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■なぜ人事考課・目標管理は定着しないのか・・・その原因は何か

       
2010年3月12日    一昨年に起きたリーマン・ショック以降の世界的な景気悪化の影響から、日本企業の輸出は壊滅的な打撃を受けたものの、各国政府の景気刺激策やアジア市場の好調を受けて、2010年3月期業績見通しを上方修正する企業が多い。この回復が「どこまで続くかは予断を許さない」としながらも、懸念されていた二番底のリスクは後退しているようだ。
 この企業の年度末にあわせて、多くの職場では社員の人事考課が実施される。昨年の8月のコラムで「不況下にもかかわらず、なぜ人事考課に対する関心が高まっているのか」をテーマに取り上げた。多数の方に訪問いただいたので、今回はその第2段。せっかく人事考課や目標管理を導入しても、所期の成果があげられず、定着はおろか形骸化している企業は決して少なくない。そこで今回は人事考課、目標管理に共通する「成果に至らない原因」について分析を加えてみたい。

 結果偏重に走り過ぎ、その原因がおざなりにされていること
 このコラムでもよくふれるが、人事考課には2つの側面がある。1つは人材の育成(能力のレベルアップ)であり、いま1つは処遇選別への反映である。処遇選別とは、いうまでもなく結果を査定し、差をつけていくことをねらいとする結果指向型評価の概念である。
 処遇に格差をつけ、競争をさせるために人事考課を行なうと考える会社においては、業績結果の原因である能力活用や人材育成よりも成果に対する関心が高くなる。従って、誰が一番よくやったか、やらなかったかといった相対評価となる。また上司が一方的に評価を行い、その結果を本人にフィードバックされることはない。せっかくの処遇も「何がよく、悪かったのか」の説明がないから、社員の理解と納得も得られない。
 目標管理の場合も、人材育成の考えが確立されていなければ、より高い業績への期待はもてない。ゴールへたどりついたかどうかの評価では、記録の更新は期待できない。ゴールにいたるコースが示されてこそペース配分が考えられ、自分の持ち味にあった作戦が立てられるからだ。
 目標管理はOJTの最たるものだといわれているが、設定した目標に見合って権限の委譲と各自の自由裁量による自己統制によって目標を達成し、小さなミスは教育と考えてとがめず、上司は積極的に情報を流し、助言・指導を行い、突発的な問題が起こったら上司が問題解決にあたる。しかも会社が期待し要求する人材像(評価基準)が明確にされているかどうかが運営上の問題となる。同じ資格等級であっても、また同じ仕事をしていても、会社が期待し要求する人材像に対する育成の必要点は個々に違うからだ。
 人事考課も目標管理も人材育成の考え方が浸透しないかぎり、けっして実を結ぶことは期待できないだろう。

 目標の意味や評価基準書の役割が理解されていないこと
 職場管理者の中には、職務と目標を混同している人もいる。職務は行なうべき仕事のすべてを指すのに対し、目標は、その中でどの仕事に重点を置き、どの程度の水準まで達成すべきかを明確にしたものである。
 人事考課にしても目標管理においても、やるべき仕事(職務遂行基準)、仕事に必要な能力(職務遂行能力)や目標の設定の仕方にすべてがかかっているといえる。そして職場の管理者が最も苦労させられているのも、実はこの点にある。
 /融考課の評価基準書のねらい
 やるべき仕事の中で、肝心カナメの仕事とは、目標であり、目標をどこまでやるかということをハッキリと示しているのが評価基準書である。会社が期待し要求する人材像、すなわち評価基準書を作るねらいは2つある。その1つは、各人の資格等級ごとの仕事(課業)をハッキリさせるということである。業務分掌や職務権限規程を整備している企業は多いが、例えば営業の監督職がやらなければならない仕事は一体なにか、一般の社員に任せてよい仕事は何なのか、となるとあまりハッキリしていない。いつまでに、どの仕事を、どんなやり方で、どこまで達成するか、目標をハッキリさせるということが、評価基準書(職種別等級別職務一覧表)の1つのねらいである。
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 もう1つは、どの仕事をどこまでやるか目標がハッキリすれば、日常仕事をすすめる際の自己統制が可能になる。自分の仕事が上手く進んでいるかどうかは、ここまでやればよいとか、それ以下であれば業績が悪くなるということは、人事考課の評価基準書をみれば判断できる。そして、仕事が予定通りに進んでいないときは、自ら修正の行動をとることができる。上司から「こうやれ、ああやれ」と指示されるのではなく、自ら行動していくことが、一番ダイナミックに情勢の変化に対応していくことができる。この自由裁量のもとで、セルフコントロールをかけていくところに、仕事に対する喜びの源泉があり、仕事に対する責任感も生まれてくる。その意味で、セルフコントロールによる自己管理を容易にするというのも評価基準書(職務遂行基準書:業績考課基準書)の大きなねらいである。
 成果中心の考え方を徹底する
 さらに、業務改革を推進し成果中心の考え方を徹底するというねらいもある。業務改革へのアプローチの仕方は大別すると3つある。その1つは、目的が明確でない仕事は勇気をもって止める(削除)ことである。その2は、類似した仕事を他でやっている場合、つまり重複している仕事は、どちらか1ヶ所に集める(統合)。その3は、仕事にかかる費用が効果を上回っている場合は、仕事そのものを簡素化(縮小)する−の3つである。仕事そのものは、手段であって目的ではない。成果中心の考え方に立てば、職場業績への影響が小さな仕事はできるだけやらないことが、コストの削減に結びつく。どの仕事にどれだけの時間や労力を費やしているのか、職務配分実績表等を作成して業務の簡素化に結びつけていくことも、評価基準書のねらいである。
 O.J.Tを具体的に推進する
 最後は、O.J.Tを具体的に推進できるようになるということである。O.J.Tの目指すところは一人三役四役の多能化であり、さらには少数精鋭による活性化された職場づくりである。決められたことをやっていればよかった単能化の時代は過去のものとなった。今後は、顧客のニーズの変化を把握し、ニーズに合わせて仕事を改善し新たに創造していくことが求められている。また、顧客のニーズはめまぐるしく変化するから、知識・技術の移転スピードの早いO.J.Tが求められる。仕事のできる人とそうでない人とは、どこに違いがあるのか。つまり、仕事のポイントを評価基準書で具体的に示すことによって、部下にすばやく教え込むことが可能になる。(評価上の着眼点=O.J.Tの内容)

 運用の当事者である管理者の意識が変わらないこと
 人事考課も目標管理も、従来の<指示・命令−統制>による結果偏重の権威主義的マネジメントから、<参加・参画−納得・合意−実施・支援−評価・フィードバック>のマネジメントへの頭の切り替えや管理行動の変容を求めている。それが運用の当事者(管理者)に理解されないまま、形だけが一人歩きし、いっこうに成果もあがらず、むしろ管理者と部下双方の負担となっているケースもみられる。管理者の意識改革は、口でいうほどたやすくできるものではない。
 人事考課表や目標管理表を見直し、説明会でパンフレットを配布し説明する程度では、そう簡単に変わるものではないのだ。人事考課や目標管理を導入し、定着を図るには、それらが適正に運用維持される、例えば考課者訓練などを継続実施するなどして、管理者の意識改革を行っていかなければならない。
 MCOの考課者訓練では、評価上のテクニックもさることながら、管理者としての部下の扱い方、仕事の与え方、人の育て方などのマネジメントスキルの向上を徹底的に図っている。そこに考課者訓練が管理者研修のアドバンスコースといわれるゆえんがある。

 以上、人事考課や目標管理が定着せず、業績面で効果をあげていない要因について整理してみたが、要は基本を理解していないことにつきるのではないだろうか。成果主義の人事考課には、それにふさわしい取り組み方と進め方がある。その要諦をしっかり理解して、人事考課にのぞまないかぎり、成果主義人事の人事考課へ脱皮していくことはできない。
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