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■臨時増刊!人事考課は善玉?悪玉?学校・教員が揺れている

       
2004年2月10日  

 とみにアクセスの多い、町立中学校から国立大学までの、学校関係の方々に

 文部科学省が公立学校の教員を評価し、昇給や昇進に反映させる人事考課制度などを05年度までに導入する方針を出してから、学校と教員が揺れている。学校にも競争原理を持ち込み、教員の資質向上がねらいだ。賛否両論入り乱れ、教員を企業のように評価することの是非を争っている。
 教員側からの反対の声は多い。教員の協力協業体制が破壊される。評価への信頼性が疑わしい。教員の成果は短期間にあらわれるものではなく、一年間でそれを評価しようというのはムリだ、等。
 そしてある校長の言。「いい授業かどうかは、教室の小窓から子供の顔を見ただけでわかる」。校長がこれでは教員の不信は免れない。一方、「我々はこれまで、能力や業績に関係なく昇給してきた。いくら指導力を磨いても努力しないで怠けている教員と待遇にあまり差が出ない。向上心がそがれ、優秀な教員が育たない」と反対意見を批判する教員もいる。
 人事考課への疑問や問題点は、50数年、人事考課の歩みとともに言われ続けており、それは人事制度の整備と体系化が進む中でも常に発生し、各企業は問題解決に取り組んできた道程でもある。
 「人事考課で評価される内容(評価要素や評価基準)を知らされていないので、どうすれば良い評価がもらえるのかわからない」「評価の結果が知らされない」「考課者は部下の仕事の内容や取組んでいる気持をよく理解して評価しているだろうか」「失敗やトラブルを起こしたら、後々まで評価に悪く影響するのではないか」「考課者の主観や好き嫌いの感情が反映して、公正な評価が期待できないのではないか」など、それは年功時代から成果主義の時代に入っても、共通して出てくる人事考課に対する不安や疑問である。
 教員の不安もそれと同じだ。「管理者に評価する能力があるのか」「評価基準がわからない」等。職場の実感と異なる評価がされれば、教員のヤル気をそぐ恐れはある。それは企業においても人事考課が負っている課題である。
 しかし、人事考課は黄門様の印籠ではない。万能でもなく、人事考課で全てを解決できる効力も持っていない。問題の本質を捉えずして、人事考課だけに焦点を当て善か悪かを議論してもはじまらない。

 企業の人事考課も公正さ、納得性、明確な基準づくりと、過去何十年も問題を抱えつつ行われてきた。企業と働く側はある時は歩み寄り、また闘争してきたわけであるが、完璧な人事考課を求めるのではなく、双方のバランスである。学校に人事考課を導入しようという動きと、その内容とは別次元で考えるべきである。導入すること自体が反対なのか、公開性や客観性、納得性に少しでも近づき、よりよい教育ができる、未来の人間づくりにプラスとなる制度作りになっていないから反対なのか。

 確かに教員の職務には特殊性があるのは事実である。しかし、企業にも多種多様な職務があり、それぞれ特性を有しているが、特性を踏まえた人事考課が行われていることを忘れないで欲しい。広く社会との関係を持たなくても自分達だけの社会で生きてこられた業種であっただけに、「学校の世界は別」という概念が根強いようだが、学校も組織である以上組織運営ということにもっと、管理職も教員も意を払ってはどうだろうか。
 病院もかつては業態の特殊性を理由に経営という視点が抜け落ちていた。それが「医療の質や患者の満足度を高める」「病院経営を効率化する」といった一見両立しそうにない目標を掲げ、病院経営をしようとする試みが出ている。患者を「顧客」ととらえ、企業の経営管理手法を応用しようというものである。そういえば、元デパートの接遇訓練の先生が、病院の看護士や事務職に挨拶の仕方、声の出し方、お辞儀のし方などを訓練する研修依頼が多くなったと言っていた。学校も然り。「うちは特殊だ」意識に縛られてはいないか。実はこのような例は、学校や病院だけではない。普通の民間企業にだってある。制度の改訂に着手すると、人事担当者や部門の長が「我が社は特殊な部門が多いのでなかなか一様にはいきませんよ」「我が部署は会社内でも特殊な仕事をしているので、他の部門のように簡単には作れません」と言う。どこでも、誰でも、我が組織は我が職場は他とは違う、と思っている。それを否定はしないが、組織である限り、仕事の内容とそれを基にした評価の基準づくりは可能なのである。

 「人事考課という評価の世界に全責任を持たせられても困る」。たぶん、人事考課はそう嘆いている。人事考課は、当HPの「人事考課の世界−人事考課って何」を読んでいただくとその歴史の深さがわかるように、極めて古くから存在するものである。が、またこれ程に困難な未解決の問題を抱え続け、今もってその過程を歩みつつある制度でもある。

 昨年の教職員団体全体の組織率は49.7%と、初めて50%を割り込んだ。30年近く連続して組織率数値は低下し続けている。教員も多様化しつつある中、組織の考えと個人の思いに乖離はないか。人事考課導入は教育にいいのか、悪いのか、成果重視の評価は教員のヤル気を阻害するのか、しないのかといった短絡的な議論をする前に教育の原点である、未来をつくる子供達に何ができるのかをもっと考えるべきではないだろうか。
 子供達は大人達の争いを、しっかりと評価しているかもしれない。

       
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