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■全員参加の経営(雇用保障)は、企業経営者の最大の責任

       
2008年12月19日    平成20年も僅かの日数を残すだけとなり、気分はすっかりクリスマス、年末・年始といいたいところだが、今年の“年の瀬”はそんなムードに浸ってはいられない。米国発の金融危機に端を発した世界的な景気後退によって、新卒採用者の内定取り消しや派遣社員の雇用打ち切りだけでなく、大手企業の正規社員にも雇用調整がおよびつつある。ここ数ヶ月の間に、世の中は一気に2000年前後のリストラ(人員整理)時代に逆戻りの観がある。
第1次・2次オイルショック、円高不況、バブル崩壊と不況ごとに企業の雇用調整は行われてきたが、今回の雇用調整がこれまでと異なる点は、非正規社員が増大する中での雇用調整ということである。つまり、1次・2次オイルショック、円高不況までの雇用調整では、「希望退職者の募集、解雇による雇用調整」は最高でも10%程度(実施事業所割合)であったのが、2002年の第1四半期には20%を超え(労働厚生省「労働経済動向調査」)、これが日本企業の「終身雇用崩壊」といわれる所以である。本来は「事業の再構築」を意味し、企業内の業務や債権債務を整理統合する“リストラクチャリング”は、労働規制の緩和によって、わが国ではもっぱら「人員整理」や「首切り」を指す言葉として定着している。

 経済のグローバル化による産業構造や生産・物流方法の変化と、それに対応した労働形態の多様化に応じて、労働分野でも規制緩和が労使双方から求められていたのは事実である。しかし、問題はその内容である。結果論的になるが、企業が必要なときだけ雇える「労働者派遣法」は、規制緩和のそもそもの目的であった「経済の活性化」に逆行することにならないか。法制化を進めた政府と、それをいっそう督励する提言や要望を矢継ぎ早に提起した財界は、この年の瀬の状況を想定していたであろうか。
 解雇規制の緩和にあたっては、まずどのような規制がどんな問題を生じているのか、労働現場の現状を十分に調査・分析し、それを公表していかなる理念のもとに、どの方向に法改正すべきか、もっともっと時間をかけて国民的議論をすべきではなかったか。「ワーキングプアー」に代表されるように生活が保障されないような労働条件は、「格差問題」以前の話である。
 1999年「労働者派遣法」が改正され、2004年には工場ラインにも派遣労働が解禁された。そして、それを境に大量の派遣労働者が生みだされ、「偽装請負」「サービス残業」「過労死」「みなし管理職」等が社会問題となり、企業のコンプライアンス(法令順守)が厳しく求められている現状をどう説明するのだろうか。

 雇用問題をめぐっては日本だけの問題ではない。2006年3月のフランスでも若者の雇用対策として政府が打ち出したCPU(26歳未満を対象とした初期雇用契約)が、学生や労働者の激しい反対運動を引き起こし、結局、1ヶ月後に国会で削除されている。フランスでは、26歳未満の若者の失業率は20%を上回るそうである。この抜本的な解決策として打ち出されたのがCPUであるが、労働契約後の2年間は解雇を自由にするというCPUが、なぜ雇用対策となるのかはよく解らない。わが国の労働者派遣法と同様に、労働規制を緩和すれば雇用機会が拡大すると考えたようであるが、もしそうだとしたら労働現場の現状を無視した「改悪法」といわれても仕方が無い。わが国でも、2007年の非正規社員は常用雇用者(自営や役員を除く労働者数)のうち3人に1人を占めるまでになった(総務省「労働力調査」)。2000年から07年の7年間で正社員は約190万人減り、かわって非正規社員が約490万人増えている。02年からの戦後最長となる景気拡大と5年連続の企業の増益は、人件費の安い非正社員を増やしてきたことだとすれば、非正社員が半数を超える日もそう遠くないのではないか。労働派遣法によって、人件費は固定費から原料・資材と同様の変動費へと変わってしまったのだ。グローバル化の激化、資源価格の高騰、少子高齢化に伴う社会保障費の負担のという今後の企業にのしかかるコスト圧力要因を考えると、正社員と非正規社員の比率は近い将来に逆転するかもしれない。

 国際の壁が低くなった現在、批判をしているだけでは雇用問題はなにも解決しない。世界各国は、かつてなかった経済競争にさらされ、雇用対策はもはや個人レベルの問題ではない。どうすれば国民が望む質の良い雇用を提供できるかは、各国の政府に課せられた共通の課題なのである。
 日本の経営者に多くのファンを持っているP.F.ドラッカー氏は、21世紀に確実に起こりつつあることとして、「先進国における少子化」「支配配分の変化」「コーポレートガバナンスの変容」「グローバル競争の激化」「政治の論理との乖離」の5つをあげている(ダイヤモンド社「明日を支配するもの」上田惇生訳)。このうち、最もインパクトの高いものとして「先進国の少子化」を選んでいる。わが国での「少子化」のとらえ方は、「消費の低迷」と「年金生活者の増大」の2つの視点が強調されているが、ドラッカー氏によれば、「少子化=子供一人当たりの教育費の増加」「高齢化=知的労働者のパート労働市場化」という経済的な視点が大切だとしている。また、事業活動の新たな課題に関して「20世紀の企業における最も価値ある資産は生産設備だったが、21世紀の組織における最も価値ある資産は、知識労働であり、彼らの生産性である」と述べている。つまり、先進国においては効率的に物を造ったり、運んだりすることから、知識労働の生産性の向上=顧客が認め、購買してくれる新しい価値を創造できなければ、企業は存続し成長していくことはできないということである。特に、知識労働においては効率的に仕事ができるようになることは二義的な課題であり、事業が成功するためには、知識労働者が顧客に対して価値を提供できるよう方向づけることが、事業での「差別化と事業の存続・成長の源泉」になると指摘している。決して、現状のような雇用を不安定にしたり、人件費の削減を奨励しているのではない。逆に「ヘンリーフォードを含めあらゆる者が、賃金を上げれば利益は減ると考えていた。ところが実際は、賃上げを行なった初年度から利益は倍増した」とその著書の中(p176)で著しているのである。まさに、いつの時代でも企業が生き延びるための最大のポイントは、「人間集団を運営する技術」、つまり、社員の首を切ることでなく、全員参加の経営でなければならないということだ。これこそが企業経営者の最大の責任であり、企業は永遠の存在となれるのである。

 わが国では、前述したリストラクチャリングと同様に、成果主義もまた、本来の考え方やねらいとかけ離れた、企業にとって都合の良い解釈と運用がされている。年功主義、能力主義、そして成果主義にしても、人事管理の基本的な考え方(ポリシー)を示しているだけにすぎない。まず、どのような問題が生じているのか、その問題はどの制度に関連しているのか調査、分析を行ない、いかなる理念のもとに、どの方向に制度を改訂すべきか、十分な議論をおこなえば、成果主義に対する厳しい批判は起こらなかったはずである。
 今月から弊社のホームページのトップに「成果主義を実現する複線型人事設計の基礎講座」と「成果主義人事と考課者訓練」の2つを新たに追加した。チェンジ・リーダーとして新たな経営環境でリーダーカンパニーを目指している企業、自社の強みを知りその強みをさらに伸ばして、顧客に喜ばれ、認められる経営へと革新していくことを意図している企業は、是非とも参考にしていただきたい。アメリカや新興国をマーケットとした輸出産業に牽引された20世紀型の成長ストーリーは限界にきている。会社の寿命を越す雇用寿命の時代を迎えた今日、国も企業も新たな21世紀型の成長ストーリーを描く、年の瀬にしたいものである。

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