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■ 意外?!管理者に感動をよんだ、職務をもとに人事考課がつくられていく過程

       
2005年11月7日  

 人事考課制度の設計というと、「会社が期待する人材像を反映させるように評価項目や評価基準を設定する。具体的には“このような能力を伸ばしてほしい”“このような姿勢で仕事に取り組んでほしい”という会社の要望を評価項目に盛り込み、それぞれの重要度に応じてウエイトづけを行う」などの説明がなされる。
 さて斯様な目的のもと設計された人事考課は、評価項目(要素)、定義、着眼点、評価基準(段階択一法の場合)という構成になっており、まず評価要素ごとに定義・着眼点をよく読み、最も近い評価段階の説明句を選び、BとかCの評語を決める。管理者は人事考課の時期がくると、人事部門から配布される人事考課表に以上のような手順を踏み、部下の評価を行う。しかしながら、その要素や着眼点がどのような過程で設計されてきたのかは意外に知られてない。逆にいうと、人事考課制度の設計に管理者層が関与していないことに驚く。
 評価要素は誰が決定したのか。着眼点はどこから導き出されてきたのか。評価基準の“普通”はどう設定されたのか。会社の人間?それは人事担当者?経営者?それとも・・・。まさかどこかの企業のモノをそのまま拝借してきた訳ではなかろう。誰がどのような構想・方針で設計したのかも知らずに、管理者は人事考課を行ってきたのか。“曖昧な基準で部下を評価しにくい”“職場の実態と評価要素があっていない” など、人事考課への不満を多々持っているにもかかわらず。
 本来、人事考課を設計するにあたっては職場管理者の協力は不可欠である。人事考課はビジョンや経営方針を達成するために、職場から引き出された職務によって、考課要素も、着眼点も、評価基準も設計されなければならないものである。それを一部のメンバーあるいは専門機関が設計し職場におろしたものであれば、責任ある評価を管理者に望んでもムリというものであろう。ましてやそれで成果を評価しようなどは論外。
 
 わが社の人事考課を設計・改訂しようとするのであれば、職務調査から入ることをお勧めする。職務を調査するという作業は、管理者を巻き込みまとめあげていくわけで、その効果は想像以上に大きい。最近ある企業で行った例をいうと、最初は完成品の姿かたちが見えず、四苦八苦する者、疑心暗鬼な者、要領よくこなせる者など、多種多様であったが、形が出来上がるに従い、“自分達のまとめた職場の仕事が人事考課とこんなに直結してくるとは思わなかった”“部下に与えている仕事が調査を通してハッキリ把握できた”等、予想以上の評価をいただいた。
 「仕事の種類」「具体的仕事」「担当の仕事」という一連の仕事の洗い出しを行い、職場における資格等級ごとの基本職務を明らかにする。これがいわゆる職務調査といわれている作業であるが、言うは易くで、いざ職場でこの作業に着手するとなると、なかなか思い通りには進まない。こんなはずではなかったと言う“思いのほか”という思いは、我々や人事スタッフの側と、作業を行う管理者側の双方の思いである。それはさておき、職務調査が人事考課にどう関わっているのか、について。
 まず、職務調査の結果、何が出来上がるかである。前述の企業は「職掌別職務一覧」と「職務別資格等級別基本職務一覧」を作成した。
 人事考課の評価基準の「標準」と職種別資格等級別に表された基本職務が連動され、業績考課の要素別着眼点に結びつける。さらに基本職務は、行動の期待基準と結びつけて能力考課の要素設定と着眼点の設定も行う。昇格選考にも威力を発する。昇格候補者の上位資格の期待レベルとの比較ができ、判断材料の一つとして活用できる。社員一人ひとりのキャリア形成プログラムや教育研修、異動・配置の企画資料としても。
 管理者にはどう使ってほしいのか。職場目標と仕事を関連づけ、目標達成計画に。部下への目標と仕事の割当て、また計画OJTに。すなわち管理者が行う仕事の管理と部下の管理に有効活用できるのである。従業員自身はどうか。業績考課の基準書には、資格ごとに期待する遂行基準(着眼点)が具体的な行動事例で示されているので、職務遂行の参考資料となり、さらに上位資格にチャレンジするための自己啓発目標にも活用できる。能力考課の基準書は、成果をあげるにはどの能力が不足しているか、上位資格にチャレンジするにはどんな能力が必要となるか、能力開発目標設定に役立つ。
 但し、作りっぱなしでは、元の木阿弥となりかねない。1〜2年に1回でも委員会メンバーが上記「職掌別職務一覧」と「職務別資格等級別基本職務一覧」を見直すという、メンテナンスは必要である。急激な変化が起こりやすい現代である、今ある仕事が無くなるかもしれないし、新たな仕事は生まれ続ける。我々言うところの“子守り”は必須。

 職務調査では課業を書き出してもらうが、この課業、くせものである。以下の例をまず読んでいただく。人事部には採用に関する仕事として、“応募書類の受付”という課業があるが、そこには「応募書類を応募者から受け取る」「会社指定の用紙が使用されているか、また応募書類の記載内容に記入漏れがないかを確認する」「試験の日時、場所等を明示した通知状を渡す」などの仕事がある。しかし、それらカッコ書きした3つの仕事自体には目的はなく、採用試験の“応募書類の受付”という課業を果たすために必要な手段としてのみ存在しているに過ぎない。“課業とは、一定の目的を持ち、分業分担が可能なまとまった仕事であり、手段としての仕事とは明確に区分して認識されなければならない”のであるが、職務調査を行う際、仕事の目的と手段が整理されている多くの管理者には至極当然の区分だが、マネジメントを理解されていない管理者にとっては難しいところである。

 今月は少々企業組織内のあまりに卑近な話題になったので、終わりは、制度設計・人材育成などの専門コンサルタントが推奨する、人事担当者に読んでほしい本を幾冊か紹介する。(これは、当MCOも参加した労務行政研究所「労政時報」の別冊「人事担当者のための次世代人材育成の手引き」からの引用である)
●キャリア・カウンセリング… 自己実現としてのキャリア形成をいかに支援するか(木村周・雇用問題研究会)
●ニューウェーブ・マネジメント… 古典化しつつある。マネジメントを見直す手がかりとして(金井壽宏・創元社)
●創発型ミドルの時代… 中間管理職に求められる新しいマネジメントスタイル。これからの人材開発の考え方に参考となる(田坂広志・日本経済新聞社)
●人を伸ばす力… 動機付けすることの大切さを詳細に解説(エドワード・L・デシ、リチャードフラスト・新曜社)

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