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■ アテネ五輪とかけて成果主義と解く

       
2004年9月4日  

 大いに沸いたアテネオリンピック。非常に若い人も中年のおじさんもメダルを獲得し帰国した。日本人のイキイキとした表情がテレビ画面一杯に溢れたことは、久しぶりの感がある。単純な感想、日本の未来にも明るい希望がもてそう。

 アテネは“個”の勝利。
 多くの選手が活躍したが、個人種目が輝いていた。「チームを優先する思想から、個性を磨く個人主義へ。…個人を単位とした強化活動が日本でも広がり始めた」「従来は各競技団体代表の中で強化がはかられてきたが、その枠を超えて個人の強化チームを作り始めた」という分析を新聞紙上等でしている。水泳の北島はその代表例。個人の特質を強化しながらチームとしてまとめたのが体操男子だろう。各人が得意種目をもち、最高の技を出し合えるチームワーク作りをした結果と思える。

 アテネ五輪とかけて成果主義と解く。そのココロは、どちらも“個”の発揮。
 “個”をつくり、その持てる能力を十分に発揮させる。言うは易いが、これほど難しいものはない。日本の社会に個を形成する個人主義が根をはっているか。西洋人の個人主義と日本人が考える個人主義とは大きく隔たっているらしい。それは社会のあり方の違いから発しているとのこと。少々脇道にそれるが、我々が生きている社会、世間と違い、西欧社会は“強烈な自己意識といえるプライバシー権を生み出した個人から構成されている”と「世間の目」の著者、佐藤直樹氏は言う。本書では続いて“西欧のプライバシー権とは、100年以上前に英米で「ひとりにしておいてもらう権利」「世界に対抗する権利」として確立されたものだ。「ひとりにしてほしい」ということは、いいかえれば「ほっといてくれ−」ということである。これは我が国でのプライバシー権の定義である「私生活をみだりに公開されない法的保障ないし権利」ということより、はるかに積極的で強い自己意識に根ざしている”と、欧米での個人主義の根底にあるものを示している。日本人の我々にはついていけないほどの凄さである。“自己意識”という言葉すらなじみは薄い。
 成果主義はもともと個人主義が確立している欧米企業の文化に根ざしたものであるだけに、それとは全く異なる文化圏の日本企業で運用するには、道のりは険しいと言わざるを
得ない。しかし、成果主義は日本企業が世界で戦うための“個が働く”を実現させる。富士通が02年の成果主義人事の改訂で行ったことは、運用面への見直しであったと聞く。成果を求めるあまり“結果”に偏りがちになり、無機質的になってしまった社内風土を血の通った色彩が感じられる風土に作りかえようとしているのか、その方針は、○自立的人材の育成、○自己選択の場の提供、○マネージャー層のレベルアップ、○誉める文化の醸成。
 成果主義人事の構築には終りはなく、つねにマイナーチェンジの繰り返し。

 成果主義には“個”となって対処すべし。
 組織の一員である以上、その中での生き甲斐、やり甲斐を見つけたいものだ。仕事は概ね10年経てばおもしろみ、深さが少しづつわかってくる。さらに結果が出ればなおさらだ。そういった個人の仕事への思い入れと成果主義がどう手を結ぶことができるのか、ここが企業の真剣に取組むべきポイントではないか。どれほどすばらしい理念や目標を掲げ、それに必要なIT等の設備を投入しても、所詮“人”がやるのであるから。
 アテネでの体操選手のように、一人ひとりが持てる能力・特性を如何なく発揮し成果を上げ、かつチームとしての業績をあげられるような職場づくり。まず管理者が“個”をもとう。普通名詞のみの“課長”と呼ばれるのではなく、部下や他職場の社員達に名前を冠してもらえる、顔がイメージされる管理者が成果主義での管理者なのではないか。

 “個”の生き方といえば、若い世代では当たり前のフリーター。
 よく正社員とフリーター(若い世代のパート・アルバイト)は比較されるが、その一番目に来るのが収入の差。フリーターは正社員の年収の半分という調査も出ている。ではフリーターはダメなのか。若者がフリーターをしている真の原因は何か。若者にとって魅力ある生き方とは?正社員になることなのか。我々(中高年世代)の生き方尺度で測ってよいものか。03年の内閣府「若年層の意識実態調査」によると、こんな結果が出ている。
 表の数値は「あなたは各項目に対し、現在の職場について満足していますか。あなたの考え方に近いものをお答え下さい」という問いに対し、「満足している、どちらかといえば満足している」と回答した人の割合(%)である。

職場の状況
正社員
フリーター
総合判断
61.0
58.4
現在の職場での働き方
昇進の機会
能力開発や教育訓練の機会
同僚との人間関係
仕事内容
賃金
上司との人間関係
適切公正な能力評価
労働時間の長さ
仕事と生活の両立のしやすさ
拘束度
休日の多さ
68.9
35.3
41.2
77.5
65.9
37.5
61.4
46.5
49.9
52.6
51.5
54.3
56.5
27.6
35.1
74.5
65.5
37.9
63.7
51.6
65.2
68.3
68.0
70.8

 フリーターが正社員よりも特に満足しているのは、“労働時間の長さ”“仕事と生活の両立のしやすさ”“拘束度”“休日の多さ”。この4項目よく見て欲しい。これらは人が充実した人生を送るのに、必要欠くべからざる要素である。本来これこそが、企業で働く正社員が求めているものである。が、かえって正社員は長時間拘束され、残業も多く、生活が仕事に汚染されている。
 一方、正社員が満足している項目というと、“現在の職場での働き方”“昇進の機会”“能力開発や教育訓練の機会”。仕事人間以外には、あまり魅力的とはいえない現状。年収で大差をつけられている“賃金”であるが、それぞれの満足度では正社員もフリーターも差はない。正社員は正社員同士で比較をし、フリーターは彼らの中で比較しあう。ゆえに満足度に差が出ない。満足とはしょせんその程度のものではなかろうか。月給30万円が多いか少ないかは、周りの自分と同レベルの者が50万円もらっていたら不満だし、逆に20万円程度なら満足する。それは正社員もフリーターも変わらない。
 どのみち人は、満ち足りた人生を送ることは難しい。仕事に関しての満足度はサラリーマンもそうでない人も、たいして変わらない。どちらが人生を有意義に生きているか、自分自身を大切に扱っているかは、“個”の問題である。フリーター諸氏にとっては“個、それぞれの生き方だ、勝手にさせてくれ”というところか。
 
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