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■ 経営改革の推進策“効率化とコスト削減”、的をはずすと…

       
2005年9月6日  

 選挙戦真っ只中。各政党の公約や約束、いわゆるマニフェストが花盛りであるが、その中に小さな政府という言葉が時折使われている。経費をかけずに政治が滞りなく運営されるのであれば、こんな結構なことはなく是非ともお願いしたいが、実現にはなかなか…なぜか、時間がかかっているようである。
 成果主義を推進する組織体制づくりにまず“小さな本社”をおく企業も出ているが、スタッフ主導の経営から経営トップとラインを直結した経営スタイルに転換し、本社機能を担うスタッフの人数や経費を極端に縮小しようというねらいである。経費節減は他社との競争力強化にとって、切実かつ緊急、継続的対策の1つである。しかし、なにごとも効率第一、経費節減で片付けると職場に混乱を招き、社員のヤル気の喪失にも結びつきかねない。経費節減は仕事の合理化を第一目標としており、人員の削減が先にくるのではないことを深く心に銘じておこう。これに先立ち認識しておかなければならないことは、規格大量生産(従来からの戦略の核となっていた)の時代は終焉を迎えたということであり、それは頭で理解していても企業目標の中にシェア重視が垣間見えているといった意識の底の本音が出ている企業もある。経営者の事業再生への断固たる決断が感じ取れないと社員はついてこない。

 “仕事”が社員一人ひとりに、また管理者に明確にとらえられていないと、自社の強みが何かはとらえられず、仕事の効率化もできない。
 人事考課の改訂で仕事の洗い出しを職場管理者に行ってもらうと、どの仕事が課業に相当するのか、この仕事はどの項目に分類されるのかなど、1つ1つの仕事はできるが、整理のできない管理者や、職務のつながりや分類などで混乱してしまう管理者もかなり多い。経営理念や事業戦略を実現させるためにどの仕事が優先されるべきかの選択は、仕事の括り方や流れをとらえておかなければできない。その認識が弱いと効率化もコスト削減も的のズレた対象を選ぶことになってしまう。

 健康的で誰でもがハッキリ理解し納得できるローコスト対策は、消費者の選択によって企業の盛衰が決まる自由競争時代に対応するためにはより強化こそすれ、放っておいていいものではない。それには次のような対策が必要であろう。
低金利時代、施設を余らせても人を遊ばせない“少数精鋭主義”への転換
事業化調査(F/S)での規模決定基準は、資金、土地、原材料、重要与測量の4つで決めてきたが、これに高賃金時代を反映して人員数を加える
「価格−利潤=コスト」という発想に基づく仕組みの再構築
コストアップを価格に転嫁できない時代、まず消費者(市場)がいくらなら買うか、いくらなら競争相手に勝てるかという価格から、会社の利潤を引いた残りが経営者に与えられたコスト使用権の限度額ということを明確に意識する
費用対効果(顧客が相応の価値を認める)を基準にしたスピード感のある経営
過剰品質、過剰包装、過剰広告など、誰が一体何のために支払うのか、コストを考えずに供給側の論理で品質・サービスを追及しても、消費者が価値を認めてくれなければ全くのムダである
利益に結びつかない手続き費用の見直し・撤廃
会議を開く、そのための書類の作成と事前の根回しをする、そういった手続きに膨大な費用と手間がかかっている。また集団的意思決定は責任者不明の状況を招きやすく、大胆な決断は行われない一方、一つの流れができると皆が暴走する危険が伴う
社員の一律・平等化に支払う費用の削減
社内のバランスや社員の士気を理由に、不採算部門にも予算と人員を配分したり、摩擦と抵抗を避けようとすると給与や処遇の差は付けにくい。高賃金の時代、個人的な人情や組織的な平等化費用は限りなく肥大化する可能性がある
共同体の論理から機能体としての論理への変更
人員の削減や経費の低減を持ち出すと“社員の士気が下がる”という反論が出るが、意欲と活力を重視する発想は共同体の論理であって、機能体の論理ではない。デフレ・自由競争の時代は量よりも質、売上高より利益率が追及され、むやみに拡大意識を煽って事業を広げると危険である。冷静に目的を追求するという機能体の論理へ切り替えないと、自己満足と責任回避に浸る共同体の論理が優先することになるので、組織の価値観(組織風土)を変更しなければならない

 効率化とコスト削減を追及した国のその後を伝えた本が出版された、「ハードワーク(ポリー・トインビー著)」。
 民営化はイギリスの最も成功した輸出と言われているほど、民営化を徹底し、経済を活性化させるために“小さな政府”を作ったのが、イギリスのサッチャー氏だ。非効率な“官”は民営化する。官民を問わず、割高になる人件費を切り下げるため、正職員を減らし、雇用は派遣会社との外部契約に変えた。ここまでみると、選挙中毎日聞こえてくる我が国の公約とも間違えそうである。20年以上民営化路線を進めてきたイギリスは、ではどうなったか。効率化とコスト削減のための外部契約が、かえって仕事の非効率を生んだりコスト高になる矛盾も出てきているという。日本で言えばフリーターのように派遣会社に登録し、低い賃金で仕事を転々とするしるしかなく、しかもいつも仕事があるとは限らない。こんな不安定な生活をする人々が社会全体の3割を占めるに至っているという。国の高い経済成長に関わらず、賃金は一向に上がらず、その子供達は教育を受ける機会を奪われ底辺から脱出することすらできない。中流階級崩壊といわれだしたイギリス、所得格差が日に日に拡大しつつある日本の将来像(いや、もう現在像か)と重なりはしないか。

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