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■ 東京と遜色なく作られても人が靡かない…香港のDLにみる

       
2006年2月6日  

 “仏作って魂入れず”ではないが、昨秋アジアで二番目にできた香港のDL(ディズニーランド)であるが、どうも客へのサービスが悪く、入場者の入りが悪いそうだ。先日こんな記事を目にした。「…予想外の来客数不振にあえいでいる。香港政府の肝いりで誘致されたが、地元市民は入場料の高さやサービスの悪さを敬遠。中国本土から訪れる客も、入場券の取り扱いに制約が多いこともあって伸びない。」 休憩場の不足や従業員の接客態度の悪さなどに不満が続出したらしい。
 以前発行した講演録に付録的挿入として、TDL(東京ディズニーランド)の人の使い方を紹介したことがある。今もってリピート客は減らず、根強い人気を保っているTDLであるが、そこで働く社員にはこんな動機づけを行っている。
 『社員と組織との関係を強化するためのユニークな策を打ち出しているTDLの例である。夢とか感動といった人間の感情の範疇に入る心の高まりを与えることは働く社員にとって大きな力を持つ。ここの採用通知の文面は「今回のあなたの配役が決まりました」から始まるという。アルバイトをキャスト、入場者をゲスト、制服をコスチューム、園内をオンステージ、裏方をバックステージと呼んでいる。呼び方を変えただけで何が変わるかと言われるかもしれないが、こんな他愛もないことがかえって働く者に夢を与え、それぞれにプロ意識を芽生えさせているのだ。同じ仕事を繰り返し行っていると必ず生じるマンネリ防止には、「感動の再現」。働いて得た感動をエッセイにするコンテストを行い、優秀な作品は冊子にまとめられ、社員に配布している。社員はこの冊子を折に触れて読み、自らの働く気持ちを新たにさせているのである。成果主義というと成果という無機質な数字にばかり焦点が当てられるが、成果主義であっても最も大切なのは「人」に注目することである。「人」に関心を持つことである。』


 労働時間制度に関して。基準法の改正が取りざたされているが、内実は伴っているのか、疑問を一つ。
 厚生労働省がいっている改正の狙いは、成果主義などで自立的に働く人が、出退勤時間などに縛られずに働けるようにすること。つまり、これまでの管理職に加え、一定以上の収入や権限のある労働者を1日8時間・週40時間の労働時間規制から外すという(今後の労働時間制度に関する研究会報告)。
 成果主義が浸透し、個別管理が確立されてくると、個々の社員は目標達成に必要な責任と権限が与えられ、仕事を進めていくことになる。そのような社員にとっては、労働時間規制は意味を失う。これは確かである。現在、厚生労働省が推し進めている労働時間制度の見直しは、この路線に沿っているというが、果たして上記でいうところの成果主義が根づいているだろうか。対象者を業務量を自分で決められる“管理職手前の中堅社員”や“プロジェクトチームのリーダー”としているが、その層の人達は最も過酷な条件下にありはしないか。サービス残業はまかり通っているし、長時間労働によるストレスは破裂寸前ではないのか。ある企業での話によると、休職者あるいは通院者(もちろんうつ病を含むストレス性の病気が原因であり、ケガなど外科的な者のことではない)のいない職場はないという。心因性による病が職場に蔓延しつつあることは、各種調査で明らかになっている。
 成果主義の理想に基づいた、今回のような労働時間などの労基法の改正も将来的には議論されるべきであるが、未だ実が熟しているとは言いがたい成果主義を、早々と成人させていいものかどうか。もう少し成長を見守り、育てていく目が欲しいと思うのだが。
 社会経済生産性本部が新入社員に昨年行った意識調査がある。その結果によると、“能力主義的な給与体系や昇格を希望する人の減少傾向が続いており、年功的な処遇を希望する割合が高まっている”、“今の会社に一生勤めたい人が前年より増加してる”。
 このような社員を抱えている企業で、自律的に働いている社員が何割いるのか、そして“成果主義”は展開されているといえるのだろうか。“成果主義”の底が見えそうな。労働時間規制をはずす、はずさないより、自律的に働けるような制度の構築、職場体制づくりが先であり、その後に時間管理を含めた自己裁量の範囲を拡げていくべきではないか。凶悪事件や偽装事件など社会的事件においては、それを取り締まる法整備が遅れているといわれている中、これはまた何と早手回しなこと。

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