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■変化の時代・・・求められる示範教育のO.J.Tからの脱皮

       
2010年4月27日    世界的な大不況で新入社員の採用を抑制した企業も多かったようだが、今年も各社で新入社員研修が実施されている。新入社員研修では、社会人としての心構え(マインド)やビジネスマナーなども行なわれているが、なんといっても職場における個別指導(O.J.T)が研修の中心になる。このO.J.T(On the Job training)指導の中で、特に管理監督者が身につけておきたいのが「仕事の教え方」の技術である。わが国では、第二次大戦後の占領中にマッカーサーが送り込んだといわれているTWI研修(Training Within Industry)が比較的に知られている。このTWI研修での仕事の教え方は、1つの作業を6〜7回繰り返すと技能化されるという原則にもとづいており、特に定型的な仕事や作業標準に基づく仕事の教育に効果を発揮するといわれている。

 仕事の教え方、人材を育てる基本は4段階
 今日、各企業で行なわれているO.J.Tの起源は、第一次大戦勃発による米国造船所の要員不足を補うため、チャールズ・R・アレンによって作られた新人養成プログラムだそうだ。その具体的な指導法は4段階、つまり,覆砲鮹里辰討い襪を調べ、学習に対する興味を持たせて、適切な職場を与える(配置)∈気よく説明し、見せ、そして質問し、完全に教える(やって見せる)実際に本人にやらせて、キーポイントを説明させる(やらせてみる)ぜ遡笋料蠎蠅鯣獣任気察∪儷謀に質問するよう促し、少しずつ直接指導を減らしていく(フォロー)のである。
 これと同様な指導法が「目で見せて 耳で聞かせてして見せて やらせて褒めにゃ事ならぬなり(二宮尊徳作?)」―これは仏教や心学などの教えをわかりやすく詠み込んだ和歌―道歌にもある。山本五十六元帥の「して見せて 言って聞かせて させてみて 褒めてやらねば人は動かず」はあまりに有名だが、それよりずっと昔から詠まれていた。
 また、人材を育てるには、古来から様々な工夫がされてきた。インドに生まれた心身の鍛錬法として有名なヨガでは、人間は4つのステップを経て大きく成長すると教えている。,修Δ覆蠅燭い隼廚Δ海函↓△修Δ覆襪隼廚Δ海函↓そうなると信じること、い修Δ覆襪海函つまり、自ら信じれば、そうなるという教えである。
 ある著名な教育者によれば「教育とは“生きていくための自信をつけさせること”」といっている。これをヒントにして、先の仕事の教え方にあてはめてみると、人材の育成には4つの段階があるようだ。それは、
 (1)自覚・・・自己の能力や特性を自覚させる(自分の真価に目覚めさせる)
 (2)自信・・・褒めて自信をつけさせる(真価を発揮させ成果をあげさせて、自信をつける)
 (3)自主・・・任せて、力を発揮させる(できるだけ仕事を任せて、自主性を発揮させる)
 (4)自立・・・自ら力を発揮する場や機会を与える(権限を委譲し、成長させる)
これを(1)から(4)まで順次発展させてゆくことにより、人間は大きく成長していくことができるということだ。

 O.J.Tの3つのポイント
 管理監督者を対象にした研修で、「O.J.Tのポイントは何ですか」あるいは「O.J.Tにはどんな方法がありますか」と質問しても、的を得た回答はほとんど返ってこない。O.J.Tは大きく分けると3つに区分することができる。
 その第一は「示範教育」である。示範(模範を示すこと)教育とは、「率先垂範」による教育(指導)であり、上司や先輩の一言、一挙手一投足がそのまま教育になる。昔よく言われた「仕事は盗んで覚えろ」という教育方法である。この示範こそO.J.Tの本命で、これだけをもってO.J.Tだと理解している管理監督者は比較的に多い。これが全社的に累積されると社風・会社のカラーと呼ばれるものになり、教育効果は絶大である反面、指導者によって指導の内容が異なり、品質ムラや作業の引継ぎミスなどが生じることがある。
 第二は「個別指導」である。一対一の教育、英語でいうとマン・ツー・マン・コーチとなる。人間は一人ひとり皆違うから、それぞれの個人差に応じて、特性や個性を伸ばす教育をすることである。この個性を伸ばす教育は、集合研修では不可能であって、部下一人ひとりの性格や能力特性を知りぬいた管理監督者だけに可能な教育方法である。それだけに、指導者の評価能力や面接指導能力が問われる。これまで集団主義・一律管理に慣れ親しんできた、わが国の管理監督者にとっては極めて難しい指導方法の1つである。実際、成果主義人事(個別管理と多元管理)が職場に定着しない原因は、個別指導力の不足にあるといっても過言でない。
 第三は、「言葉のO.J.T」といわれる職場での朝礼やミーティングである。ここでは管理監督者や指導者の説得力(リーダーシップ=影響力)がものをいう。
 今日でも、落語家の育成やコック、板前の教育では依然として「示範教育」が主流だが、変化の時代には示範教育だけでは不十分で、個別指導とコミュニケーションを重視するO.J.Tの時代となっている。従って管理監督者や指導者は、O.J.Tを意識的・計画的に進めなければならない。そのためには、指導する「具体的仕事」と期待する「職務遂行基準」や「職務遂行能力」を明らかにする必要がある。また、これらをベースにして一人ひとりに対する個別指導計画や育成スケジュールなども作りたいものである。

 まかせるほどに人は育つ
 O.J.Tに限らず人を育てる極意は、「思い切って責任ある仕事をまかせること」である。人は誰でも職場に入って、1つの仕事をまかせられると感激するものだ。それは、信頼にほかならないからである。信頼されてまかされれば、誰しも大いにヤル気を出し、努力して成長するものである。
 ただし、まかせるためには、よく教えることが大切だ。教えもしないで仕事をまかせることは押し付けになりかねない。また仕事のやり方を教えるだけでなく、責任のとり方も教える必要がある。責任のとらせ方とは、報告・連絡・相談のやり方である。仕事の最終責任はまかせた上司がとらなければならないが、適時に適切な報告をするのは、まかされた者の義務であることを徹底して教える必要がある。まかされ上手は報告上手といわれる所以である。
 とはいっても、部下に仕事をまかせた上司は内心はハラハラと心配しつつ見守っているはずである。まかせの達人になるためには、なにかコツがあるのか。そのポイントをあげると2つある。
 ポイントの第一は、下の者にまかせるべき仕事は、自分がやった方がよいといった程度の仕事(自分がやらなければならない仕事は、自分がやる)である。また、自分がやってもやらなくてもよいといった程度の仕事は、まかせるよりカットした方がよいが、当面はトレーニングとしてまかせ、その後に整理するというやり方もある。
 第二のポイントは、上から見て70%位はできるようになったなと思ったら、思い切ってまかせるのがコツである。残りの30%は、実際にまかされて体験しないとわからない部分であるから、もっとできるようになったらまかせようという考えでは、いつまでたってもまかせることなどできない。一般的にいわれているのは、70%の段階で思い切ってまかせてみると、1/3の人は100%を上回るほど成長し、1/3の人が100%、残りの1/3の人も90%まで成長するそうである。従って、歩留まり2/3でまかせたほうが得というわけである。

 人材の育成は、言葉どおりの狭い意味だけでなく、
  指導者が上位ポストにあがるために、後を任せられる人を育てる
  できるかぎり権限委譲を行なうことにより、業務の質を高める
  指導する人自身の自己啓発をはかれる
  先輩が後輩を教える「順次指導制」により、チームワークがよくなり、創造性も高まる
といった幅広いねらいをもっている。人材育成の本来のねらいを理解し、部下や組織のためだけでなく、管理監督者自身のためにも的を得た教育指導と育成を実施していきたいものである。

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