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■ 非定昇時代来る?しかしその企業社会は“大人語の謎”だ

       
2004年3月1日  

 「春・闘は春・討になった」という記事を見た。うまいことを言うもんだと感心しつつ、そういえばストはなくなり、ほとんどが話し合いで決まっている。昔は3月に入ると電車やバスが止まり、三月という季節をイヤというほど味わった。昨年も定昇廃止、ベアゼロの文字が踊っていたが、企業側は定昇の凍結・延期や賃金カットを提案し、組合はベースアップは見送るが定昇を確保しようとヤッキの動き。非定昇時代はジワジワと確実に忍び寄っている。
 入社後一定期間(30才位)は成果の評価が難しいので定昇を残すが、役割や等級、成果に応じて年齢に関係なく評価し、降級もありうる制度に改訂する電気会社。管理職と同様に一般社員にも定昇廃止。勤続年数の長さより、能力ある人材に高い給与を払うことを目的とし、社外から優秀な人材を呼び込む狙いもかねた自動車大手。賃金カーブの維持も曲がり角にきている春闘。さて、どのあたりに着地するのか。このコラムが載る頃には、そろそろ固まりつつあるのだろう。

 滅亡に瀕している定昇。企業はますます業績の良い人には厚く、そうでない人には降格も待っているという厳しさだ。社員は成果をあげるべく必死で企画を立ち上げ見切り発車したり走ったあとでポシャらぬようかたちにしなくては…と、業務に励んでいる(下線については後述)。そこに醸し出される会社世界は、組織に属していない、あるいはこれから入っていこうという人達から見ると摩訶不思議、謎に包まれているようだ。
「手前どものにんげん」、「失礼ですが……」、「たたき台」
 社内でよく使われる言葉。
「お世話になっております」、「お忙しいところ」
 相手に会った時や文書には必ず挿入するセンテンス。今はメールにも使っている。
 違和感ないが…という方、多いと思うが、世間とはまた一味違った使い方をしているのが企業という名のオトナ社会らしい。組織社会でごく普通に使われている、これら言葉を懇切丁寧に大盛の笑いを添えて、その不思議なニュアンスを解説している本が出た。『オトナ語の謎』。上記カギカッコの言葉の解釈を引用しよう。

「手前どものにんげん」−
  武士道とは死ぬことと見つけたり。オトナとはへりくだることと見つけたり。とにかく、へりくだることがオトナの基本です。オトナたちはありとあらゆる局面において、我先にと争うようにへりくだる。“そちらに、手前どものにんげんが伺っておりませんでしょうか?”嗚呼そこまで下へ潜らなくてはならないのか。
「失礼ですが……」−
  電話口などで多用する言葉であり、その内容は“名を名乗れ”ということ。しかしながら、言葉の実体は“失礼ですが”の部分にはなく、続く“……”の部分、すなわち沈黙部分にある。この“……”こそがヤツの正体!数秒沈黙することによって相手はいたたまれなくなり、ついに自分の名前を白状してしまうのだ。
「たたき台」−
  オトナはまず、大体の形を作っておいて、それをもとにああだこうだと言うのである。言われるそれが、すなわち“たたき台”。練りに練った企画書がさんざん修正された時“まあ、これはたたき台ですから”と逃げる応用例もある。“たたき台をつくっといて”と言われて魚屋へ走ってはいけない。
「お世話になっております」−
  オトナの世界はこの一言より始まる。いわばオトナの世界における万物の始まりといっていい。本当にお世話になっているかどうかは関係がない。とにかく開口一番、あっという間にそう述べるべきだ。“お世話になっております”。そう、あなたがまるでお世話になっていなくても。むしろ、オレがおまえをお世話しているのだと思っても。あなたと私は絶対に初対面であるけれど。たとえ先方の電話に出たのがベッカムだとしても。
「お忙しいところ」−
  交渉の始まりに必ず登場する言葉。例によって相手が本当に忙しいかどうかは無関係である。超忙しくないからこそ自分に会ってくれているのだと考えることもできるが、ともかく“本日はお忙しいところ…”と切り出すのがオトナの交渉風景である。メールや電話でも頻繁に用いられる、最重要オトナ語のひとつだ。
 イトイ氏監修の「大人語の謎」がヒソカに広く浸透しつつある? 大学生の息子から聞き知り、かの本を借り受け、「大人語の謎」なるものの正体を知ったのだが、イトイ氏ならではの解説が受ける。イトイ氏とは『不思議大好き』『おいしい生活』『君にクラクラ』などの、70〜80年代にヒットしたコピーで有名な糸井重里氏のこと。50代あたりの人間なら大抵知っている人。その彼が監修して出版したのが「大人語の謎」という変わった名称の本。
 「う〜ん…企画の意図が見えてこないな。部分的にはいいんだけどね。こう、遊びが足りないというか、一言で言うと弱い。もっと軸になるものがないと」「そう思って頑張ってみたのですが…」「頑張るだけじゃダメだろう!
 組織内では十分通じ合う会話だが…これらも全部オトナ語らしい。前述の下線とここの下線部分はオトナ語会話を使った例。わからない人にはわからないらしい。朝日新聞の『サラリーマン用語辞典』も同じような世界を追っているようだが、色合いはだいぶ違う。
 一言ご忠告申し上げたい。この本は通勤電車の中では読むべからず。声を出さずに笑うという芸当が相当得意な方以外は。

 定昇もおぼつかない現在と将来の賃金、企業人の賃金はどうなっていくのか。
 将来が見えない、不安定であるからこそ、少しでも確かなものを求めたい、知りたい。本音だ。科学技術が進んだ現代でも天気予想ははずれること多し。賃金制度はどう変貌をとげるのか、予想してみよう。気象予報士よりは確率が高い…と思う。
 賃金制度は“経営者からの経営改革の最終的メッセージ”であるともいわれている。賃金制度だけで改革は断行できず、ましてや改革を主導するわけではない。主導するのは企業経営者が立てる経営戦略である。経営戦略ありき。それに応じて組織改革を実施するのであれば賃金制度も改革せねばならない。なぜなら、賃金制度の改革なくして社員は経営者が真剣に改革に取組んでいるとは思わないからである。(他の人事制度の改革も不可欠であることは勿論だが、社員にとって肌で感じられる改革は何と言っても賃金制度である)
 同年次一律処遇は完膚なきまでに消滅するであろう。職能資格制度を生かす企業においては、昇進や昇格が厳選され、能力だけでなく仕事の成果が占める割合が増える。役割給や成果給という名称の体系が主流をなし、職能給一本から細分化される。管理職層や専門職層中心に浸透している年俸制は、成果によって評価し処遇する成果主義の賃金支払い形態の一つであるが、今後、年俸制の増加は職能資格制度の変質を促し、一般社員と管理職という二分化した賃金制度になっていく。
 管理職層は、部下や職場のマネジメントをし業績を達成しようとするのか、専門分野で会社に貢献する層になるのか(ひょっとしたら大発明してノーベル賞をもらった田中耕一氏や200億円の支払命令を勝ち取った中村修二氏の次に続くかもしれない)、メニューは自己選択の時代に入る(関連会社への出向、一旦退職後再雇用とかメニューはもっと多様化するだろう)。
 一般職。基本給部分に企業の個性化があらわれる。従来型の職能資格制度で見られた本人給と職能給という単純型ではなく、自社にあった種類を組み合わせて構成することになろう。生活基本給としての「本人給」(占める割合は徐々に減る)、仕事の難易度や責任度によって設定される「職務給」、仕事を自己管理できる層には「役割給」、勿論「職能給」も健在。そして将来的に需要が高まる介護関係(介護職や看護職、調理職など)にはピッタリの、ヨーロッパに多い職種と熟練度に応じて決定される「職種給」もあげられる。これまでの職種給対象職としては運転手、大工、警備員等であったが、これらは世間相場や慣行で決まっていた。介護関係はそれぞれが専門職でありながら、各職種は全く資格取得条件も異なり、一括りできないものである(これを職務給で対応するかは意見の分かれるところであろうが)。これら紹介した基本給要素も企業ごとに内容と比率などは異なるし、新しい基本給も登場するだろう。企業は実態に合わせて基本給構成を決め制度設計をし、社員は各々己がコースを選択するのだ。
 我々は賃金をもらうために働くのであるが、他方どんな仕事をすれば(最高に成果があげられると思う職種)安定して賃金が入るのかを一人ひとり持たざるを得ない時代に入ったといえる。賃金は会社からいただくのではなく、仕事を通して自分が勝ち取るものなのだ。定昇廃止なんかでビクビクすることはない。過去の経験を活かし将来の道を描き、自負をもって進もう。

       
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