社員分類制度設計/人事考課制度設計/賃金制度設計/その他人事諸制度設計/研修・講演講師
成果主義を実現する人事考課
成果主義を実現する人事考課 成果主義を実現する人事考課/お問合せ
  MCO マネジメント・コンサルタント・オフィス  
TOPコンサルティング各種研修考課者研修企画見積書公開活動コラムリンク集サイトマップ
MCOサイト内を検索

■ 年度末にみる企業の成績表、成果主義の「成果」を問うと…

       
2005年4月1日  

 先月のコラムでは「成果主義導入後の歩み、順調ですか?」と問うたが、その結果が労務行政研究所から出た。今月は、先月からの続きで企業における成果主義導入後の「成果」を評価する。
 中越地震から数ヶ月後、起きるとは思いもしなかった九州の北で地震が起こり、日本中がまた危機感と不安の渦に巻き込まれ、「一寸先は闇」は現実だった。ついこの間には地震予測確率も出た。30年以内に震度6弱以上の地震が起きる確率の高い地域は日本国内で3割に達するという。80%以上、40%以上と予測された地域の方々はこの発表をどう捉えているのだろう。(ということで地震の話を閉めようとしたのだが、三月末にまたもやスマトラ島付近で地震が起きてしまった。一体どうなっているのだろう)
 不安と予測が社会を覆っているが、企業社会も混沌とした中で04年度が終わった。かつてカリスマ経営者といわれた人達の何人もが残酷なまでに現実を付きつけられ表舞台から退場し、若くだからこそ、それまでの経営者とは価値観を全く異にする経営者が登場し出した。企業とは何の関係もなさそうな人達さえもが、株買占めや企業買収の報道に耳を傾けているが、これを新しい動きと見るべきなのだろうか、ただの野次馬なのだろうか。そして毎日テレビに出てくる30代の若者は、新しい時代の象徴なのだろうか。

 導入企業が8割近くに迫っている成果主義の実態を探るために、労務行政研究所が「成果主義人事制度の導入効果と問題点」について人事・労務担当役員と労組委員長双方に調査を行った。この調査で最も重要と思われる点は、「自社の成果主義人事制度について問題点の有無を尋ねたところ、労使双方とも約9割が“問題あり”と回答」していることである。問題ない企業は1割に満たなかった。これでは経営者は自信を持って経営に携われず、働く側は安心して仕事に打ち込むことはできない。何が問題なのか。

 成果主義人事制度の枠組みとなる下記8項目の人事諸制度を列挙し、問題点を選択させている。…其癲進鷭契度関連、評価/目標管理制度関連、E級/資格制度関連、た雄牋蘋/人事異動関連、ヂ狄Χ癲診金制度関連、ο働時間関連、Ъ勸のモチベーション関連、┐修梁勝
 結果は、息が合った労使関係というべきか、上位3項目は労使とも順位は同じであった。一位評価/目標管理制度関連、二位Ъ勸のモチベーション関連、三位た雄牋蘋/人事異動関連。やはりというべきなのだろうか。成果主義と目標管理は、どの企業においても相思相愛のようにくっついて離れずにいるのに、いつもトラブルを起こしている。二人の仲を仲裁するお節介オバサンはいなのか、経験豊富で智恵の勝った。

 かなり温度差があると感じた調査結果がでている。
 経営側は「社員のヤル気・能力向上への意欲が強まり、成果に対する職場のムードが高まった」と評価している。これが職場に実現していれば、まさに成果主義導入のねらいは達成していることとなり、「成果主義異変あり」「見直し企業続出の成果主義」などと報道されるばかりでもあるまい、“従業員も歓迎!成果主義人事”とか“成果主義がもたらした、業績アップ企業ランクづけ”などといった見出しにお目にかかってもいいような…。
 しかし、(やはり、“しかし”がついた)働く側は全くそうはとらえてはおらず、“社員同士の競争意識”だけが、まあ強まったと感じているようである。経営側が高く評価している「社員のヤル気・能力向上への意欲、成果に対する職場のムード」については、回答回避傾向がみられた(5段階回答における真中の“どちらともいえない”が多かったのであるが、この項目は、“好いか悪いか判断できない”だけでなく“答えようがない”場合も選択される)。
 成果主義導入後の効果に関して、この調査結果から推察できることは、経営側の自己評価が高かった割には労働側の評価は予想以上に低かった。

 もう一つ、別の調査結果を並べたい。
 「成果主義と職場風土に関する意識調査」(クレイア・コンサルティングより)。都市圏に働く1000人を対象に実施し、「成果主義、長期視点ならヤル気が出る〜キャリアの不透明感が負け組み社員をつくる〜」という結論を導き出しているが、分析結果の概要が成果主義の問題点を突いているので、そのまま引用させていただく。
 『導入効果が問われている成果主義ですが、能力評価と連動することによって「処遇への不満」を抱く社員が少なくなり、上司は部下育成に熱心になることがわかりました。反対に、短期的な結果に偏った成果主義では「処遇への不満」が増加することがわかりました。また、成果主義を導入した企業では、「勝ち組」と「負け組」の選別が進んでおり、自らの能力、将来のキャリアを認識できない社員が「負け組」意識を持ってしまうことがわかりました。今回の調査から、成果主義によって社員のヤル気を引き出すためには、能力評価や人材育成のような長期的視点が不可欠であり、種蒔き(育成)することをせずに果実(成果)だけを刈り取ろうとするタイプの成果主義は、大幅なモチベーションダウンを引き起こすことが明らかになったといえます。』

 先の労務行政研究所が行った調査での問題点、評価の問題、社員のモチベーション、人材育成の3項目を解決するためには、まさに次に載せた意識調査の結論部分『今回の調査から…』が解答を示している。これは成果主義云々のことではなく、どの時代の人事制度にも言われ続けてきたことでもあるが…。
 今、成果主義人事が失敗した、見直しに入っているという企業には、成果主義人事導入の前にどのような人事制度で組織が運営されていたのか、またその時にはどのような問題を抱えていたのかを聞きたいと思う。それらを把握せずして新たな人事制度を採用しようとしても課題がさらに課題を作っていくことにならないか、熟考して欲しい。
 
 先日の新聞記事に、某企業ではこれまでの個人の成果からチームの成果に成果の対象を変更すると載っていた。そもそも成果主義を標榜した背景には、一人ひとりが業務を創造していかなければならないホワイトカラー化の時代を迎え、これまでの一律平等主義の集団管理から個人を強くする個別管理へと転換せざるを得なくなったという要因(年功=能力=業績が成立しなくなった)があったはずである。個人の成果を把握することが困難だからチームの成果に変更するというのであれば、同質集団としての能力主義とどこがどう違うのか従業員に説明がつくであろうか。
 結論をいえば、成果主義に移行するためには、まずどういう事業領域でどんな業績や地位の会社を目指すのか、という経営ビジョンがなければならない。これなくして成果主義を導入しても組織は矛盾を生じるだけとなる。

 三月の下旬からブログ「東奔西走!コンサル活動日誌」を開設した。我々の日常活動のウラバナシ、そして人間的側面が伝わるような汗や感情に溢れた日々の出来事を発信することを心がけ…肩肘張らないものにしたい。コラムとはまた色合いの異なる軽〜いミニミニ日誌。気分転換が必要なとき、体にはダカラを染み込ませつつ、脳を休ませるに我がブログへの訪問を。

ページトップへ
MCO 有限会社マネジメント・コンサルタント・オフィス
〒232-0036 横浜市南区山谷72-1-710 Tel:045-334-7680(代表) Fax:045-334-7681