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■人材登用の仕組み見直しが経営危機からの脱出策

       
2009年2月27日    世界同時不況が深刻さを増すなか、2008年10−12月のGDP(実質国内総生産)速報値が発表された。年率換算で前年比12.7%減は戦後2番目の下落率で、金融危機の震源地である米国(3.8%減)や欧州(6%)よりも日本経済が受けたダメージの方が大きい。しかし、少し見方を変えれば、世界的な金融バブルの恩恵を最も享受してきたのは、わが国であったことの証明でもある。
 不景気とは、好景気を経験できたものしか襲わない、ここは贅沢であると開き直ってみることだ。古くから「人間万事、塞翁が馬」「禍福は糾える縄の如し」というではないか。それに世界のどれほど多くの国が、2桁のマイナス成長を嘆く国をうらやみ、自分たちも一度にしろそうした経験をしてみたいと思っていることか。これまでも、高度成長後のオイルショック、プラザ合意後の急激な円高、バブル崩壊後の平成不況など、一時的には絶望しても少し時間が経てば乗り越えてきたではないか。いま大切なのは、個人も企業にしろ、そして国家にしても、この不測の事態にいかに対処し、それによって生じたマイナスを、どのようにしてプラスに変えていくか、その「気概」をもつことではないだろうか。

 不況克服の第2は、マイナスを嘆くより「わが国の強みを活かすこと」である。それで、「その強み」であるが、企業の場合は“戦後最高益を更新したビジネスモデル”であり、国家については“いざなぎ景気越えの経済力”である。この力をいかにうまく使い、それによってより一層の成長につなげるか、という一事につきる。具体的には、リストラである。ただし、首切りのリストラではなく、本来の「再構築」という意味のリストラクチャリングである。グローバルスタンダードの名の下に、首切りの意味でしかリストラを考えないというのは、思考停止にすぎない。
 バブル経済崩壊後、戦後の経済を再建させた「協調」を重視する日本型企業システムが破綻するのを、我われは見てきた。そして、各種の規制緩和を行い、企業は国際標準といわれる経営手法を選択したものの、それが未だ抜本的な問題解決に至っていないことを、今回の世界同時不況が示している。
 1つは、これまでも指摘されてきた日本企業の「低収益経営」という構造的問題であり、今回も輸出企業の大幅な赤字発生が大きな問題となっている。生産者保護をねらいとした護送船団方式の行政指導や系列取引、メインバンク制、株式持合い、あるいは終身雇用制といった日本的なリスク分担システムが崩壊の兆しをみせてはいるが、まだまだ企業数が多すぎて、低い利益率で厳しい競争を繰り広げている状況は変わっていない。積極的に国内の業界再編を進め、過当競争を抑制することが必要ではないか。規制緩和をしたからといって競争力が強化されるというのは幻想に過ぎない。真の競争力の強化は、企業に低収益経営を強いている“業界横並び意識を払拭する”ことだ。
 もう1つは、国際競争が進展するなか、輸出企業は「積極的に海外進出」することだ。現在の低収益経営のもとでは為替レートが円高に振れると、大幅な赤字が発生することになる。将来性のある有望な海外市場での生産活動を拡大することで、円高になった際には、日本へ逆輸入することで為替対応も可能になる。

 どのような事業でも同じであるが、事業を成功させるコツは、第1に夢と愛着をもつこと、第2に無理をせず余計なことはしないこと、弟3によき補佐役(人材)を見つけること、そして最後に一番大事なのは、運を引き寄せること、とは昔からいわれている。生産能力が国内需要に比べ多過ぎるばかりでなく、長い目で見ても合理的な生産能力でないというのは、結局は無理をしているのだ。また、日本経済のリード役であった大量生産の企業では、職務の専門化が行なわれ、責任・権限が明確にされ、標準的な業務手続にしたがって、命令的なリーダーシップ(部下には服従が強制される)によって業務が遂行される。こうした組織の特徴は、組織全体の目的よりもその達成の手段が重視されるので、自分の担当する仕事や部署だけに関心をもち、他部署のことは自分の範疇外だとして注意を払わなくなる。つまり、部分最適が重視され、会社全体については考えなくなるのである。こうした組織が有効に機能するのは、組織の環境が相対的に安定的で、したがって経営目標やその達成に必要な仕事を変更する必要がない場合である。

 戦後60年もすれば、いかに有効に機能したシステムでも寿命がくる。どんなシステムであってもプラス面とマイナス面の両方を併せ持っている。勢いに乗っているときにはマイナス面が押さえられているが、いったん危機に直面すると、それを留めることはできなくなる。
 成果主義を「賃金の格差を拡大すること」というのは殆んど思考停止の状態だが、成果主義がすべて良くて、年功主義がすべて悪いのではない。マイナス面を押さえこみながらプラス面をいかに発揮させるかの問題であって、どちらの方がプラスが大きいかが採用判断の基準になる。
 環境が流動的な現在にあって、古い皮袋に新しい酒を入れるたぐいの手段では解決できない。皮袋そのものを新しくする、いわば「イノベーション(革新)」に取り組まなければ、国も企業もいずれ衰退の道を歩むことになる。
 組織・人事コンサルタントの仕事をして痛感するのは、亡国や倒産の悲劇とは人材がいないことが悲劇ではなく、『人材を登用する仕組みや仕掛け』が機能しなくなることでの悲劇であるということだ。市井にも社内にも常に人材はいる。しかし、成長期には有効に機能した人材登用の仕組みも、低成長期に入ると機能しなくなってしまうのである。乱世の時代と平治とでは、人材登用の仕組みも仕掛けも違ってきることは誰でも理解できる。

 最後に、危機からの脱出策として“横並び意識の払拭”についてふれてみたが、脱出の方法ならば1つではない。
  第1は、 これまでの危機の歴史を勉強し、そこでの脱出方法を参考にする。
  弟2は、 頭の中を真っ白にし、普通の常識にしたがって、自社なりにもつ危機の要素を並べてみて、その要素ごとに対策を考えだす。
  第3は、 自社の危機や脱出方法などは一切考えず、危機脱出の成功体験をもつ企業の成功ドキュメントをじっくり見たり、読んだりする。(気分がよくなり、対策が湧く)
 第1の方法は、頭の良い従来型のエリートに向いており、第2の方法は、これまで組織ではアウトサイダーと見られた人に適し、第3の方法は、何とかなるさと開き直っている、大器晩成型に向いている。今の日本に必要なのは、第2と第3に属する人材の登用ではないのだろうか。その仕組みと仕掛けをどう設計するか、企業経営者はそれを試されている時代とも考えられる。
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