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■ 増え続ける個別紛争…新たに構築すべき企業内コミュニケーション

       
2006年6月2日  

 日本経済団体連合会は、先月発表した「新たな時代の企業内コミュニケーションの構築に向けて」において、“競争力の源泉としての企業内コミュニケーション”の重要性を説いている。そこでは、最後にこう締めくくられている。
 “わが国企業の多くは、「人間尊重」「長期的視野に立った経営」という日本的経営の基本理念を堅持しつつ、環境変化に柔軟に対応し、経営のスタイルを常に変化させてきた。それを可能にしてきた根幹は、安定した労使関係であった。・・・日本の経営者が重視してきた、雇用の維持・拡大、労使協議の重要性、成果の公正配分という考え方は、1955年に「生産性三原則」という形でまとめられ、発表された。・・・労使関係は集団的・個別ともに大事なもので、どちらか一方が優位というものではない。重要なことは職場の良好な人間関係であり、それを基盤に企業全体の労使関係が改善されていく。そのために必要なものは、企業内における経営者と従業員の間のよきコミュニケーションである。その基本となるべきものが、個々の従業員を大切にするという「人間尊重」の思想である。・・・企業経営は企業内のコミュニケーションを日々積み重ねていくプロセスである。労使間の対話の積み重ねが信頼関係を築き、それが企業の競争力の基盤となる。”(ここでの労使とは、労働組合と経営者という狭い範囲ではなく、部下と上司、社員と経営者という広い意味で用いている)

 コミュニケーションは、仕事を円滑に進めるための“潤滑油”であり、よいチームワークを形成するための“接着剤”となるものである。仮に、組織の中で適切なコミュニケーションが上下、左右で円滑に行われないと、業務効率は低下し、メンバーの結びつきはバラバラになる。コトバに託して自己の気持ち、意図、心を伝えるのがコミュニケーションであるが、コトバだけでは全てを言い尽くせない。言ってみれば、コトバは氷山の一角に過ぎず、水面下にはその何倍もの話し手のココロが潜んでいる。“ココロで聴き、コトバとコトバだけのやりとりコミュニケーションになるな”は、心構えの1つとして胸に留めておきたい。

 企業内コミュニケーションの双方向の手段としては、労使協議制度、職場懇談会、相談・苦情処理窓口、管理職等との個人面談などが採用されているが、職場での上司と部下による個人面談は日常的であるが故に、その良否は動機づけや業績に大きく影響する。日本経団連も、“労使関係の基本は、各職場における上司と部下の関係である。個人レベルでの従業員満足が高まることで、職場の労使関係が円滑になり、それがひいては企業全体の労使関係の安定をもたらすことになる”としている。
 個人面談で行われている内容は「部門目標・業績課題」「人事考課」「能力開発」などについて、年2回の実施が多いとアンケート結果で出ているが、面談のキーワードは「上司の対話力、すなわちコミュニケーション能力」にあるといっていい。しかし日本経団連も提言している“新たな時代の企業内コミュニケーション”能力を、部下と和やかに会話ができる、報告・連絡が滞りなくできるなどを思い浮かべられては困る。成果主義がいわれ、成果重視の経営が当たり前になっている現代の企業が求めているコミュニケーション能力とは、“職場の運営に対して、職場の利害関係を適切に把握し、迅速に解決する能力”“組織と個人の目的の調和を図る能力”の発揮をサポートするものでなければならない。そのために職場のメンバーの調整を図り、課題解決の支援ができるリーダーシップとも深く結びついたコミュニケーション能力を向上させようという、管理者研修も広く行われ始めている。

 管理職のコミュニケーション能力、効果ある部下との面談を行える管理職を育成するにはどうしたらよいか。管理職各自に任せている企業は多い。管理職ともなれば、それができて当たり前と言うことだ。しかし、コミュニケーション能力向上のための面接の基本的知識や技法を学ぶ研修の実施も考慮されるべきであろう。当MCOの管理者向け研修でいえば、考課者訓練のフィードバックコース(面接訓練)がそれにあたる。各企業の人事考課制度に則った評価結果から育成計画を作成し、それをもとに部下の能力育成に向けた面接を展開する。研修の中で実際の面接を体験することで、研修で得た知識・技法を職場で実践できるようにしようという目的である。職場目標の設定、評価に至る過程と結果、次期にむけた能力育成など上司と部下が話し合いながら、理解を深め信頼関係を築く、ために行う。求められるコミュニケーション能力は、同一の職場がないように、管理者と部下一人ひとりに個性があるように、個別に磨き上げなければならないものである。そのサポートをするのが企業の理解と支援、そして研修である。

 個別紛争が増加の一途。
 平成17年度は17万件を超え、前年度より1万5千件も多いという。個別労働紛争解決制度は、平成13年10月に施行され、5年目を迎えた。企業組織の再編や人事労務管理の個別化等の雇用形態の変化等を反映し、全国に約3000箇所の相談コーナーが設けられているが、制度発足以降その件数は増加し続けている。
 個別労働紛争の相談内容は統計資料では、“解雇”“労働条件の引き下げ”“退職勧奨”“出向・配置転換”“セク・ハラ”“女性労働問題”“いじめ・いやがらせ”などとしてあげられているが、この大ぐくりな項目では見えない、個人が相談に至った事情は極めて個別的であろう。企業と社員との関係、職場風土の問題、上司と部下との立場、等々行動に至らしめた原因の根は深いと感じる。
 職場内によりよいコミュニケーションが行き交い、信頼関係が築かれているかは、企業内個別紛争の発生と密接に関わっているのではないか。これだけの数の個別紛争相談が寄せられる背景を、企業は真摯に受け止めて欲しいものである。

 新たな課題、増加一方の非正社員とのコミュニケーション。 
 個人の価値観や職業意識の多様化、またなりたくてもなれない狭き門「正社員への道」などがあいまって、契約社員や人材派遣社員は身近な存在となっているが、必要なときに必要なだけという便利な雇われ方をされているという事実もゆがめない。
 しかし・・・
 「非正社員が増えて企業の業績は上がった(5/31付朝日新聞)」といわれ、非正社員あってこその好況といえなくもない。いまや非正社員が企業に占める割合は年々増加し、95年に正社員と非正社員との占める割合は8:2であったが、06年には正社員は7割を欠け、非正社員は3割を大きく超えている。社員数で言えば、95年から06年までの間に、正社員が439万人減り、非正社員は662万人増加したという。
 非正社員の増加が職場にどんな課題を生じさせたか。“職場の一体感・協力意識の低下”“労働モラルの低下”“多様なニーズや不平・不満の複雑化”“定型業務に従事する非正社員のモチベーション管理”などを職場の管理者はあげている。かたや非正社員側は自己の“能力伸長のための教育訓練の機会”を求めている。戦力化の一員として非正社員を位置づけるのであれば、彼らを動機づけ、能力開発への道も開こう。正社員だけに焦点を当てた組織運営は職場にひずみを生むだけである。非正社員の声をココロで聴き止める、コミュニケーションづくりを。

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