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■不況下の今、なぜ人事考課か

       
2009年8月4日    わが国の人事考課は、その歴史的な背景からしても(戦後の昇給制度における昇給査定や賞与査定として企業に普及、定着したという経緯がある)、選別査定を主なねらいとしてきたが、ここにきて、人事考課を業務改革や人材の育成と活用に役立てようとする機運が一気に高まってきている。その理由としては、次のようなことがあげられる。
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企業は経営ビジョンや戦略を明確に打ち出し、各従業員に対して明確な期待人材像を示す必要が高まってきている。
減速経済の中、人的資源の有効活用を図るためにトータル人事システムの設計、見直しが必要となってきた。
急速な環境変化に対応した明確で確実なマネジメント活動(P−D−C−A)を行なうことが要請されている。

 今日の経営環境を考えてみると、企業人事は2つの主要な課題をかかえている。1つは、年功にかわる新しい処遇基準の確立(真の成果主義)であり、もう1つは、各人の適性や能力に応じたキメ細かい人材の育成・活用体制(個別主義)の整備強化である。低成長、国際化、高齢化といった新しい環境の中では、学歴、性別、勤続といった年功基準は崩壊せざるを得ないし、また画一的一律的な人材の育成や活用も意味がなくなってきているからである。
 そこで、不況下の今、なぜ企業において人事考課が重視されてきているのか、先の3つのマネジメント上の命題に関しての背景や理由を考えてみることにする。

 人事考課は経営ポリシーを表現したもの
 会社を取り巻く経営環境が大きく変化し、企業は経営理念(何のために存在するのか)や経営ビジョン(3年後あるいは5年後、どういう事業領域で、どんな業績や市場での地位を築くのか)を見直し、新たに打ち出している。そして、経営トップから新入社員に至るまで、それぞれの役割(=担当の仕事)に応じて、日常の職務遂行の中でそれを実践していくことが求められている。
 たとえば顧客第一の戦略(新しいコンセプトの商品と、その業務システムづくり)は、近年失われかけている会社と従業員の一体感を強くし、さらには顧客をはじめとして、その事業に関連する全ての関係者の理解と協力者づくりに役立てていこうというねらいがある。特に、会社の理念やビジョンが具体的な日常の仕事に反映されていくためには、制度として展開していくことが必要である。こうして考えると人事考課は、会社の理念やビジョンを展開していく上で、各役割(=職種別等級別)に応じて、何が重視され(評価項目)、どう行動して欲しいのか(着眼)、どこまでやってもらいたいのか(評価基準)を示す重要な役割を果たすことになる。
 したがって、企業が新たなビジョンのもとで、従来とは違った組織文化や風土を構築していくためには、当然に、人事考課制度の見直しを行わなければならない。これが今、人事考課が見直しされている理由の1つである。

 トータル人事システムがダイナミックな人事を可能にする
 減速経済、国際競争、少子高齢化の時代を迎え、企業はコアビジネスに経営資源を集中し、新製品の開発や新市場の創造に力を注いでいる。そこで各企業が最も力を入れているのが人材の育成と有効活用である。なぜなら企業が最も強みとする技術や知識・ノウハウ等は、基本的に組織にではなく、従業員個人に備わっているからである。
 今日の環境変化に対応して、これまでの処遇(昇格)と活用(配置)が一体となった年功的な人事管理に比べ、よりダイナミックで効率的な人事管理(業績主義)が要請されてきている。こうした企業の要請にこたえるものが「トータル人事システム」である。トータル人事システムとは、人事管理の4つの領域である/雄爐琉蘋(教育制度)、⊃雄爐粒萢僉憤枡亜η枌屐法↓人材の評価(人事考課制度)、じ正な処遇(賃金制度)の各制度が、それぞれに十分に機能し、また相互に補完しあって、人的経営資源としての人材が最大限に開花し、よりモラールが高まるように人事管理システムを設計することである。
 小事務所は、平成3年の設立から多くの企業の「トータル人事システム」の設計と導入のお手伝いをさせていただいてきたが、人事管理制度は、本来トータルシステムとして整備されて、はじめてその機能を発揮することができる。今日「トータル人事システム」構築を進めている多くの企業では、全社的な共通軸として「役割等級制度」を導入している。この役割等級制度の運用には、 般魍筺匹箸浪燭、どう評価するのか、等級昇格のための評価基準をどうするかが重要な課題になる。このような状況からも評価の結果について説明ができ、納得が得られる人事考課制度が重視されてきている。

 人事考課は職場マネジメント活動の重要な機能である
 人事考課が、職場のマネジメント活動(部下への仕事の割当と目標の設定→職務遂行場面における部下指導と支援→評価結果と育成に関するフィードバック)において、重要な役割を果たすことは、いわばあたりまえのことである。しかし今日、多くの企業で人事考課が重要視されてきている基本的な理由として、低成長時代だからこそ、このマネジメント・プロセスを確実に循環させることが必要になってきているということである。いいかえれば、plan(計画)―Do(実施)―Check(評価)―Act(改善)という職場のマネジメント・プロセスを的確に廻わしていけば、職場の業績を向上していくことができるということであろう。
 年功的なこれまでの人事管理では、2人のうちどちらがすぐれ、劣っているかとか、このグループの中で誰が一番よくやったか、やらなかったといったとらえかたをすればよかった。また、本人に人事考課の結果を教える必要はなく、したがって上司が一方的に行ない、その結果を本人にフィードバックする必要もない。上司の職場マネジメントと部下の人事考課とは切り離され、部下をもつ上司の管理能力や人事考課への姿勢が問われることもなかった。
 しかし、大不況を迎えて企業は、マネジメント・プロセスを確実に動かす必要が高まってきている。そして、これからの人事考課は職場マネジメント・プロセスの重要な機能を担うものとして、重視され、検討されてきている。特に、これまで十分に機能していなかった、与えた目標や仕事を部下にどのように達成させていくか(管理者の役割が従来の部下管理から部下への支援にかわってきている)、そのための人事考課制度が再検討されているのだ。
 また、管理者の評価能力の向上をねらいとした考課者訓練も、それだけでは十分とはいえない。今後は、管理者に期待される“管理の5大機能(計画化、組織化、指揮命令、統制、調整)”を、職場マネジメントを通じて実施できる有能な管理者の存在が必要となっている。この意味からも、人事考課の計画OJTへの活用や部下のヤル気を引き出すフィードバック面接への展開など、訓練をより充実させていく必要がある。

 部下の支援と人事考課
 管理者が部下を公正に評価することで、部下は進んで協力し、また自分の仕事を最後まで責任を持ってやり遂げようとする。しかし、人事考課は管理者が行う職場管理の万能薬ではない。
 管理者は、部下の人事考課を行なう前にもっと重要ななすべきことがある。部下に与える仕事に関しては、職場業績への貢献度(目標と仕事との関連)についてよく吟味してみることだ。また、仕事のどの部分をどのようにかえれば、より職場業績に寄与できるのか、明確な指示を与え、その結果を検討し、できないところや不十分な点は支援してやらなければならない。さらに、仕事に必要な能力については日常の仕事ぶりを十分に観察し指導して、上司の支援が不必要になるまでアドバイスしていく責任がある。
 そして、こうした責任を管理者が果たしてうえで人事考課を行ない、なによりも評価期間における部下の成長を認めていくことだ。そうすることで、上司と部下の間に信頼感が醸成され、職場が元気になり、会社の業績も向上する―といった好循環が生まれてくる。どのような業績であっても必ず原因があり、偶然は存在しない。着実ではあっても、日常の一歩一歩の前進が大切といえないだろうか。

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