社員分類制度設計/人事考課制度設計/賃金制度設計/その他人事諸制度設計/研修・講演講師
成果主義を実現する人事考課
成果主義を実現する人事考課 成果主義を実現する人事考課/お問合せ
  MCO マネジメント・コンサルタント・オフィス  
TOPコンサルティング各種研修考課者研修企画見積書公開活動コラムリンク集サイトマップ
MCOサイト内を検索

■多様な働き方−ホワイトカラー・エグゼンプション、早期実現か、時期尚早か

       
2007年1月9日  

 団塊世代の退陣という2007年問題が取りざたされ始めて数年が経ち、とうとうその年を迎え、冷たい空気の中にも日差しに温もりが感じられた静かな1月4日。今年それぞれの60歳の日に退職される方々も、初出勤に臨まれたことだろう。60歳を迎える知人よりの賀状二葉。
 『頌春 本年も何卒よろしくお願い申し上げます。私議、五回り目の年男が巡り来て春の七草の七日、六十歳の定年を迎えます。退職後は自由な時間を持ちたく、週三日勤務で○○の仕事を手伝うことになりました。仕事人生三十八年、○○一筋に頑固一徹を通せたのも、皆様方の寛大なお心と温かなご支援によるものです。いくら感謝しても感謝し尽くせません。静かな午後、穏やかな日差しの下、道草をしに出掛けます。夕焼けの茜空に出合えればと願っております。私たちを道端で見かけたら笑ってやってください。』
『あけましておめでとうございます 当方、家族3人大過なく1年をおくることができました。今年はいわゆる「07年問題」に私○○が該当し、この夏には転機を迎えることになります。環境は大きく変わりますが、その後の展望もなんとか開けそうです。私○○の仕事と妻○○の仕事は、より良質のものをめざして、今後もこつこつと続けていきたいと考えています。今年もよろしくお願いいたします。』
 
  “働く”周辺に大きな波紋が起きそうな07年。最も注目を浴びているのが、自由度の高い働き方にふさわしい制度、もう少し分かり易くいえば、一定年収以上の社員を労働時間規制から外し残業代をなくすという、いわゆるホワイトカラー・エグゼンプション創設への論議。そして議論の段階ではなく、確実に施行されるのが昨年6月に成立し、4月1日に施行される“改正男女雇用機会均等法”。この施行により点検や検討を迫られる企業は少なくないので、改正内容の熟知は必要だ。
 
 ホワイトカラー・エグゼンプションが盛り込まれ審議されているのが、労働政策審議会が行っている「今後の労働契約法制及び労働時間法制の在り方について」。この法制が成立すると、企業にとっても、働く側にとっても、雇用の様相が一変する可能性があるので、新年早々ではあるが、今後の成り行きには注目せざるを得ない。
 一つは労働契約法。
 「労働契約の対等合意原則や安全配置義務などの労働契約の原則」「労働契約の成立と変更」「出向、転籍、懲戒のルール」「解雇の移行」「有期労働契約についてのルール」などへの法制化である。
 もう一つは労働時間法制の改正。
昨年から大きな話題となっている、いわゆる「日本版ホワイトカラー・エグゼンプション」の創設をはじめとして、「一定時間を超えた時間外労働に対する割増賃金率の引き上げ」「企画業務型裁量労働制の緩和」「管理監督者の明確化」など、労働時間の規制緩和が中心である。
労使の意見が真っ向からぶつかるのは当然として、政府・与党の意見も統一されてはいないようだ。
 2日付の新聞紙上には、「残業代がなくなるのではないか、いまの状況で一気にそんな制度をつくったら大変だという声がちまたにあふれている。慎重を期さないといけない。重大な問題だから与党で協議するというシステムをつくらないといけない」と公明党の代表が、ホワイトカラー・エグゼンプション(適用除外)導入問題について、与党協議会を設置し慎重に検討するよう提案したとある。
 一方、厚生労働相は5日の閣議後の記者会見で、「ホワイトカラー・エグゼンプション」の導入に与党内から慎重論が出ていることについて、「次期通常国会に法案を提出する方針を変えるつもりはない」と改めて強調し、「与党内で十分な理解がいただけていない」と認めつつ、「企画・立案を担当するホワイトカラーの生産性を上げるためにも、労働時間ではなく、どんないいアイデアを出し、制度化したかで成果をはかるべきだ」と述べている。
 
 86年に男女雇用機会均等法が施行されてから、金融機関などを中心に多くの企業で導入されたコース別雇用管理(典型的なものとしては、基幹的業務又は企画立案、対外折衝等総合的な判断を要する業務に従事し転居を伴う転勤があるコース(いわゆる「総合職」)、主に定型的業務 に従事し転居を伴う転勤はないコース(いわゆる「一般職」)等 のコースを設定して雇用管理を行う)であったが、検討の時期に入ったといえるのが、改正の柱の一つとなっている「間接差別」の禁止事項である。
 「性別による差別禁止の範囲の拡大」項目には、|棒に対する差別の禁止(女性に対する差別の禁止が男女双方に対する差別の禁止に拡大され、男性も均等法に基づく調停など個別紛争の解決援助が利用できる)、禁止される差別が追加、明確化(募集・採用、配置・教育訓練、福利厚生、定年・解雇に加えて降格、職種変更、パートへの変更などの雇用形態の変更、退職勧奨、雇止めについても、性別を理由とした差別の禁止。配置については、同じ役職や部門への配置であっても権限や業務配分に差がある場合異なった配置となり、性別を理由とした差別の禁止)、4崟楮絞未龍愡漾奮宛上は性中立的な要件でも、省令で定める一定の要件については業務遂行以上の必要などの合理性がない場合には間接差別となる。以下の内容が想定されている。●募集・採用にあたり一定の身長、体重又は体力を要件とすること ●コース別雇用管理制度における総合職の募集・採用にあたり、全国転勤を要件とすること ●昇進にあたり転勤経験を要件とすること)が明記されている。
 項目にある、“見えにくい差別”といわれている間接差別に言及しているところが大きな特徴であり、最近の調査によってもコース別雇用管理を導入している企業の80%以上が「転居を伴う転勤の有無」をコース区分の要件にしていることは、企業の人事管理への影響は大きいと思われる。施行を前にして現制度の点検・検討は必須の状況下にある。
 男女区分のための総合職・一般職というコース別雇用管理から、発想を拡げた複線型人事制度に改正し、全社員の人材開発を前面に押し出した企業がある。各人の意思と能力と適性による育成と活用の進路区分を人事管理の柱とし、職群編成を行った。一般職層を対象にした「本人の意思による育成コース(総合職・一般職等)」、管理者層を対象にした「能力・適性による人材活用コース(管理職・専門職等)」、役職定年から65歳までの継続雇用者を対象とする「継続雇用コース(業務職・専任職等)」で編成し、評価から教育、処遇までを職群別に設計し、まさに成果主義を実現させようという経営戦略であった。
 組織を男女の区分から始めるのではなく、“人材”という本来あるべき企業理念が優先するような組織づくりを行うことにより、間接差別の壁も越えられ、人材開発・活用は有効に拓かれ、また社員の動機づけにつながるのではないか。

 正社員の平均年収は532万円、派遣社員のそれは227万円、フリーターでは167万円と04年のリクルートワークス研究所の調査結果が出ている。厚生労働省の派遣労働が対前年4割増加という調査結果を見ても、これら年収格差は益々広がるだろう。また正社員のサービス残業も減少傾向は見えず。連合総研の調べでは、男性社員の28%、とくに30代の男性では三分の一が毎日12時間働き、残業代が全額支払われているのはそのうちの半分という。正社員も楽ではないが、その正社員になる塀は非常に高く聳え立っている。働き方の多様性とは?がまさに問われている。

 年の初めからあまり楽しい話題ではなかったが、労働時間にとらわれない働き方を実現させる一方で、企業も“成果”を明確に社員に示し評価、処遇する人事制度の構築も速やかなる課題と考える。

ページトップへ
MCO 有限会社マネジメント・コンサルタント・オフィス
〒232-0036 横浜市南区山谷72-1-710 Tel:045-334-7680(代表) Fax:045-334-7681