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■業績連動型賞与の問題点と解決策(3)

       
2010年11月19日    業績連動型賞与に対する企業の関心が高まり、拡がりをみせている。当コラムでも今年の6月と8月の2度にわたってこのテーマを取り上げたが、予想以上の訪問者があった。では、なぜ多くの企業が業績連動型賞与制度に関心を示すのか。その理由として、各事業や会社全体の業績(売上高や生産量や利益や付加価値など)に応じて賞与総額が決定される―というこの制度がもつ目的に魅力を感じているからではないだろうか。
 業績連動型賞与制度では、〇業部や全社の業績指標を設定・評価し、△海龍叛咾墨動する総原資を算定(業績評価倍率を乗算する)して、8朕佑旅弩ヅ戮鳳じて支給する。
 (業績賞与総額=支給基準額×支給月数×業績評価倍率)
 更に、この制度は1年間の会社全体の賃金の総額を、その年の業績(売上や利益や付加価値等)の大きさに比例(賃金の配分率を一定にする)させて決めていけば(業績賞与を調整機能とすることで)、業績と総額人件費をバランスさせていくこともできる。
 一方、先行導入した企業の中には、業績との連動を弱める見直しや廃止の動きも出始めている。およそメリットだけのシステムなど、この世の中には存在しない。下手をすれば、メリットはなにもなく、デメリットのみが増大し、業績連動制の導入が経営を危うくし、労使関係を不安定にする恐れをもつことになる。

 業績連動制のねらいは、人件費の変動化?それとも生産性の向上?
 業績連動制を導入する多くの企業が、そのねらいに掲げているのが、]使が互いに協力し、∪源裟を向上させ、O使が公正な配分を受ける―の3つである。
 まず、,力使が互いに協力していくためには、双方の「信頼感」がベースになる。信頼感は、通常は「双方が役割を果たすこと」によって醸成される。“この経営陣なら大丈夫だ(経営責任の遂行)”とか“うちの社員ならやってくれる(職務遂行責任)”という互いの納得性が基盤になる。労使の信頼性機能とは、このように相手に対して信頼と納得を得させる働きである。 一般的に組織経営はトップ・ダウンで行なわれるが、経営側が社員側の信頼を得るためにはどうすればよいのか。経営者の信頼性機能は、企業内外の状況変化に適切に対処するために、自ら経営方針を打ち出し経営課題を解決できる力、つまり意思決定の有能さ(経営課題解決能力)が第1の要因であり、さらに社員(組織)の疑問や問題に対して的確に対応・評価し、誠実(言動一致・高い倫理観と弛まぬ自己研鑽)に応えていくことが第2の要因になる。信頼性のない業績連動制は、生産性を上げていこうという本質的な姿勢を失ってしまう恐れがあるし、連帯感を喪失させ、不公平感を高める恐れがある。
 次に、△寮源裟を向上していくためには、目標達成上の戦略要因(それを解決すれば自動的に経営目標を達成できる妨害要因)を提示し、その解決に向け最大限の努力をするよう求め、目標の進行状況を統制、督励することである。目標の達成を厳しく求め、事業の質やコストの削減について高い要求を行なうことなどが具体的な行動であるが、それはあくまでも目標達成のためにとられる行動でなければならない。ここでは、いつまでに(時期)どの業務を(対象)、どのように(方法)、どのレベルまで高めていくか(水準)が重要になる。生産性の向上が期待できない業績連動制は、それが賃金(賞与)につながっていく恐れがあるだけに、失敗をしないように無難な企画・研究開発に対応しようという姿勢も生じてくるであろう。
 さらに、の公正な配分とは、経営側が社員側に対して様々な要望を行なうのと同様に、社員側も経営側に対して同じように色々な要望を抱いている。社員側の考え、感情等を社員側の立場で考え、感じて、組織内に信頼関係を醸す働きのことをいう。目標達成に行き詰っているときは勇気づけ、社員側の功績を認めるなどが具体的な行動となるが、単なる温かさや思いやりではなく、その根底には社員に対する真剣な関心と信頼が必要である。それには、設定された全社目標やその達成にむけたチャレンジの程度や困難さについても、公正に評価する姿勢が求められてくる。
 最後に、業績連動制とは、経営参加システムであり、経営の透明性と労使の信頼関係および社員の生産性向上への姿勢が土台となる。したがって、業績連動制を具体的に導入・実施していくためには、労使からなる成果配分協議会の設置が必要である。この協議会では、目標を達成していく上での必要な情報の提供(業績成果の状況)や対策の検討(協力内容)を通じて、中期的計画における目標成果の意味づけ(将来への見通し)と位置づけ(社員側の役割の理解)をつけさせていくことにもなる 。

 一定の配分率は、どこまで納得が得られるか
  国際競争が激化する中、企業は適正人件費管理を強化している。定期昇給を廃止・縮小し、業績の向上による社員への還元は、業績賞与(一時金を除く)で応えていくという姿勢を強めている。こうした企業の姿勢をうけ、会社の業績(生産価値)に対する賃金の割合、つまり配分率を一定にしよう(業績賞与で調整)とするのが、業績連動制の基本的な考え方である。したがって、会社や事業部門の成果(利益または付加価値等)と社員の賞与(総額人件費)とが一定の相関関係(必ず一致するという意味ではない)を持つことが絶対の条件となる。
 これを算式であらわすと、<業績賞与=成果指標×一定の配分率−毎月支払った賃金総額>となる。いわゆる賞与の変動費化が可能となる。加えて、右辺の「毎月支払った賃金総額」を左辺に移し、これに一時金(賞与の固定部分)を加えると、企業業績と年間人件費総額とがリンクすることになる。つまり、人件費総額の変動費化が実現できるのである。解り易くいえば、定期昇給をいくら上げても、時間外手当が増加しても、その分は業績賞与の範囲内であれば自動的に調整され、一定の人件費総額の枠に収まるのである。
 さらには、大量の人員採用や新製品の開発などは、成果指標である利益や付加価値に大きな負担をかける。また、為替変動などの外部環境の急激な変化による業績悪化なども考えられる。業績連動制は、こうした問題を抱えていることを認識して運用することが重要である。
 実際、先行導入した企業の中には、労使の予想を超える業績となって、慌てる企業が出てきている。経営側から廃止を求めたり、連動を弱める見直し等が行われている。そうした事態を回避するためには、あらかじめ還元に上限と下限を設けておくことだ。上限を超える業績成果があった場合には、将来への蓄積にしておく。逆に、下限を下回った場合も、下限は保障して業績賞与を支払う。そうすることによって、業績連動制は変動するとはいえ、ある程度安定したものとなりえる。

 業績連動制の仕組みと関連システムの整備が前提
 業績連動型賞与制度は、成果主義賃金(Pay for Performance)の1つのタイプであるが、これを維持していくためには、\果指標について労使が正しい認識と共通の理解をもつこと、配分基準についての十分な討議がなされていること、6叛咯淪燭里△衒について基本的な考え方の整理がなされていること、ぅラス張りの経営が行なわれていることの、4つが条件となる。では、業績連動型賞与制度はどのような仕組みからなるのだろうか。
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年間人件費総額に見合う目標成果を労使で確認し、設定する。
目標成果を達成するための具体的な手段を労使で考え、達成に向けて協力し合う。
目標成果の達成成果を労使によって測定・確認をする。
達成成果の一定割合を社員に還元する。
あらかじめ配分(還元)基準の上限と下限を設定しておく。
 この仕組みを実際に運用していくためには、労使からなる成果配分協議会(仮称)の設置が必要となる。成果配分協議会の主な任務は、ゞ叛啝愽厳彁蚕顱兵太咫砲粒稜А↓業績指標の増減原因の分析・対策の検討、6叛咯淪秦躋曚よび個人別配分方法の決定、などである。
 また、賞与の性格については、月例賃金で果たし得ない役割を果たすこと、および一時金としての性格と業績賞与の性格の両方がある。「月例賃金で果たし得ない役割を果たす」とは、例えば月例賃金において、まったく年齢や勤続を考慮していないならば(近年は、定昇の廃止や縮小および本人給の廃止が一部の企業でみられる)、せめて賞与においては、年齢や勤続に見合ったメリット係数を設定するといった考えである。また、月例賃金が仕事や能力といった要素をまったく反映していないとすれば、賞与においては、このような仕事や能力の相違といったものを反映することが望まれる。
 以上のように、月例賃金のもっている性格との関連から、業績賞与は考えられることから、役割資格制度、複線型昇進制度、目標面接制度、人事考課制度など月例賃金に関わる関連システムが整備されていることが前提となる。このような取り組みによって、生産性向上に対する労使の協力関係や、相互信頼関係を高めていくことができ、この点において業績連動制が効果的であることが指摘できるであろう。

 今月から弊社のHPで、「業績連動型の成果主義賃金基礎講座」を紹介している。興味のある方は、ぜひ訪問いただくことをお勧めする。
       
     
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