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■専門職制度に対するお問合せの紹介

       
2009年9月17日    平成15年のホームページの全面的なリニューアルにあわせ「問い合わせコーナー」を設置してから、様々な方々にご利用を頂いている。その中で最も利用頻度の高いのが、以外にも企業の人事担当者ではなく大学生である。
  先日も都内の私立大学生から「専門職制度に関する貴社の見解をお聞かせ願いたい」という問い合わせメールを頂いた。企業の人事担当者にも「問い合わせメール」を気軽にご利用いただくために、その一端を紹介したい。

 問い合わせメールの内容:「専門職制度に関する貴社の見解をお聞かせ願いたい」  

 回答メールの内容:

 <総 論>
1. わが国の企業人事に専門職制度が本格的に導入されるようになったのは、昭和50年代に入ってからです。その背景には高度経済成長が終焉を迎え、それまでの年功・職階人事が行き詰まり、ポスト不足が社員のモラール・ダウンを引き起こす―という企業側の問題意識がありました。(人事・処遇としての専門職制)
2. そして、その後も専門職制度は種々様々な変化が加えられて、今日まで展開をみせています。特に、専門職制度に関しては他の人事諸制度と比べて制度としての耐用年数は短く、頻繁に制度改訂と内容の見直しが実施されているようです。こうした事実からも日本の企業組織と専門職制度は、決して相性がよいとはいえません。
3. しかしいま、企業は国際化、ハイテク化、少子高齢化といった新しい時代環境の中で、何よりもまず人材の育成と活用が重要であるという認識が強まりつつあります。つまり、人事・処遇のための専門職制度から、人材の育成と活用を目的にした専門職制度の導入が、進められつつあります。
4. そういう状況の中で、専門職制度も人事・処遇の論理を主体とするのではなく、むしろ育成と活用の論理を前面に押し出した専門職制度へと、大きく変わろうとしています。
5. 育成と活用をねらいとした専門職制度であるならば、
‐些福塀莇)と昇進(役職)を分離し、
⊂鎖覆鯊人猷宗癖線型昇進制度=専門職制度を取り入れる)する
ことがまず必要です。
6. 昇格は処遇の問題であり、昇進は配置の問題であって、両者の性格は異なります。すなわち、昇格しても昇進するとは限りません。当該ポストにふさわしい能力や適性を持ち合わせていなければならないし、なによりポストの欠員がなければ昇進することはできません。この点の理解が十分になされていないことが、2であげられた組織と制度の<相性の悪さ>になっていると愚考します。
7. 昇格と昇進を分離し、処遇をまず安定させた上で、昇進(評価、育成、配置)を多様化していきます。そのことによって、人材の育成と活用を、意思と適性に応じたものに多様化していくことが可能になります。
8. 加えて、育成と活用を目的にした専門職制度であるならば、入社した時点から将来の自己の進路に向かって挑戦できるように、必要なキャリア形成(能力や仕事を高め、広げ、深め続けていく)プログラム(複線型人事制度)が明示されていなければなりません。
9. 企業は求める人材に応じて多様なキャリア形成プログラム(例えば、養成職コース、一般職・総合職の進路選択コース、管理職・専門職の活用コース等)を用意し、これに沿って各人に選択させ、自らの意思と適性と能力に沿った方向で自己充足を進めていく、と同時に企業は求める人材を的確に評価、育成そして活用を進めていくことが可能になります。
10. これからの経営に当たって、こうした意思と適性に応じたキャリアプログラムを多様に用意し、これに沿って育成、活用、評価を進めてといった新しい型の人事制度を構築していくことが、専門職制度を十分に機能させていくことに結びつきます。

 以上、専門職制度の目的やニーズによっても異なりますが、「ローマは1日にしてならず」の考えと同様に、人材の育成と活用も入社時から計画的、組織的に取り組まなければならないテーマと小事務所では考えています。
 それには、自社の経営ビジョンを明らかにし、ビジョンを実現するための事業戦略と戦略を実行していくための組織構造・職場環境を整備し、その上で生涯労働を充足できるトータル人事システムを設計していくことが何より重要と考えています。

<現状の専門職制度に見られる問題点>
 高度かつ将来にわたる新規の企画、研究、開発をジックリと時間をかけて担当するのが専門職です。新しい技術、商品、市場そして組織に関する開発力をいかに高めるかがこれからの経営の鍵となりますが、その極めて高い役割を担うのが専門職です。
 しかし、現状において専門職制度を導入あるいは導入を検討している先進企業においても様々なパターンの専門職が出現しています。つまり、わが国の専門職制度はいまだ模索の過程にあって、決して成熟した制度とはいい難い状況です。したがって、ここでは現状の専門職制度の問題点について要約してみることにします。

(現状の専門職制度の問題点)
専門職の定義が各社各様であって、人材要件や職能要件のいずれも明確にされていない。
専任職の対象となる要件や任用の基準とその手続き等、任用のルールが曖昧なために、管理職になれない者が専門職になるという社内評価がされ、制度自体が形骸化している。
専門職に期待する役割基準が確立しておらず、職務基準も明確でなく、予算の執行権、人事権、指示命令権についての権限も明らかにされず、役割遂行の範囲が限定される。
育成、活用、評価、処遇の専門職に対する人事が確立されておらず、あるいは未整備の状態にある。

<専門職制度の新たな潮流>
 専門職制度を大きく分けると2つあります。その1つは、処遇を目的にした専門職であり、これが上手く機能しないのはこれまでの企業の経験からも明らかです。
 もう1つは、専門性の開発と育成、あるいは専門能力の積極活用を重視した専門職です。今日、専門職制度に寄せられる関心の多くは、人材活用を目的とした専門職制度です。この2つの違いをしっかり把握したうえで制度の検討を行なわないと、前述した専門職制度が抱える問題点を解決していくことはできません。

1. 複線型・多様型の専門職制度
専門職といってもその内容は多種多様です。たとえば、現状の事業領域における重要課題の解決を主たるテーマとする専門職(既存事業専門職)、あるいは新技術の開発、新製品の開発、新市場の創造といった将来の事業の種を蒔き、これを育てることを主要のテーマとする専門職(戦略専門職)、といった具合に、これまでのように専門職を1つに括ることには無理があります。今後の専門職は企業の戦略と連動させて、多元型の専門職を構築することが必要になってきています。
2. 集団型の専門職制度
集団型の専門職制度を理解するには、プロジェクトチームを想像してみてください。1つの目標の達成に向けて、異なる専門分野を持つ専門職が集まり、一定の期間協力して業務を遂行します。また、部下はいないが優秀なアシスタントを必要とするという場合もあります。このように、実行部門としてのラインではありませんが、部下がいるかいないかだけで、専門職を位置づけることは適切とはいえません。
3. テーマ型の専門職制度
半年ごとに事業部門や各部門が抱えているテーマを洗い出し、洗い出されたテーマを評価し、解決の優先順位、期間、最終期待成果,予算等について役員会で決定します。テーマは半年ごとに見直しと評価が繰り返され、それと同時に専門職の任用が行なわれます。
  
  以上は、小事務所がこれまでお手伝いをさせていただいた企業の実例です。いずれのケースの場合にも共通しているのは、専門職制度だけを取り上げるのではなく、トータル人事システム(複線型人事制度=キャリア形成プログラム)の枠組みの中で(複線型昇進制度)設計されているということです。

PS: 成果主義人事に代表されるように最近の企業人事の動向には、視野狭窄の傾向がみられます。成果主義人事=賃金の格差拡大といった具合です。人事管理制度は、トータルシステムとして始めて機能するということが忘れさられているようです。
以上、思いつくままに書き込みしましたが、貴殿の問い合わせに対してご満足いただけるか不安ですが、参考になれば幸いです。お問合せありがとうございました。
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