が事前に入手できれば、就職を希望する企業の顔ぶれも大分違ったものになってくることだろうが、残念なことに国の行政はこうした情報の公開を企業に義務づける考えはないようだ。
 就職活動中の学生が見極めたい、魅力ある企業とは、イ)他に類を見ないユニークさがあり、ロ)創造的な会社であること、ハ)人事理念(人事制度)が明確であること、ニ)成果の公正な配分がなされていること、がその要件となる。新年を迎えていま一度、企業の名前に流されず、人間尊重の人事を確立している中小企業に就職活動の対象を広げてみることをご提案する。
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