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■ポスト団塊の課題は“優秀な人材の確保”、が、育成に活かされていない人事考課

       
2007年5月11日  

 いわゆる2007年問題、団塊世代リタイア後の人事制度に企業はどのような対策を打ち出していこうとしているのか。(財)社会経済生産性本部が行った「日本的人事制度の変容に関する調査」からみる。
 団塊世代の退職が始まり、各方面でこの世代対象の動きが活発になってきている。資産運用など膨大な退職金の囲い込みを狙う金融機関。老後は地方に住みたいという地方志向の人に対しての地方自治体からの田舎暮らしへの勧誘。ありあまる時間を旅行や生涯教育に向けてもらおうと、旅行会社は夫婦でのんびりできる新たなツアーを組んだり、大学が就農コースを設けたりしている。挙げれば切りがないほどにありとあらゆる業界が動き出しており、時間と金を持っている魅力ある団塊世代はモテモテである。数年に及ぶ団塊世代の現職からのリタイアは、社会生活や経済に大きな影響を及ぼすことは確かだ。
 
 それでは、その団塊世代を送り出す企業はどう変わろうとしているのか。ポスト団塊世代の人材マネジメントを先の調査結果から引用する。
 リタイア後3〜5年間で行うべき人材マネジメントの優先課題を一位から列挙すると、「優秀な人材の確保・定着」「評価制度の納得性・透明性向上」「次世代リーダーの早期選抜・育成」「従業員のキャリア開発支援」「組織や風土改革」である。2年前に行った同じ調査では「優秀な人材の確保・定着」は7位であり、上位には「評価制度の納得性・透明性向上」「次世代リーダーの早期選抜・育成」「目標設定や人事考課についての管理者研修」「成果反映型処遇制度の導入・強化」といった成果主義が色濃くあらわれている。それに比べると、今回は「優秀な人材の確保・定着」が1位になったように社員の育成・活用に関心が高まってきているようである。   

 上記人材マネジメントの優先課題において1位2位を占めた「優秀な人材の確保・定着」「評価制度の納得性・透明性向上」。この課題解決は人事考課制度にある。育成につながる人事考課、職場で活用できる人事考課、HPで解説している人事考課制度はまさに、「優秀な人材の確保・定着」「評価制度の納得性・透明性向上」につながるものである。
 別の調査項目にある「評価者の評価バラつきや評価と育成の連動…」では、以下のような結論づけが載っている。“成果主義的処遇(賃金・賞与)を取り入れている企業は84.1%を占めるが、その過半数は管理者による評価のバラつきがあることや評価と育成の連動が十分にされていないこと、評価への苦情や意見が申し出にくい状況にあると認識している”。
 つまり、適正な評価が行われていない、評価結果から育成へのフォローアップができていないことをあらわしている。人事考課を評価だけで終わらせては、社員の納得や信頼は得られない。また、処遇(賃金・賞与)のための評価、人事考課であってはならない。評価結果を職場マネジメントや部下育成に活用して初めて、人事考課制度といえる。そのような人事考課づくりがポスト団塊の人材マネジメントには最も必要ではないだろうか。優秀な人材を如何に育成するか、勿論日々の仕事からである。何事も一足飛びにはできない、日常の仕事の中から能力開発の芽を掴み、伸ばし、実を結ばせる。その積み重ねが優秀な人材へとつながるのである。
 
 欧米を中心に女性の社会進出に伴い、雇用機会の均等・平等の取り組みから、さらには仕事と育児の両立政策へと制度の新設や拡充がみられてきているが、最近はワークライフバランスという言葉での展開が顕著だ。日本でも徐々にではあるが浸透しつつあり、仕事と仕事以外の生活を両立させるという「ワークライフバランス」が意識されてきている。
 団塊の世代やそれ以前の世代は、本人はもとより家族も仕事中心で回っていたが、団塊の世代がいなくなるこれからは、次世代が作り上げる新しい社会構造として“仕事と生活の両立”となるのだろう。
 ワークライフバランスは、イギリスで使われている言葉で、もともとは1980年代の終り頃からアメリカで使われ出したファミリーフレンドリーから出ているようだ。イギリス人がアメリカ英語を使いたくなかったのかは知らないが、概念的にも多少の差はあるという。ファミリーフレンドリーはファミリーにこだわるが、ワークライフバランスというとファミリーにかぎらず独身者も含み、ボランティア活動、自己啓発などの個人で行う領域まで広がる。
 イギリスにワークライフバランスが定着するのに貢献した制度改正の一例を記すると、“6歳未満の子供を持つ親がパート勤務、在宅勤務、期間勤務などの勤務変更を要求すると、使用者は正当な理由がない限り拒否できないという、柔軟な働き方を要求できる権利の新設”がある。これによっていろいろなタイプの働き方が定着したという。
 日本の場合はどうか。
 「育児・介護による短時間勤務や時差勤務制度」「子の看護休暇」「勤務軽減措置(時間外・休日勤務の免除、転勤配慮など)」などの労働時間についての配慮は進んでいるようだが、「在宅勤務」「事業所内託児施設の設置」などの勤務場所に対する配慮や支援体制に遅れがみえる。
 ワークライフバランスの導入状況を含めた調査機関のまとめは以下の通りである。
 “ワークライフバランス施策の導入(実施)状況をみると、従業員規模間格差が大きく、大企業ほど制度整備が進んでいる。とくに、継続雇用への支援・配慮(職場復帰にむけての情報提供・面談などコミュニケーション)や女性社員の活用・登用(転勤などの要件を満たさなくても女性社員を管理職に登用するなど)に力を入れている”
 “女性が働きやすい職場は、男性にとっても働きやすい職場である”はずだ。仕事と生活をバランスよくという、ワークライフバランスは女性にとっては非常に歓迎すべき動きである。それにこれから訪れるであろう大きなハードル、介護の問題は少子化によって起こりえる長男・長女夫婦にとって、介護費用のためには仕事が介護にあたるには生活時間が必要かつ重要である。日本の企業にどれほどの速度で浸透していくかは社員にとっても真剣に見守る価値がある。

 ポスト団塊の今後の課題として1位になった「優秀な人材…」云々は、男性社員ばかりではないことは言うまでもないが、動機づけられた社員が能力を開発し、発揮しやすい職場づくりにはワークライフバランスも一役を担うのではないか。仕事人間というだけの印象しかない団塊世代の退場によって確かに企業の色合いは変わるであろう。何色に変わるかは、それぞれの企業の政策如何にかかるが。

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