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■現代サラリーマン、意識も変わったが待遇も・・・

       
2007年9月14日  

 不振企業を狙い打ちする外資攻勢、いわゆる“ハゲタカ”がドラマでも脚光を浴びたが、すさまじい経営改革を迫られるようだ。企業の有り様自体が一昔前とは大きく変貌を遂げている中、その組織内を「職場砂漠」と表現したジャーナリストがいる。かつて『日本経営は「人を大事にする経営」が特徴とされ』ていたが、今やそれははるか昔のこと。職場は『人間味の薄いドライな土壌に変質して』いる様をそう呼んだ。
 「職場砂漠」への加速に貢献したのは、やはり“成果主義”であろう。05年の労務行政研究所が一部上場企業の人事・労務担当取締役を対象にした調査結果を引用したい。9割近くが自社の成果主義制度に「問題あり」と答え、「問題なし」は1割の半分しか届かなかった。具体的な問題点として圧倒的に高い割合を占めたのが「評価/目標管理制度関連」であり、続いて「社員のモチベーション関連」「人材育成/人事異動関連」となる。さらに、職場への影響を見ると、役員でさえ「仕事に対するゆとりが弱まった」としている。『成果を求める余り、社員たちを長時間労働に追い込み、ノルマ達成のために精神的に追い込んだりするケースがあることを、当の役員が認識している』。(注:『』内は「職場砂漠―岸宣仁著―」より)
 “成果主義”への感覚をいま少し、氏の「職場砂漠」より引用する。
 次にあげる、人事コンサルタントの成果主義に対する考え方には、同業者としても違和感以上のものをもつ。
 『…「これはプロスポーツの世界と同じなんだ。成功すれば、それに見合って報酬がどんどん増えていく。しかし仮に事態がうまくいかなければ、会社を去っていかなければならない。厳しい実力の世界、それが成果主義だ」ある企業に成果主義の研修に行ったとき、同僚の一人は企業の幹部に次のような説明をしていた。「どんな仕事でも、あらゆる仕事で成果は必ず測定することができます。例えば、広報の仕事でもそれは可能です。彼らが素晴らしいパンフレットをつくれば、それだけ欲しがる人が増えますから。見る人が多いほどその広報マンの成果と認められますので、パンフの部数で成果を測ることができるのです」・・・「一般企業の社員とプロスポーツの選手とを、ここまで同一視するコンサルタントを私は知りません。失敗したら会社を去るなどというのは、人間の生活の安定ということを何も考えていない発言です。その程度の認識で成果主義を捉えているのです。広報マンの成果の測定方法も笑ってしまいます。仕事の成果などは本来、測れない職種のほうが多いはずなのに、すべてを測れるようにいって、それが単にパンフの部数というのですから、底が浅いとしかいいようがありません」』
 成果主義をこのようにとらえている企業人が多いとしたら、まして人事をコンサルティングする人達がこのような考え方だとしたら(同業者としては少数派と思いたいが)、『ほぼ日本中に広まった成果主義が数年前から転機を迎えているのも、むべなるかなである』。
 本来の成果主義を今改めて理解し、実践の徒を踏んで欲しいと願う。

 このような“成果主義”が跋扈する中、サラリーマンの心の内を垣間見たい。
 米国の世論調査会社が14カ国で行った「会社員の忠誠心」。“忠誠心”か、これなら欧米には負けまいと思いきや、「会社への忠誠心(帰属意識・仕事への熱意)」で「非常にある」は14番目の最低、9%だった。「全くない」は24%、「あまりない」が67%で、91%のサラリーマンは会社への忠誠心が低いことが明らかになった。ちなみに、最高は米国で「非常にある」が29%,「全くない」は17%、「あまりない」が54%だということだ。
 もう一つ、英国の調査会社のリサーチ。結果、日本のサラリーマンは「最もヤル気のないビジネスマン」に選ばれた。だが悲観することなかれ、「愚痴」は他国に比べあまり多くないそうだ。
あまり働きたくないけれど(就労意欲無し)、まあいいか(愚痴は少ない)が、日本のサラリーマンの心の内となるのか。
 ユーキャンが団塊世代のサラリーマンを対象に行った世代感覚のアンケート結果を見ると、サラリーマンとして働いてきて得たものは、「知識・教養」「忍耐力」「専門的スキル」「協調性」だという。<働く>という言葉から思い浮かぶ、漢字一文字は「忍」「生」「苦」「耐」。何ともつらい文字ばかり。
 サラリーマンとは、の質問にこんな答えが返ってきた。“与えられた仕事を仕事の時間内に行う”“誰かに命じられた仕事を能力の範囲内で仕方なくやる”、そしてこれに対する言葉としては、“プロ意識”。はて、サラリーマンは組織におけるプロ集団ではなかったのか。
 昔、サラリーマンは,確かに労働時間が長く,休日が少なく、多少の不満を持っていたが、リストラの心配もなく将来が予測できていた。高度成長の波の中で、仕事に満足し自信を持って取り組んでいた。しかし、現在のサラリーマンは,深刻な不況を体験した結果、社会や会社に強い不安を感じ、非正社員の増加に伴って雇用がいかに不安定であるかを痛感している。会社への忠誠心の低下はそんなところから来ているのかも知れない。

 「ゆとりが失われつつある企業」の一つの例を研修に見ることができる。研修は何のために実施するのか。人材育成の方法の一方の横綱は研修であろうが、この研修内容、ハウツウモノが幅を利かせ、覚えなければならないモノを山ほど詰め込みたがり、考えさせる時間は削られる。知識ばかりを要求し、考えることを要求しなくなっている。確かに、“考える”教育方法は時間がかかる。知識として教え込んだ方が手っ取り早い。合理的といえば合理的ではあるが、与えられた知識や手順だけで仕事がやり遂げられるかは疑問である。それを強化すれば見渡す限り型にはまった人間が、型通りの仕事を行う職場となる。社員の優劣は記憶力のそれに準じていく。
 「企業は人なり」と言われているが、その「人」は「考える人・考えられる人」でありたい。

 最後に、本日付の朝日新聞「カイシャ再考」から。
 「数字を追うな、良い仕事を追え」という方針を出している企業の話。
 大手商社の評価制度は06年に大きく変えた。毎年の業績評価で、前年度の売上や利益といった数字に表れる定量評価の比重を全体の2割に抑えたという。90年代はこれが100%だった。「部門ごとに数字の背比べはしない」(社長)の方針のもと、代わりに重視するのは定性評価。先行きを見通して企業立案をしたか、人材を育成したか、顧客や社会に貢献したか、という数字に表せない努力や能力、使命感といった定性的な評価に重きを置く制度にした。
 この企業の初代社長は、「眼前の利に迷い、永遠の利を忘れるごときことなく、遠大な希望を抱かれることを望む」と社員に呼びかけたという。創業時の志が薄れてきた結果は、利益至上主義に走り、相次ぐ不祥事を生んだ。「社員が納得する仕事ができる環境を提供し続ける努力をする。良い仕事が利益にもつながる確信を社員全員にもって欲しい」が故の評価制度の見直しであったのであろう。

 では、企業はどんな人事制度を、評価制度を構築すれば、社員にヤル気の高揚がはかれるのか。その課題については、本年12月に政経研究所「労働実務」で提案したいと考えている。

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